別れに立ち会う人は幸運である
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凝光
「もうお別れだね」
なまえは冒険者だ。凝光の仕事仲間ではない。星と深淵を目指すという凝光の興味とは違うものを追い求める人種である。だから、彼女は旅に出る。
別れはいつも同じようにあって、それと同じように再会も何度もあることだった。それが常であり、不変なものと思っていた。不変などあるはずないことを知っていたのに。
――
群玉閣を落とすと決めた時、疑光はふとなまえのことを思い出した。
「城」を落として「人」を守る。結果的にそれは正しい判断だったのだろう。大きな被害はなく、人々の安全は守られた。群玉閣が「落ちた」ことで近頃多くの時間を過ごした場所ではなく、月海亭で仕事をするようになった。
そして地上から空を仰いでいたあの頃の辛くとも楽しい懐かしい思い出が不意に蘇って、どうしようもなくなまえに会いたくなった。
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