望まぬ終焉のその先で
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「――うん、おいしいね!」
「そうか。それは良かった」
塵の魔神はもう過去の思い出である。帰離原はすでに人はなく、朽ちた遺構のみが、かつての繁栄の名残を垣間見せていた。あの後、ひとりで帰ってきた岩の魔神は宣言通りに帰離原の領民達を連れて南下し、魔神戦争を終わらせて岩王帝君として璃月全域を治めた。だが長い年月が経ち、留雲借風真君をはじめとする仙人達が守った璃月は仙人達の力を必要としなくなった。帝君も統治から手を引き、人の手に渡った。
「そういえばこの間、璃月中を見てまわったの。旦那様が見てほしいとおっしゃったから」
「どうだったのだ?」
「……平和だった。少し魔物や盗人みたいな人達はいたけど、とても……そう、平和だった」
なまえの記憶はあの帰離原で途絶えている。繁栄している港町とは違い、郊外は人が少ない。石門から璃月港へのルートは比較的人の往来が激しかったが、それ以外はほとんど人の往来はない。けれどもなまえの朧げな記憶にある帰離原はそれなりに充実してはいたが他の領地に出ることなど考えられなかった。魔神達は他領を狙っていたから。他国間の交流があると知って、なまえは驚いたものだ。
「これが、旦那様が……皆が望んだ平和なんだよね、……きっと」
人に話す、というよりは自分に言い聞かせるように呟いたように留雲借風真君には聞こえた。
「……」
「時間ってすごいよね。留雲ちゃん」
「……そうだな」
なまえがしみじみと呟いたその言葉に、彼女は同意せざるを得なかった。年月の経過は多くのものを変える。そのことを留雲借風真君はこの前の璃月港で実感した。彼女が静かに同意したのを見て、なまえもまた微笑む。少し泣き出しそうなその笑みに時の流れの残酷さを考えずにはいられなかった。
「……帰終ちゃんや他の皆も喜んでくれるかな」
ふらりと立ち上がって背を向けたなまえの髪に挿された簪が光に反射してキラリと光る。
「そうだな。きっと……帰終も他の者たちも喜んでくれるだろう」
なまえの話すそれはきっと今の璃月のことだけではないだろう。それはなまえ自身のことも含まれているに違いない。なまえが心配せずとも彼女を知る者達は皆喜んでくれるはずだ。そうでなければあの場所が美しい花が咲き乱れるあのように優しい地にはならなかったはずだから。留雲借風真君は一度だけ見た桃源郷のような美しくて優しくて、そしてどこか寂しいあの地を思い出した。
設定
なまえ
旦那様に押し付けられた禁忌滅却の札を持って絶雲の間にやってきた。札のおかげで魔物に襲われることもなく極めて安全に一人旅ができた。ちなみに帝君の気配めちゃくちゃさせてやってきたから仙人達の動揺がすごかった。
留雲借風真君
物づくり大好き真君。久々に友が訪ねてきたから内心とても嬉しく思っている。だけど他者とのコミュニケーションが少なすぎて緊張してると思う。人型になれるかはわからないので鶴形態か人型かお好きにどうぞ。どちらでも大丈夫なように書いたつもりです。
岩の魔神
留雲借風真君はあの場所の魔神を殺したのは岩の魔神だと思っているが彼も他の場所で魔神を倒した後に到着した。それがなまえとの契約だったから。
禁忌滅却の札
鍾離がなまえに持たせたもの。伝説任務で魔神パワーっぽいの披露してたのでたぶん1枚ぐらいつくれるだろうという予想のもと登場。ゲーム内で力のなくなりつつある禁忌滅却の札でも魔物を追い払うことができているので、たぶん全盛期の頃の禁忌滅却の札は魔物寄せ付けないだろうという想像。