信者のない使徒
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秘境の外に出ると少し気持ちが落ち着いた。けれどあの不気味な神像は一体なんだったのだろうか。なまえの手を引いたまま秘境から出てきた空は青い空を見ながらもあの不気味なオーラが忘れられない。それにアビスの使徒の去り際の言葉も気になっていた。
「(……あとでなまえに話してみよう)」
空自身もまだ頭の整理ができていない。そんな状態のまま疲れているなまえには話せない。
「再会は……俺が想像してたより早い」
3人の耳に聞き慣れた声が届いた。その声は最近聞いたばかりの男の声だった。疲れからか少しぼんやりとしているなまえと考え事をしていた空。そんな2人に比べて先ほど話題にしていたためかパイモンの反応が一番早かった。
「あ! ダインだ!」
パイモンは秘境を出た先に立っていたダインスレイヴを指さした。ダインスレイヴは以前モンドに現れて、なまえと空に3つの質問と500モラを要求した。そしてそれを対価に彼はアビス教団についての情報とそれを追うために少しの間、共に旅をしてくれた。西風の鷹の神殿、奔狼領、風龍廃墟という3つの場所を共に歩いた。
彼は不思議な人だった。なんでも彼は以前「彼女」と旅していたことと、風龍廃墟にはまだトワリンのものではなかったと言っていた。トワリンが風龍廃墟に住みついてもう数百年たっているのに……。それに「彼女」との旅はただの付き添いだったといってあまり思い出もないようでパイモンの質問もはぐらかされてしまった。3人もまさかこんな所で再びダインスレイヴに会うとは先程話題に出したせいなのかと密かに思っていたりした。彼らの顔を見回してその中に疲れの色があることにダインスレイヴは気が付いた。
「その顔、何やら不気味なものにでも遭遇したようだが……まさか、遺跡の中で『アビスの使徒』に会ったか」
「何でわかったんだ!?」
なまえと空の顔を順に見まわしてダインスレイヴは指摘した。その指摘が当たっていたため彼の察しの良さにパイモンをはじめとして3人は驚いた。
「俺は『アビスの使徒』を追跡していたんだ。もちろん、ここで貴様たちに会うのは想定外だったが」
「……実は、使徒だけじゃない」
そう言って、なまえを少しでも休ませるために彼女を近くの岩に座らせた空はダインスレイヴに先程見た物を話した。遺跡の奥にあった逆さ吊りの神像や死者に不気味な光景……。そして遺跡から出る途中で現れた「アビスの使徒」。
「――オイラたちはそいつと戦ったんだ。もしかしたら、まだ近くにいるのかもしれない」
「なるほど。これは千載一遇のチャンスだ。俺についてこい」
空の言葉を引き継いでパイモンがダインスレイヴに伝える。それを聞いたダインスレイヴは大きく頷いて、3人についてくるように促した。また一緒に調査をすることになりそうだ。だが、空もパイモンもなまえの様子が気になった。
「なまえ、調子はどう? 大丈夫そうならダインと一緒に行こうと思うんだけど……」
空はなまえに判断を委ねることにした。空の言葉になまえは大丈夫だというように立ち上がった。
「なまえ本当にもう大丈夫か? 無理ならもう少し休んでからでも……」
「私は、大丈夫。さっきも、今も……充分に休ませてもらったから」
立ち上がったなまえにパイモンが寄り添う。心配そうに話しかけるパイモンを安心させるようになまえは笑った。その笑顔は少しぎこちなかったが顔色は倒れた時よりはずっと良くなっていたからパイモンは何も言わずになまえの意思を尊重することにした。
「それよりもアビスの使徒を放っておいたらいけないと思う。アビス教団に詳しいダインがチャンスだって言うんだから探しに行こう」
「……わかった。でも、もし体調が悪くなったら必ず俺に言って」
「オイラでも良いからな! なまえ、あの像のこともアビス教団の動向も探らなくちゃならないけど、お前が無理してもだめなんだからな!」
なまえの言葉にパイモンと空は顔を見合わせた。2人はなまえが無理しないように気をつけながらダインスレイヴについていくことにした。