しあわせを願って
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友人の祝福(Jean)
ジン・グンヒルドがディルック・ラグヴィンドとなまえ・ローレンスが結婚すると知った時、特に反対の感情は浮かばなかった。むしろ祝いの品を考えだすほどであった。それは同じ騎士団に所属するエウルア・ローレンスを通じてなまえのことを知っていたからだ。
なまえとの出会いは偶然である。だがその後、成り行きで彼女に剣を手ほどきすることとなった。それはエウルアが「グンヒルドの娘とあろう者が勝手にレディのプライベートを覗いたんだから剣ぐらい教えなさい」という彼女らしい言葉のせいだった。一度だけなまえに何故剣術を会得したいのか聞いたことがあった。彼女は少し言いづらそうにした後ジンに静かに話してくれた。
「好きな人がいるの。その人に……少しでも近づきたいから」
言葉通りに受け取ることもできたがなまえの笑顔の奥にある瞳の悲しさに気づいた。気づいてしまったら、その言葉の続きは聞いてはいけない気がしてジンは何も言えなかった。ディルックと結婚すると聞いてあの時のなまえの言葉が不意に思い出された。あの時彼女が話してくれた好きな人、それがディルックだったなら素敵な話だなとジンは思った。ジンの予想があっていたのなら次に会う時は本当の笑顔を見せてくれるはずだ。彼女は少し弾んだ気持ちになりながら騎士団の副団長として処理しなければならない書類に手を伸ばした。