別れに立ち会う人は幸運である
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鍾離
「もうお別れだね」
そうなまえが諦めたように言うから、何も返せなかった。人間を愛してしまったから。その別れは必ず訪れることを知っていた。特に彼女は弱い部類の人間だったから。
最初はただの好奇心であった。凡人達の気持ちを理解しようと思って話しかけたのが始まり。神として人の幸せを与えるためには彼らにとって何が幸せなのか知るべきだと思ったから。触れるべきでないもの。それがなまえだったのかもしれない。
結局、俺は翌々日の明け方に彼女の願い通りに別れを告げた。炎と朝日が調和して、普段とは全く異なる一日のはじまりに見えた。
あるいはそれが俺自身の新しいはじまりだったのかもしれない。
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