別れに立ち会う人は幸運である
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
タルタリヤ
「もうお別れだね」
なまえがそう言って泣いた時、俺はまた会えると慰めた。国外に出ることは俺が命じられた任務なのだから仕方ないのだとそう言い聞かせたのはその前日の夜のこと。その日のスネージナヤは昼でも薄暗く、特に寒さの厳しい時期だった。
ボロボロと泣き止まないなまえが珍しく抱きついて離れないからずっと宥めていたけれど結局時間になって俺はなまえを妹に任せて家を出た。
“また会える”なんて簡単にいうべきじゃなかったんだ。すぐに会いに行けない距離になるなら尚更そうだった。別れなのだと泣いたなまえに本気でぶつかるべきだった。
本当に“また会えた”なら、俺は今もまだ君の泣き顔以外の顔を見ることはできたのだろうか。
次→神里綾人