しあわせを願って
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旧貴族のはかりごと(Eula)
エウルア・ローレンスにとってなまえ・ローレンスは数少ない理解者の1人であった。ディルック・ラグヴィンドがモンドから姿を消して、なまえからある話を打ち明けられた時エウルアは賭けに出た。
「なまえ、ひとりで魔物を倒せるようにもっと剣の腕を磨いてみたら良いんじゃないかしら」
そう言ってなまえに剣の手ほどきをはじめた。彼女にとってなまえは幸せになるべき人間である。だからこそエウルアは慎重に、そして彼女に気づかれぬように事を進めければならない。なまえにはいなくなったディルックへの思いを断ち切るためにも、彼に心配させないようにひとりで魔物を倒せるぐらいに強くなればいいと説得した。そのために以前なまえと共にいるところを見られたために紹介せざるを得なかったあのグンヒルドの娘を巻き込んだ。そのおかげでエウルアの予想よりも早くなまえはひとりで魔物にも立ち向かえるようにもなった。けれどなまえには一族には言わないようにと固く口止めをした。それもエウルアの策のひとつだった。
なまえのローレンス家での立ち位置はエウルアとは違う。武術の訓練をしていないなまえがローレンスにとって駒たり得るのは彼女が女だと言うことのみだった。エウルアはその類稀なる剣術の才でローレンス家が貴族へと返り咲くための筆頭に立つことを望まれたようになまえは一族の繁栄のための礎としての動きを望まれていた。なまえもエウルアもそれはわかっていたし、なまえがいつかは誰かと結婚しなければならないと理解していた。それがどこの誰ともわからぬ反騎士団派や利権主義者であろうとなまえはかまわなかった。ディルックと出会わなければそれでも良かったのだ。
エウルアは騎士団の一員としてローレンス家の動向に目を光らせている。だからこそ得られる情報もある。エウルアは折を見てなまえに剣の才があることをローレンスにバレるように仕向けた。それがエウルアの策略であった。なまえに女であること以外の価値をつけ、迫りくる結婚を遠ざける。混乱させて時間を稼ぐ。稚拙ながら効果のある方法だ。もしあのラグヴィンドの嫡男が帰ってこないならこの賭けはエウルアの負けになる。なまえは誰かと一緒になる。そこでしあわせを見つけられるかはわからない。ずっと不幸かもしれないし、そうではないかもしれない。でも、もし彼が帰ってきたのならエウルアはなまえの幸せのために動くつもりである。
つぶやき
エウルアのおじさんの髪色違いましたね。残念。