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偵察騎士の不満(Amber)
空とパイモンはなまえと共通の知り合いがいるせいか初対面とは思えないほど話が盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができた。
空達が来た時にはすでに食事を終わらせていた彼女はしばらくの間、2人と話していたがこれから用事があるらしく、そちらに行かないといけないと話した。
そして呼び止めたのに先に立ち去る非礼を詫びた。
そんななまえにまったく気にしてない空達はむしろ話せて良かったと伝えて彼女の丁寧な態度に感心した。
そんなこともありなまえが鹿狩りから立ち去ったあと、残りの料理を食べて少し休憩していた2人。
そんな彼らの元へ現れたのは西風騎士団唯一の偵察騎士であるアンバーだった。
「アンバー!」
「あれ? あんたたちモンドに来ていたの?」
「おう! あ、そうだ。アンバーはなまえって知ってるか?」
いつもと変わりなく元気の良いアンバーに世間話がわりになまえのことを尋ねた。
エウルアと仲の良い彼女だからなまえとも親交があると思ったからだ。
それを尋ねるとアンバーは2人の想像以上に話に食いついてきた。
「えっ? 栄誉騎士、なまえに会ったの? どこ? どこで会ったの?」
「さ、さっきまでここで一緒に食べてたよ……」
空の答えにアンバーはあからさまに落ち込んだ。
「えっ、うそ……珍しい……わたしも会いたかったな……」
「やっぱりアンバーもなまえと知り合いなのか?」
「そうだよ、パイモンちゃん。わたしたちは仲良しなんだから」
えっへんと言わんばかりに少しだけ胸を張ったアンバーはさらに言葉を続ける。
「エウルアには同じ騎士団ってこともあって結構会えるんだけどなまえには全然会えないんだ。会えたあんたたちが羨ましいわ。はあ……。アカツキワイナリーに行ってもすれ違っちゃうしなあ」
「アカツキワイナリー?? ……あっ、もしかしてなまえはワイナリーで働いてんのか?」
ぶつぶつと話すアンバーにパイモンは出てきた単語に疑問が募る。
たしかディルックとも知り合いだとなまえが話していたことを思い出す。
勘当されて住むところも食べる物もなくなり困窮したなまえはアカツキワイナリーで雇われているのかと尋ねるパイモンにアンバーは思わず笑った。
「まさか。……違う違う。なまえはディルック様の奥様なの」
「「……え? おく、さま……?」」
アンバーの答えの意味をすぐさま理解することができなかった。
空とパイモンは声をあわせてアンバーからもたらされた情報をただただ復唱して彼女を見つめる。
そして数秒かけてゆっくりとその言葉の意味を理解した。
「ええっ!? ディルックの旦那結婚してたのか!?」
成り行きとはいえ風魔龍の時、結構というかかなり協力しあって心も開いてくれていたと思っていたが全然知らなかった。
想定外のアンバーの返答に抱いていた疑問が全て吹っ飛んだ。
驚く空とパイモンの2人をよそにアンバーは話を続けた。
「でも仕方ないよ。なまえのこと結構悪くいう人がいたから。ディルック様も結構過敏になってるんじゃないかな。あまり知らない人の前ではなまえの話はしないみたい」
そう静かに話すアンバーの様子は常日頃の明るい様子とは違う。
「あんなに優しそうなのに、悪く言われてるのか……」
「うん、やっぱりローレンスっていうのがねー……」
歯切れの悪い言葉にアンバーのやりきれない想いが見てとれた。
ローレンスという単語はモンド人にとって特別な意味を持つのだと改めて思い知らされた。
「でも、あんたたちはそんな偏見ないだろうし……。なまえを見つけたらまた話しかけてあげてね」
そう言ってアンバーは笑った。