望まぬ終焉のその先で
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留雲借風真君は岩王帝君と契約を交わしている仙人の一人である。そして今、卓を挟んだ向こう側で呑気にお茶を飲んでいるなまえは彼女の友である。
「よかったー。留雲ちゃんにまた会えて」
なまえの笑う顔はおぼろげだった記憶を鮮明にさせてくれる。なまえの呑気な笑顔を見て彼女はひそかに安堵した。友の顔を忘れていないのだと。
「……、妾もまた会えて嬉しく思うぞ」
「うふふ、一緒だねえ。旦那様が俗世と不干渉な仙人はここにいるって教えてくれたの」
旦那様。そう帝君を呼ぶのはなまえだけの特権だ。岩神モラクス、岩王帝君。今は違う名を名乗っているが、この璃月を長きにわたる間治めてきた神である。なまえはその彼の妻。
「良いところだよね。絶雲の間というのでしょう? このお札がないと入れないって聞いたけど」
そう言ってなまえが卓上に出したのは禁忌滅却の札。絶雲の間の奥地に入るために必要なもの。ただ、それは凡人に限られる話であるが。
「……なまえはなくても大丈夫だと思うが」
「えっ、そうなの……?」
「凡人とそうでないかぐらい簡単にわかる」
それになまえは帝君の気配が色濃い。そうまるでなまえの出したその札と同じように。禁忌滅却の札といえば岩王帝君が千年も前に力を込めた札であるが、彼女が持っているものは、まるで新品のように札の力をひしひしと感じる。その理由はなぜなのか察するだけであまり考えたくはない。それになまえはあまり気にしていないようだがなまえの夫君は相変わらず独占欲の塊であったようだ。妻に自分の気配をまとわりつかせるなど相当なものである。
「……すごいのね。さすが仙人!」
「なんだその言い方は……。そもそも友を忘れる妾ではない」
感心したように笑うなまえの姿に彼女はこんな性格だったなと懐かしく思った。そもそも帝君をそこまで惚れさせるなまえの方がすごいと思ったが留雲借風真君は何も言わなかった。それはなぜ帝君がそこまでなまえに固執するのか、その理由を留雲借風真君は知っていたからである。かつて、なまえが俗世と隔離されて悪夢に落ちたその時のこと。留雲借風真君にとって友とも呼べるあの塵の魔神が死んだ日、あの日からあの悪夢ははじまった。