ワルカからやってきた三人組
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「あ、そういえば蛍気分はどう? 起きなかったから先に起きたんだけど……、調子が悪いなんて気がつかなくて……」
「え、……あ、うん。大丈夫」
突然、ごめんねと謝って心配するなまえの様子を見ても蛍は一瞬、何のことかわからなかった。
「そっか。ダインが起こしに行ってくれたみたいなんだけど、疲れてるから置いてきたって……」
それからなまえ自身が聞いたことを口にしたおかげで蛍は納得した。ダインスレイヴはなまえに本当のことを話さなかったのだと。彼は蛍がなまえを心配させたくない気持ちを慮ってくれた。自らの評価が下がるかもしれないのに。
そうして蛍は自身の考えが正しいという確証をまたひとつ得た。ダインスレイヴは隊長職に見合う責任感のある性格だ。それは今も変わりない。だからこそ彼は部下を思いやり、そして慕われていた。だからこそ、彼は荒野を彷徨うことになった。だからこそ、彼は今、こうしてここにいる。
ダインスレイヴはとても損な性格だと蛍は思う。守るべきものを守れずに、こうして今も生きている。幸か不幸か花霊に助けられて生き延びている。自身がカーンルイア人だったからこそ受けた呪い。それに蝕まれながらも彼は贖罪のように蛍となまえと共に旅をしている。
でも、だからこそ蛍は彼を利用した。戦力として、仲間として、蛍は彼に期待した。蛍はいつかなまえと離れる時が来るかもしれない。その時、彼にはなまえを守ってほしい……と。兄がいない今、なまえを巻き込むわけにはいかない。カーンルイアの姫であった蛍には果たさなければならない責任がある。いつか、いつかその時が来たのなら、蛍はもう目を背けてはいられない。
ダインスレイヴの中で自らとなまえの存在を大きくすれば彼はきっとなまえを守ってくれる。ダインスレイヴは責任感が強い。だからこその蛍のたくらみ。
その時からもしかしたら彼女の心のどこかで何かに気づいていたのかもしれない。目を逸らしていた自身がもたらしたものの代償。それゆえの責任と償い。だから蛍は彼を利用する。兄となまえ、2人と共にいられる未来を描くためなら、その一つだけを胸の内に残していられるのなら……。蛍はどこまでも非情になれる。それが例え、仲間である人を敵に回したとしても貫き通していくのだと、この頃から既に彼女の決意は固まっていた。
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なまえ
蛍、ダインスレイヴと共に旅をしている。方向音痴。アランナラがかわいいので声をかけた。
蛍
なまえの旅仲間そのいち。地下でこの世界の淀みを見たせいで色々考えさせられた。しかし、世界からの脱出に失敗し兄と別れ、なまえとダインスレイヴと再会し、旅をする過程でそれを忘れていたが「カリベルト」のせいで否応がなく思い出させられることとなる。
ダインスレイヴ
なまえの旅仲間そのに。カーンルイアの宮廷親衛隊隊長という要職にありながら誰も救えずにズルヴァーンに助けられるまで荒野を彷徨っていた。このお話ではなまえの方向音痴のお陰で2人と旅をすることになった。
アランナラ
依頼人(?)。なまえ達に何かを感じて突然現れた鉄の塊の退治を依頼した。小さめのアランナラ。名前は小さいからアランマメにしようと思ったが私のネーミングセンスの無さが露呈するだけなのでただのアランナラになった。ちなみにナラダインスレイヴではなく、ナラダインと呼ぶのはなまえが彼をダインと紹介したため。
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