別れに立ち会う人は幸運である
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
神里綾人
「もうお別れだね」
遠くで琴の音がしていた。妹が爪弾くその音は美しくて心が癒される。けれど今日のその音はどこか悲しみに満ちていて、その理由を綾人をはじめとした社奉行所に詰める者達皆が知っていた。
一年前のこの日、神里兄妹はただ一人の幼馴染を見送った。花に囲まれたその人と別れを告げた。前から美しい人だとは思っていたが花に囲まれるとより一層そう思った。美しいからこそ別れなければならなかったのかもしれない。
もし、なまえが人並みの美しさであったなら……いや、人並みの健康であったならきっと綾人はなまえとずっといられたのかもしれない。けれどそうはならなかった。人並外れた美しい幼馴染は兄妹の前から消えた。ただひとつの希望を残して彼女は先に今の綾人には届かない場所に行ってしまった。
次→ウェンティ