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その時、たしかに星が落ちる所を見た。翌日、私はなまえと出会った。
これまで私はずっと彼女も私達と同じなのだと思っていた。初めて会った時になまえは自分の名以外のほぼ全てを知らないと言ったから。何年経っても変わらぬ姿に人間ではないことはわかった。だから同じなのだと、そう結論づけていた。
私がそうではないと知ったのはなまえと会えなくなってからだ。岩の魔神が彼女と契約したその契約を守ると決めた時、揺らいでいたその運命は固定された。他の誰でもないなまえ自身の手によって歴史は決められた。私がこの地上から姿を消さざるを得なかったのもまたそういう運命だったからだ。それを恨むこともない。けれど私はずっと心配だった。今はもうそれがなぜなのかはわかるけれどその時は理由まではわからなかった。
――なまえは死なない
私が死の間際、岩の魔神に伝えた言葉。魔神は不死なのだから当然だとそれを知る者はいうだろう。私がこの地に居着いているのもその一端だからだとそういうだろう。けれど、そうではない。なまえは夜から落ちた者だ。あの姉達の加護を受け不死になったのかもしれない。私の肉体が消えた時、私は世界の記憶を見た。そしてなまえの本質を知った。私が知っていた彼女の魔神としての特性は彼女自身の力ではなかった。あの精霊が力を貸すことによって水の力を使えるようになったのと同じように岩の魔神に与えた力。そしてあの目。あれこそが彼女の力の本質だったのだ。でもあれは正しい使い方ではない。
何物であれ全ての生き物には運命が定められている。運命とは生から死までの一連の決まった行動である。だから、運命には死がつきものだ。それを司る神もまた変わらない。
――そのはずだった。運命の女神は死から遠ざけられた。それは女神を愛する彼女の姉達が願ったから。自らは破滅しようとも無関係の妹だけは加護を受けるように祈りを与えたから。
異端たる夜の娘。今では神話の中だけでその存在が伝えられるあの三姉妹の異端たる末の妹。それがなまえの本質なのだといまは正しく理解している。夜から落ちた星の娘は全ての記憶を失った後、私……塵の魔神と運命の出会いを果たしたのだ。そして、その時。たしかに私の運命は変化したのだと肉体を失って初めてそれを知ることとなった。
もしも、いつかなまえが自身の本質を知り全ての記憶を取り戻した時、天空の神々は彼女を放置しておくことはないだろう。彼女のその神の力は決して野放しにできるものではないのだから。でも、もし本当になまえがすべてを思い出したら、その時こそが私や彼をはじめとしたすべての者との本当の別れとなるのだろう。
あとがき
というわけで誰よりもババアなのはなまえだったという話です。岩の魔神よりも、塵の魔神よりも璃月に長らくいたどの魔神よりもずっとずっと長生きな神様です。別に知らなくても支障のない設定であり、直接的には関係ないし、たいして面白くもない話なのでこちらに置いておきます。魔神と前時代の神の体のつくりが同じかどうかはわかりませんが、このお話ではわざわざ時代が変わっているので違うだろうという話。だから、この子は摩耗しません。運命を司る役目がありますが、もともとは死ぬ可能性もありました。でも姉達の加護により不死性が決定づけられました。そのために生き残り、ある時夜から落ちてテイワット大陸をふらふらしていたら転んで頭を打ってあっさりと記憶を手放してしまったのでした。
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