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ディルックのなまえに対する深い愛情を見て、参列者もまた胸を打たれていた。
言葉の意味がわからずに只々、結婚式の素晴らしさに可愛らしく拍手をしているクレーはともかく、花嫁を初めて見たバーバラやアンバーなどの感受性が豊かな少女たちは涙目になりながらも夫婦になった2人に盛大な拍手をしていた。
2人で何やらコソコソと楽しそうに話す様子は普段の頼れる偵察騎士や祈祷牧師の姿とは異なり美しく着飾った花嫁の姿に憧れる年頃の少女のようでなんだか可愛らしい。
そして、参列者の中に一際人々を驚かせた1人の人物がいた。
その人の普段の姿といえば頼り甲斐のある非の打ちどころのない好人物として認識されていた。
しかし、少し頑固で真面目な彼女のその行動は隣にいた親友でさえ思わず二度見するほどであった。
「なまえ……、おめでとう」
「えっ、ジン……あなた泣いてるの?」
「な、泣いてなど……いない」
感極まって涙目になったジンを見てリサはギョッとした。
彼女は休日には騎士としてのジンはいないことは知っていたがまさか娘を嫁に出す父親のように泣き出すとは思っていなかった。
ジンにしてみれば、なまえがずっと郊外で過ごしていたことも知っていたし、グンヒルドの一員として、ディルックが右手を差し出す意味も理解していた。
「ただ、少しなまえのことを考えると、……私は、……っ」
ディルックが皆の前でなまえに右手を差し出した。
その意味を知るのはきっと少ないはずだ。
だが知るものにとってはそれがどれほど重大で衝撃的なことか。
父がなまえに頷いていたのはおそらく知っていたのだろう。
ディルックは言葉でなく行動で示したのだ。
この結婚を、なまえを妻にすることに誰にも文句は言わせない、と。
何にせよ、彼となまえは対等な関係の夫婦になれたのだ。
すべてのモンドの住民や、貴族たちから認められないかもしれない。
何らかの不満は出ることは当然あるだろうがきっと大丈夫だ。
この結婚は西風教会の大聖堂で教会の最高位である主教の眼前で正式な誓いを立てたものである。
だから正式な誓いを破る方法は正式なものでしか効果はないのだから。
そして、その方法が行われることがないのはジンには簡単に理解できた。
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