希望の枝葉
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「……花車が揺らぎ、ナヒーダは目を開ける」
私の誕生した日を祝う花神誕祭のはじまりは花車で運ばれること。祭りというだけあってとても盛大なもの。だからそのはじまりからとても賑やかなの。
「そして言う、夢を見ていたと」
花車に乗って私は皆と共にオルモス港へと行く。そういういつもの決まりがあるのも、この祭りが続いている証なのかもしれないわ。
「ナヒーダの誕生日は今日なのだと」
今日は草神の誕生日。だから皆がお祝いに来てくれる。そんな人々の力になるために頑張りたいと思うわ。……。…………。
「夢の中で、花の騎士や従者が彼女を見つけた」
……。花の騎士……。そういえば、彼女の髪にも花が挿されていた。私の夢の中に会いに来てくれた人。はじめて私を抱きしめてくれた人。あの時、暗い視界だけが私が得た情報で、その温もりも感覚もなにも知らないけれど確かになまえは私を抱きしめてくれた。初対面なのに不思議な人だった。
「『神よ、やっと見つけました。皆お会い出来ることを楽しみにしています』」
そんな彼女は花神誕祭をいつか見られると、花神の舞をこの目で見ることができると私を慰めてくれたわ。花神誕祭は年に一度の祭り。スメールにとって最も盛大な祭りだった。……盛大だった時のことを私は知らない。でも、マハールッカデヴァータに対しての人々の愛を見れば簡単にわかるわ。あの時、私を見て嘆いた民達の姿もそれを証明している。
「花神誕祭が幕を開け、人々は彼女を囲んで楽しく踊る」
草神を祝う祭り。……私のための祭り。それなのに私は一度も見たことがない。この国にとってマハールッカデヴァータこそが神で、クラクサナリデビは……お飾りにもなれない神なのね。でも、私にだってできることがあるはずよ。なまえだって言っていた。マハールッカデヴァータにもできないことがあったって。それならクラクサナリデビならできることもきっとあるはずだわ。……そうよね?
「花車の上でナヒーダが、みんなに手を振りながら……さよならを言うまで」
なまえ、あなたは今何をしているのかしら? 私はあなたと会っていたころよりもずっと様々な知識を得たわ。もう何もできないと嘆いてばかりのクラクサナリデビじゃないのよ。マハールッカデヴァータのように皆の力になりたいと私のできることをしようと思えるようになったの。
「花車が揺らぎ、ナヒーダは目を開ける」
そう決意した時、私は思い出したの。あなたのような人が私の記憶の片隅にいたということを思い出したの。私を大切にしていてくれた誰かが私のはじまりのどこかにいたの。私はきっと、あの手の温もりをずっと前から知っていたのね。それがあなただったなら……と、そう思ったわ。
「そして言う、ナヒーダの誕生日は今日なのだと」
ねえ、なまえ。もう会えないと嘆くのはやめる。いつかきっと、私はこの檻から出るわ。もっとマハールッカデヴァータのように人々に慕われて尊敬される神を目指してみるわ。そしてあなたに会いに行くから。そのときは私と共に花車に乗って頂戴ね。それからあなたに伝えたいことがあるの。あの時は言えなかったけど、今なら胸を張って言えるわ。私の名前。
「――お誕生日おめでとう、ナヒーダ」
そう、私の名前はナヒーダよ。
ナヒーダは今年もひとりで誕生日を迎える。でも、なんだか今年はひとりじゃないようなそんな気がするの。どうしてかしら……。とても、……不思議だわ。
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なまえ
自称前草神の眷属のナヒーダの夢の中に現れた謎の人物。ずっといるわけでもなく、時折姿を見せては賢者さえも知らない昔の出来事をナヒーダに教えていた。なぜか誰もなまえの存在を知らない。
実は
クラクサナリデビの眷属になるはずだったマハールッカデヴァータの眷属。マハールッカデヴァータにそう頼まれていたがクラクサナリデビが賢者たちに何ももたらさない神だと気づかれてからマハールッカデヴァータ死亡後にそばにいたのに見殺しにしたと当時の賢者達に詰問されてマハールッカデヴァータと■■の知識との関係を話すことができなかったためにそのまま幽閉されていた。その後、死亡。
ナヒーダ
誕生して間もない草の神。賢者達の喜びから落胆まで見届けたことで人間に対して潜在的な恐怖心が芽生えていた。しかしなまえと夢で邂逅したことでそんな人ばかりではないことを知った。けして太陽になれない月として、自分にできることをしようと自分なりに人々に手を貸していたがその裏には先代の偉大さが常に頭の中にあった。
マハールッカデヴァータ
先代草神。アーカーシャ端末を作成した神。スメールの民の明るい未来を信じていた。なまえに後継の眷属になるようにと言ったのは死なないでほしかったから。
スメール魔神任務ネタバレにつき折りたたんでいます
世界樹が■■の知識の汚染を受けていたとしてもマハールッカデヴァータ自身は自らの犠牲によって払拭できると思っていた。だから彼女自身は死を選ぶ他の選択肢はなかったがアランナラ同様、眷属だからという理由でなまえが死ぬ必要はないと考えていた。しかし賢者たちがあれほど草神(知恵)に執着しているとは思っていなかったために人間と神の考えの違いによって自身にとって希望であったはずのナヒーダの幽閉となまえの死に繋がってしまった。