別れに立ち会う人は幸運である
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雷電将軍
注意
・雷電将軍の話につき、稲妻魔神任務のネタバレあります。
・できるだけ遠回しに分かりにくく書いていますが、かなり重要なネタバレを含みますので未プレイの方はご注意ください
・飛ばす方は→ジン
たたんでますのでクリックで開いてください
「もうお別れだね」
それは彼女が雷電将軍と呼ばれる前の話。まだ彼女の肉体が現世にあった頃の話。まだ彼女の最も信頼する者が雷電将軍を名乗っていた頃の話。
当時の彼女はまだ近しい者との別れを知らなかった。だから、なまえが彼女と2人きりの時に呟いたその言葉の意味を最初は理解できなかった。
闘いしか才能がないと思い込んでいた彼女だからこそ、そうだったのかもしれない。彼女は雷電将軍の影であり、刃でしかなかった。少なくとも、彼女自身はそう思い、そう信じていた。
だからこそ他の多くを知らないままでいいと思っていた。学ぶこともなく、ただ強くあるために日々のほとんどを費やした。雷電将軍の盾となり、刃となる。それが彼女の存在意義だと信じてこれっぽっちも疑ってなどいなかったから。
もし、彼女が他人を想う心をもっと強く持っていたのなら変えられたのだろうか。
それはもう誰にもわからない。過去を思い出すことはできても、過去には戻れない。けれど彼女自身は気づいていなかった。その時から心はゆっくりと、だが確実に壊れはじめていたのだ。そして、それが彼女の運命を決定づけたと知るのは、それからずっとずっと後のことであった。
次→ジン