誇りのない試練
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「あっ、ジン団長! 無事でよかったぞ! ロサリアからここで戦ってるって聞いたから、加勢に来たんだ」
話しかけてきたのは西風騎士団の代理団長であるジンだ。パイモンが代表して提案した申し出にジンは感謝した。大団長の遠征によって西風騎士団の5分の4がいない状況である。人手は多い方が良い。
「今回の暴動は通常のものとは違う。アビス教団が奔狼領を囲い始めている。私も兵を向かわせているところだ」
ジンは3人に騎士団の動向を教えた。そして彼女自身が偵察しているところ3人の姿を見つけたという。
「ロサリアが言うには、ヤツらの標的は『ボレアス』のようだ。しかし、アビス教団と『ボレアス』に……一体どんな関係が?」
北風の狼が狙われている。3人とロサリアの見解は一致していた。けれど、その理由を推察できるなまえ達とは違い、西風騎士団には情報が不足していた。なまえ達が理由を話すことは簡単だが逆さ吊りの神像等、モンド人にとっては眩暈のするような出来事だ。そのことは話さないと大聖堂の前でダインスレイヴと共に決めた。だから、ジンには悪いが誤魔化すことにした。
「単純に面倒をおこしたいだけなんじゃないか? ほら、アビス教団はトワリンにもちょっかいを出しただろ? 風神の眷属に、もう一回手を出してもおかしくないと思うぞ」
「確かに、一理ある。とにかく、この辺り一帯の脅威は、全て私が引き受けよう」
何も知らないように装ったパイモンの言葉に納得し、少し考え込んだジンはなまえ達に北風の狼のもとへ向かうように依頼してきた。
「魔神の残魂……滅多にお目にかかれないが、君たちはそれに会ったことがあると聞いた。適任だと私は思う」
「任せて」
「うん。気をつけてくれ。後のことは任せた、『西風の栄誉騎士』」
ジンの依頼に空はすぐさま頷いた。元々目的はそれだったのだから、西風騎士団の了承がもらえるならば躊躇する理由などない。
「ジンさんも気をつけて」
「ありがとう、なまえ。『ボレアス』のことは頼んだぞ」
別れる前に声をかけたなまえにもちゃんと返事をしてくれてジンの真面目さと優しさが表されているように思った。ジンと別れて3人は北風の狼の元へと向かう。魔神アンドリアスの試練を受けたあの場所である。円形の闘技場のような試練場を目指す。
「ジンさんにはちょっと悪いことしちゃったね」
「そうだな。でも、ダインが言ってただろ? 『アビスに関わったら最後、いい結末を迎えることはない』……ってさ!」
「パイモン……それダインの真似?」
その途中で先ほどのジンの疑問に答えたときのことを思い出しながらなまえが口にした。それをパイモンがダインスレイヴの真似をしながらくるくると飛び回る。精一杯のパイモンのダインスレイヴの物真似を空が何とも言えない表情で見ている。
「結構似てただろ?」
「似てた……かなあ?」
空の指摘にパイモンがなまえに同意を求めるがなまえの返事もあいまいだ。
「似てただろ? ……って、そんなことより、あそこ見ろ! レザーだ! あと……『アビスの使徒』!」
「王狼もいる!」
「空! パイモン! 行かなきゃ!!」
あのアンドリアスの試練の場にてアビスの使徒と対峙するレザーと北風の狼の姿を見つけて3人は駆け出した。