ワルカからやってきた三人組
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そのアランナラは困っていた。森の王とその近侍は役目に殉じ、千樹の王もまたサルバへと帰った。そして1番アランラカラリが強かった頼れるアランダーシャがいなくなってしまい、ワルカからさまざまな悪意が現象として現れた。マラーナ、鉄の塊、黒い獣。ただでさえ先の異変で多くのアランナラ達もサルバへと還ったために対策が追いついていない。アランムフクンダだってもういない。けれど、夢の世界で震えているだけでは異変は治らない。
だからヴァナラーナではなくこの森にやってきたのだけれど、彼のアランラカラリでは鉄の塊どころかキノコンにも苦戦してしまう始末であった。このアランナラのアランラカラリはまだ弱かったのだ。だけど弱いからと言ってヴァナラーナに籠っていては大鉄塊がヴァナラーナをぐちゃぐちゃに踏みつぶしてしまうことになる。
それはいけない。絶対に防がなくてはならないことだ。「なんとかしないと!」そう身を奮い立たせて、手段を探していたアランナラ。そこに現れたのは二人のナラ。見慣れない恰好をしたナラ達はアランナラが散々苦戦したキノコンの集団をいともたやすく片付けていた。「これはすごい」と素直に関心を示したアランナラはもう少しこの謎の二人組を観察することにした。
「……」
ぽてぽて。
「ねえ、ダイン……」
ぽてぽてぽて。
「わかっている。だから黙って歩け」
「……」
ぽてぽてぽてぽて。
「ダイン」
「……」
後ろから聞こえる足音。もちろん二人は気づいている。なまえは何度か振り向いてみたが、その度にサッと姿を消すので本人(?)的には、見つからずにうまく隠れてついてきているつもりらしい。ちなみにダインスレイヴはまったく振り向かずに、なまえが話しかけるまでは気にするそぶりすらなかった。関わり合いになる気はないという彼の無言の圧に負けそうになりつつも奮起し、なまえは何度か彼の名を呼んで自らの意思を表明していた。
「……ダイン」
「……」
しかし何度か呼んでもついに返事すらしてくれなくなったダインスレイヴにとうとうなまえは立ち止まり、彼のマントの裾を引っ張った。強制的に足を止めさせられた彼からため息が聞こえる。
「……仕方ない。だが、貴様が対処しろ」
「ダイン、ありがとう!」
結局、負けたのはダインスレイヴだった。彼がそんな返答をしたところなまえはすぐさま振り向いて、その謎の生物に近寄っていった。そんな彼女の後姿を見ながらダインスレイヴは呆れたようにまたため息を吐いた。