その引き金をひかないで
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――
「――危ない!!」
「!」
焦ったような空とパイモンの2人の声が聞こえてベネットは現実に戻った。目の前に見えた黒い物体に気づいた時にはすでに遅く、それは彼に飛びかかってきた。
「――うわっ!」
「「ベネット!!」」
避けようにも気づくのが遅れたベネットの顔に狙ったように当たってその勢いでベネットは後ろに倒れた。あたりのヒルチャール達を一掃した空たちが駆け寄ってくる。
「おい! 大丈夫か??」
「っ痛え……」
ぶつかった箇所を抑えながらベネットは横を見た。そこにはヒルチャール魔術師の杖が転がっていて、これが飛んできたのかと理解した。
――私なら大丈夫。
――怪我ならすぐ治るもの
痛みと共に先ほど考えていたせいかなまえの笑顔が浮かぶ。ベネットの油断は彼女を傷つけた。それでも彼女はベネットに笑顔を見せた。パイモンが心配そうに飛んできた。空もその後ろから走ってくる音がした。
「ベネット大丈夫かよ?!」
「……」
「お、おい!本当に……空?」
何も答えないベネットに声をかけ続けようとするパイモンを制止したのは空だった。そんな彼の行動に訝しげな視線を送る。だが空はパイモンの視線を気にすることはなく真剣な表情でベネットの様子を見ていた。空とパイモンが静かに見守るなか、彼は何かを思い出すように息を吐いた。
「……俺さ、楽しかったんだ」
「……」
「あいつに会うことが楽しかったんだ……だから、」
寝転んだままベネットは言葉を紡ぐ。2人は静かに彼の言葉を聞いた。
「忘れてたのかもしれねえ」
ベネットはそこまで言って腕で顔を覆った。
「……違うな。忘れたかったんだ。俺が他人を巻き込むほどの不運を持ってるってことを……」
ベネットの不運は体質だ。人よりもずっと不運に好かれている。それを何度か冒険を共にした空達は知っている。それをベネットが受け入れていることも。
「……ベネット、」
「俺はわかってたんだ。あいつと……なまえと一緒にいればいつか彼女が傷つく日が来るって」
ベネットの脳裏に彼の代わりに不運を受けたなまえの姿がよぎる。それでもなまえはベネットのせいではないと言った。
「あの時……俺がしっかりしてればなまえが傷つくことなんてなかったんだ」
不運は移らない。それは今までの経験から知っていた。でも周りにいればその余波は降りかかる。ベネットが望まなくても不運は人を巻き込む。
「……ベネットは離れることでなまえさんを守ったかもしれないけど」
「……空?」
ずっとベネットの話を聞いていた空が口を開いた。その言葉にベネットが空を見上げた。目があった空はベネットに笑いかけた。
「なまえさんはそれでも……ベネットに会いたいって思ってると、俺は思う」
言葉を選ぶように慎重にベネットを諭す空。彼はベネットに手を伸ばす。ベネットは空の手をとって、立ち上がる。
「なあベネット……。オイラたち、お前となまえの事情は知らないけど……なまえ寂しそうだったぞ」
――もし、あなたが私のことを少しでも考えてくれるなら返事をください。
2人の言葉になまえからの手紙の最後の一文を思い出してベネットは拳を握った。そして、深呼吸を一度。
「なあ、空。頼みがあるんだ……」
次いでベネットが話した内容に空とパイモンは顔を見合わせたあと、ベネットに向かって笑顔で頷いた。
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なまえ
ひょんなことからベネットと出会った女の子。戦えない。戦えないからベネットは突き放した。突き放されれば余計に気になるのが人間のサガ。でも迷惑にはなりたくないと考えたのが手紙を出すことだった。ベネットが旅人と共にいると言う情報は冒険者協会モンド支部長からもらった。
ベネット
不運が常に付き纏う冒険者。ひょんなことから出会ったなまえを好きになるが戦えない女の子を危険な目に合わすわけにはいかないと身を引くことにしたけど……?彼女に不運が降りかかる可能性がある限り近くには行けないと思っている。
周りの皆さん
2人の関係にヤキモキしながらも2人の気持ちが痛いほどわかるから手を出せないでいる。どうにか良い案がないかと連日模索中。