希望の枝葉
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「……花車が揺らぎ、ナヒーダは目を開ける」
かつて花神が草神の誕生を祝ったことから草神の誕生した日は花神誕日とよばれている。その日を祝うスメール最大の祭だったのが花神誕祭。
「彼女は言う、夢を見ていたと」
花車にのった草神を人々が笑顔で出迎えて、草神の誕生を祝う祭りがはじまる。それを教えてくれたのはなまえだった。
「ナヒーダの誕生日は今日なのだと」
でも、なまえの声はもう聞こえない。私は私自身に祝いの言葉をかけるしかないの。ある時から姿を見せない彼女が私にくれた温かい言葉を思い出す。
「夢の中で花の騎士や従者が彼女を見つけた」
なまえは私に言ったわ。私こそが当代の草神であると。
「『神よ、やっと見つけました。皆、お会いできるのを楽しみにしています』」
そして彼女が話してくれた物語も思い出しながら向えるのはたったひとりの花神誕日。
「花神誕祭が幕を開け、人々は彼女を囲んで楽しく踊る」
花神誕祭のはじまりは草神が花車に乗って姿をあらわすことから始まる。……そのはずなのにね。いつか本物の花車を私は目にすることができるのかしら。マハールッカデヴァータのように、皆が心から私の誕生日を祝ってくれて……そんな素敵ないつかを夢想する。花神誕祭にスメールの民を代表して花の騎士と従者達が私を迎えに来るの。花神の舞だって見るの。そして、私は皆と共に楽しい時を過ごす。
「花車の上でナヒーダが皆に手を振り、さよならを言うまで……」
いつかそんな現実を迎えられたら……その時はなまえも私のそばにいてくれることを願っている。