隔たりのある魂
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「(……あれ?)」
一方、2体のアビスの魔術師と対峙していたなまえ。アビスの使徒と戦う空の邪魔にならないようにアビスの魔術師2体を彼らから遠ざけるように戦うことにした。少しだけ戦って彼女はまだ相手にしたばかりなのに、炎のアビスの魔術師のバリアが弱くなっていることに気がついた。
「なまえ! 後ろからアビスの使徒の斬撃が来るぞ!」
「……ありがとうパイモン!」
パイモンが言葉共になまえの服を引っ張ってそれにそのまま習って右に避ける。アビスの使徒が放った波の斬撃がアビスの魔術師のバリアにあたる。その時、蒸発反応でバリアが完全に解けた。それを見てアビスの使徒の水流が何度か炎のアビスの魔術師に当たっていたことだったと気がついた。
「(アビスの使徒は魔術師のことを気にしていないの?)」
仲間のはずなのにその存在を気にすることもなく攻撃をするアビスの使徒に疑問が浮かぶ。
「(もしかしたら、仲間を気にするよりも、もっとしなければならないことがあるってことなの……?)」
なまえの考えが正しいのなら、それはきっと逆さの神像を守ること。天空の島にある神座を揺るがすための薪。そのためにはどんなこともするのだろう。遺跡守衛の前であったあのアビス教団の者達のように何があっても成し遂げなければいけないという恐ろしい決意の表れ。何がそれほどまでアビス教団を突き動かすのだろうか。
アビスの魔術師は地に落とされてその衝撃で目を回している。なまえは近くに来ていた水のアビスの魔術師の飛ばしたシャボン玉を割ってから炎のアビスの魔術師に攻撃を加えた。今なら攻撃も当たる。なまえはもう1人のアビスの魔術師と空が戦っているアビスの使徒を気にかけたままそのまま一気に炎のアビスの魔術師を撃退した。
敵の数が減ると戦闘も随分と楽になる。そうなると戦況はなまえ達に傾く。シールドを破壊するのに時間はかかったが残るアビスの魔術師も無事に退けたなまえとパイモン。2人は空の援護をすべくそちらの方へと目を向ける。ちょうど空がなまえ達のいる場所へと下がってきていてアビスの使徒から距離をとっていた。
「空……!」
「なまえ、パイモン……、気をつけて」
なまえが空を呼ぶと、彼はアビスの使徒から目を離さずに返事をした。空の視線の先には力をためるアビスの使徒。そして、空がなまえとパイモンをもう少し下がらせた。その後アビスの使徒は貯めた力を解放した。同時にアビスの使徒の周りに水流が波のようになって斬撃として飛ぶ。
アビスの使徒自身も全身に水流を纏っているように見えた。それはなまえがアビスの魔術師を倒したせいか、空がアビスの使徒を追い詰めたせいなのかはわからない。けれどもアビスの使徒も本気を出したらしい。水元素による強化のおかげで今までの攻撃よりもずっと威力を増している。見たことのない攻撃も増えていた。狭い範囲の斬撃からの全方位の遠距離攻撃。しっかりと攻撃を見極めてその間は距離を取れば避けられる。どんなに強化しようとも今までのアビスの使徒との戦闘は無駄ではないはず。
なまえは少し怖気付いた自分に喝を入れなおしてアビスの使徒を観察し、その癖を見つけようとした。アビスの使徒を撃退するためには、まずその纏われた水元素を剥がさなければならない。アビスの使徒を相手にする空のサポートをしながらなまえは考えを巡らせた。
先ほど戦ったアビスの魔術師と原理は同じだろうか。ただ遠距離の魔術師と近接戦闘を得意とするアビスの使徒。戦闘スタイルの違いがバリアのまとわせ方を変えているだけに違いない。これが有効元素以外の攻撃がほとんど通らないファデュイ先遣隊のようなバリアではないことを祈るばかりである。
何度か攻撃してなんとなくではあるがアビスの使徒が纏った水流は有効元素以外でもダメージを与えることができそうだ。元素反応を使いながらも通常攻撃でアビスの使徒の注意をなまえと空の2人に分散させることで隙を生じさせて少しずつダメージを与えていく。
しかしアビスの使徒の剣は鋭く速い。さらに全方位攻撃、そして全身に水元素を纏ったことによるアドバンテージもある。スーパーアーマーの役割をも担うその水元素による鎧は空やなまえの攻撃が当たったとしても、アビスの使徒が今までのように怯むことはない。2対1でなまえ達が押しているとはいえ、このことはアビスの使徒にとって有利に働いている。なまえの脳裏に長期戦という言葉がよぎる。
今の彼女にとって長期戦というのは避けたい。慢性的な睡眠不足による体力の低下は戦いにも影響を与えてくる。空がそんななまえを気遣ってくれるおかげで今まで戦ってこられたがそろそろ危ないかもしれない。そんなふうに弱気になると疲れがなまえの足を引っ張っているような感覚に陥ってくる。それを知ってか知らずかアビスの使徒がなまえに攻撃を仕掛けてきた。アビスの使徒の一撃は今までで一番重かった。そんなふうになまえには感じられた。
「……っ」
なまえがとうとうアビスの使徒の力に押し負けた。そのせいで2、3歩退がる。よろよろと体勢を崩した。アビスの使徒から距離が開く。アビスの使徒が追い討ちをかけようとなまえの元へと向かう。彼女を狙うのなら、それは空への警戒が少し緩むということだ。その“少し”を感じ取った空が元素爆発をアビスの使徒に見舞った。
攻撃は最大の防御と誰かが言った。空の攻撃はなまえを守ることにもつながる。背後から風元素の力がアビスの使徒を襲いかかる。まともに食らってアビスの使徒のバリアが剥がれた。その反動で怯んだアビスの使徒を横目になまえは崩れた体勢をなおした。
「なまえ! 下がってて!」
空がなまえに叫ぶ。バリアが溶けたアビスの使徒なら空1人でも大丈夫だろう。それを見越してのなまえへの言葉。もちろん、空がそう提案した一番の理由はなまえの体調を見抜いてのことであった。そのままなまえに下がらせてアビスの使徒に立ち向かった。