別れに立ち会う人は幸運である
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ガイア
「もうお別れだね」
なまえがそう言った時、それは違うと否定すればよかったのだろうか。背中を向ける彼女に何か告げるべきだったのだろうか。今のガイアが胡散臭いと揶揄されるようになまえにもそのように対応するのが良かったのだろうか。
本音を隠して飄々として真実を真実だと思わせない態度を取れば良かっただろうか。
――それはできない。
なまえにだけは嘘をつかないと決めていたから。
偽りは告げない。彼がこの地に来たことが、その理由が偽りだったとしても。彼の告げる気持ちが心とは違う物だったとしても。なまえにだけは嘘をつきたくなかった。モンドの誇る西風騎士団の騎兵隊隊長ガイア・アルベリヒが偽りだらけで、ただひとつ心に秘めた本心をさらけ出せずにいたとしても。
告げないことが真実なのだとわかってくれていると思っていた。もっとなまえの気持ちを丁寧に汲みとって、知れば良かった。後悔をしたって今更どうにもできないのに悔やむなどとは本当に笑える。
こういう大切な選択はいつだって最悪のものしか選べないのだとこれでまた実感させられた。
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