砂浜の足跡は君のもの
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
注意
・凝光の過去を好き勝手に考えてます
・2022年3月バーテンダーイベント「酌み交わす酔夢」ネタバレあります(凝光の過去の職業)
商人として身なりというものは重要である。
たとえ実際はモラをあまり持っていないとしても、手作りの安い衣服を着ていたとしても、大切に扱っていればそれは評価に反映される。
凝光は先ほどまで商売をしていた地を少し離れてから自分の履いていた靴を脱いだ。
丁寧に靴の泥を落として少しくたびれた紙に包む。
それを商品が入った鞄とは別の袋に入れて裸足で歩き出した。
ひとりきりの空間では靴なんて履かなくてもいい。
いざという時にボロボロの靴で過ごすわけにはいかない。
裸足になるとしっかりと地面を感じられる気がする。
そうして裸足のまま歩いていると前に人影が見えた。
ここは璃月郊外。
善良な人ばかりではないことを凝光は経験から知っている。
だから、彼女は警戒した。
背中に担いだ荷物をすぐに下ろせるようにして、腰にさした武器を静かに掴む。
背中の荷物は大したものは入れてない。
大事なものは別のところに所持しているから万が一置いて行くことになっても被害は少ない。
最悪、モラと自分の命さえあれば生きていけるのだ。
「――凝光ちゃん」
「……誰かと思えばあなただったの」
名前を呼ばれて凝光はそっと息を吐いた。
人影は知り合いで凝光は見えないように手にした武器を元に戻した。
肩の力を抜くとおろしかけた荷物をまた担ぎなおす。
「今日はどこまで行くの?」
「なまえ、私に付き合ってもモラなんて増えないわよ」
荷物を担ぎ直してなまえにいつものように言葉を返す。
なまえから帰ってくる返事を知っているのにいつもそんな悪態をついてしまう。
「ふふ、友達からモラなんてとらないよ。だって私が勝手に凝光ちゃんに会いに来てるだけだからね!」
「……そう。それなら好きにするといいわ」
そう言って凝光はちらりとなまえを見た。
凝光となまえが会うのは決まって凝光が商売を終えて璃月各地を移動している時であった。
なまえはいつも座りやすい岩場かどこかに腰掛けているのを見つける。
彼女が凝光を待っているのか、それとも偶然によるものなのか凝光は知らない。
はじめこそ狙いがわからず警戒したが今はもう別にどちらでも良かった。
・凝光の過去を好き勝手に考えてます
・2022年3月バーテンダーイベント「酌み交わす酔夢」ネタバレあります(凝光の過去の職業)
商人として身なりというものは重要である。
たとえ実際はモラをあまり持っていないとしても、手作りの安い衣服を着ていたとしても、大切に扱っていればそれは評価に反映される。
凝光は先ほどまで商売をしていた地を少し離れてから自分の履いていた靴を脱いだ。
丁寧に靴の泥を落として少しくたびれた紙に包む。
それを商品が入った鞄とは別の袋に入れて裸足で歩き出した。
ひとりきりの空間では靴なんて履かなくてもいい。
いざという時にボロボロの靴で過ごすわけにはいかない。
裸足になるとしっかりと地面を感じられる気がする。
そうして裸足のまま歩いていると前に人影が見えた。
ここは璃月郊外。
善良な人ばかりではないことを凝光は経験から知っている。
だから、彼女は警戒した。
背中に担いだ荷物をすぐに下ろせるようにして、腰にさした武器を静かに掴む。
背中の荷物は大したものは入れてない。
大事なものは別のところに所持しているから万が一置いて行くことになっても被害は少ない。
最悪、モラと自分の命さえあれば生きていけるのだ。
「――凝光ちゃん」
「……誰かと思えばあなただったの」
名前を呼ばれて凝光はそっと息を吐いた。
人影は知り合いで凝光は見えないように手にした武器を元に戻した。
肩の力を抜くとおろしかけた荷物をまた担ぎなおす。
「今日はどこまで行くの?」
「なまえ、私に付き合ってもモラなんて増えないわよ」
荷物を担ぎ直してなまえにいつものように言葉を返す。
なまえから帰ってくる返事を知っているのにいつもそんな悪態をついてしまう。
「ふふ、友達からモラなんてとらないよ。だって私が勝手に凝光ちゃんに会いに来てるだけだからね!」
「……そう。それなら好きにするといいわ」
そう言って凝光はちらりとなまえを見た。
凝光となまえが会うのは決まって凝光が商売を終えて璃月各地を移動している時であった。
なまえはいつも座りやすい岩場かどこかに腰掛けているのを見つける。
彼女が凝光を待っているのか、それとも偶然によるものなのか凝光は知らない。
はじめこそ狙いがわからず警戒したが今はもう別にどちらでも良かった。