花嫁は何も考えずに白に染まれ
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「知って……いらしたのですか?」
「……ずっと昔に、何かの本で読んだことがある。不要な知識だと思ったが、覚えていて良かった」
「……っ」
「僕が今日、君に右手を差し出したことは今日集まってくれた皆が証人になる。その意味を知らずとも彼らは僕の決意の見届け人なんだ」
「君の大切な人たちの前で、僕はなまえを愛していると……大切にすると伝えたかったんだ」
そう言って、ディルックはなまえのベールをあげた。
「なまえ、君が何を考えているのか話してくれないとわからないが、僕の妻はなまえ以外にいない」
「ディルック様……」
白い布が重ねられ、シンプルなレースのあしらわれた花嫁の魅力を最大限に引き出した豪華な衣装でディルックの隣に立てるのはなまえ以外にいない。
ディルックは純白の花嫁のその美しい頬に手を添えた。
彼の言葉に胸を打たれた花嫁の瞳は揺れていた。
頬も赤く染まり、それは彼女に施された化粧の類ではないことは明白であった。
「なまえ、僕は何があっても君を手放したりしないし、君との子以外がこの家を継ぐことはない」
「……っ」
「ずっと君だけを愛している」
もう目を反らすことはできなかった。
ディルックはなまえが覚悟したよりもずっと前から、そしてなまえよりもずっと強い覚悟を持っていたのだ。
ローレンスの女を生涯の妻として添い遂げることを彼は心に決めていたのだ。
だからなまえもまた覚悟を決めた。
そしてゆっくりと目を閉じる。
それはディルックの決意を受け入れるという無言の答えだった。
同時に閉じられたなまえの瞳から涙が溢れた。
それは決して悲しみの涙ではない。
それをディルックも知っていたから彼はなまえの頬を伝う涙を拭うことはしなかった。
そのまま2人の唇は重なって、神に誓いを立てた新しい夫婦が誕生した。
おまけ→一番目立った参列者の話