親愛なる自称販売員さんへ
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お元気ですか。スネージナヤは相変わらず寒いですが、璃月はどうですか? 風邪などはひいてませんか? あなたのことだから元気ではなくても元気だというかもしれませんね。
さて、挨拶もそこそこに今回あなたの返事を待つことなく手紙を送ったのは理由があります。どうしても言わなくてはならないと思い筆をとりました。先日、あなたからの手紙を読んだあなたの大切な弟テウセルがあなたに会いたいと言っていました。その後私にあなたに会いに行きたいのだと相談してきました。その時はなんとかなだめて落ち着かせ、もう少し日を置いて一緒に会いに行こうと話しました。あなたに相談もなく、結果だけをお伝えすることになったことをお許しください。詳細は省きますが、ひとりで旅支度をしたテウセルを見つけました。いま私達はあなたに会うために璃月に向かっています。この手紙があなたに会うまでに届くことを願っています。
どうかテウセルを怒らないでください。テウセルはただ大好きなお兄ちゃんに会いたいだけなのですから。
追伸・テウセルが来る前に璃月の玩具について学んでおくべきだと思います。
あなたのことが心配ななまえより
「――ねえ、なまえお姉ちゃん」
「なあに?」
「お姉ちゃんとの約束破ってごめんなさい」
テウセルの言葉になまえは繋いだ手をそのままにしてテウセルと向き合って、空いた手で自らよりもずっと低いところにある彼の頭を撫でた。
「約束を破ったのは悪いことだけど、テウセルはちゃんと謝れて偉いね」
「……」
「お兄ちゃんもあなたがしっかり謝れる子で嬉しいはずだよ」
「そうかな……。お兄ちゃん勝手に来て怒らないかな」
「大丈夫だよ。あなたのお兄ちゃんは家族思いの優しい人だもの。きっと喜んでくれるわ」
頼み込んでなんとか乗せてもらえた船の上。遠ざかるスネージナヤを見ながらなまえはテウセルを励ました。
「(ここまで来たら何としても彼に会わせないと)」
後に戻れないと思ったなまえはテウセルと繋いだ手を強く握りしめた。
――
いつもより乱雑な文字で書かれたその宛先は差出人の焦りを表すかのようだった。中の文字も雑に書かれている。
「(たしかに…なまえが言ってた通りだけど)」
いつもならきちんと書かれているはずの挨拶文もいつもより短く、そして適当だった。普段どれほど丁寧に書かれていたのかと手紙の内容とは関係ないことを考えた。
「まあ、この書き出しじゃ慌ててるのか俺にはいまいちわからないけど」
親愛なる自称販売員さんへ、と書かれた書き出しに目をやりながら苦笑した。なまえは乗せてもらった船が璃月港に停泊しないから間に合うかもしれない。そうスネージナヤを出る前に出した手紙に望みをかけたと言っていたが……。
「……はあ。今更届いても遅いよ」
テウセルとなまえがスネージナヤに帰った後に届いたこの手紙にタルタリヤはため息をついた。
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なまえ
スネージナヤに住んでいる。今回タルタリヤの弟が心配でついてきた。手紙が届いているかわからなかったためにテウセルの好きなように行動させて時間稼ぎをしていた。テウセルの行動力に驚かされるばかり。
タルタリヤ
スネージナヤから出てきた自称玩具屋の販売員。まだまだ小さいと思っていた弟がひとりで国を出ようとしていたなんて思わなかった。なまえが見つけてついてきてくれて良かったと思っている。手紙が届いたのは2人が帰った後のこと。
テウセル
お兄ちゃん大好きな末っ子。今回なかなか会えないお兄ちゃんに会いたくて密航しようとしたがその前になまえに捕まった。泣き落として一緒に行くことになった。