別れに立ち会う人は幸運である
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北斗
「もうお別れだね」
出航したばかりの土地を見てなまえがそう言ったから北斗は勘違いをした。天候や交渉で予定よりも長く滞在したからこの場所を気に入って名残惜しくなっていたのだと思っていた。
しかし現実は違う。璃月港に着いた時、なまえは船を降りた。理由も言わずに船員を辞めた。
長く共に航海をして、信頼関係も築いていたのになまえは死兆星号どころか南十字船隊の誰にも船を降りる理由を話さなかった。なぜ船を降りたのか、それがずっと頭の片隅に残っていた。その理由がわかったのはある時ふと凝光がぽつりともらした一言からだった。
北斗はその事実を乗組員全員に告げることにした。海の中で頼れるのは仲間だけだ。チームワークこそが海の中で最も重んずるものだから。だからこそ、彼女の真実を皆に告げるべきだと思った。それから、北斗をはじめとした乗組員達は次の航海の時に海に花をひとつずつ放り込んだ。
なまえが、ずっと寂しくないように。
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