確信犯は揺るがない
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スパイとは敵の懐に入りその内情を探るものである。
敵の内部に入り込み、信頼を得て情報を奪う。
それがスパイ。
危険な仕事ではあるがその分見返りは大きい。
ある意味でやりがいのある仕事である。
少年であったガイアが故国のために父と共にたどり着いたのは神々の統治する国のひとつ、風の国である。
神が統治するということをガイアには理解できなかった。
ガイアの父は彼をスパイとして育て上げその集大成としてこの地に置き去りにした。
そして、ガイアは置き去りにされた地……アカツキワイナリーと呼ばれるラグヴィンド家の別荘の所有者であるその一族の長に助けられて、その人の慈悲により彼は養子となった。
かくしてガイア少年はモンドでも指折りの名家ラグウィンド家の養子となったのだ。
故国カーンルイアはすでに存在しない国である。
父は神々の統治する国を恨んでいる。
それはすべてのカーンルイア人は須くそうである。
彼らは七国を、そして七神を恨んでいる。
スパイというものは本心を他人にさらけ出せない。
ガイアもずっとそうしてきた。
あの日、義父が死んだあの時までは。
義兄が騎士団を抜けた嵐の夜、彼ははじめてモンド人の前で本気を出した。
本心をさらけ出した。
ガイアはその日、義兄と決別すると同時に神に選ばれた。
神の目を得たのだ。
氷の元素力を自由に操ることができるようになり、彼は七神の一柱に存在を認められたような気がした。
モンドで暮らしても良いのだと言われたような、そんな気がした。