ディルック
「もうお別れだね」
突然
なまえから言われた言葉に考えが見透かされているような気がして心臓が跳ねた。何も言葉にできず平静を装いながら
なまえを見る。彼女が「そう」であると知っていたのならば、モンドを出なかったのだろうか。
いや、きっと知っていたとしてもディルックはモンドを飛び出しただろう。もう二度と
なまえに会えなくても彼は彼の望みを優先した。そうしなければならないと……そう思い込んでいたから。
だから、彼女はひとりになったのだろう。その理由も知らないまま、
なまえには二度と会うことはなかった。
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ダインスレイヴ