別れに立ち会う人は幸運である
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
行秋
「もうお別れだね」
親の都合でなまえは璃月港から出ていくと言う。なまえとは離れたくなかったが行秋もなまえも親の許可なくどうこうできる年齢ではない。いくら行秋があの古華派の真髄を得たと言っても、彼は親の庇護にあるべき少年である。ましてや行秋はあの飛雲商会の御曹司だ。なまえだって同じように彼女の両親にとっては大切な一人娘。
だから、2人は別れを告げた。二度と会えないわけではないけれど、会いに行くには少し遠い。だから、落ち着いたら手紙を出すというなまえの言葉に行秋もまた手紙を書くとそう言った。そうして別れの悲しみを隠して再会を楽しみに2人の道は別れた。それから彼女が落ち着いたであろう頃合いを見計らって行秋は手紙を書いた。
彼女と別れてからあった出来事などを彼は小説を書くように丁寧に書き記した。そしてなまえからの返事を楽しみにしていた。けれど、いくら待っても彼女からの手紙が来ることはなかった。
ある日、とある船が難破していたと噂が耳に入った。なまえからの返事は今もまだ届いていない。
次→鍾離