誇りのない試練
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一行はモンドの西風大聖堂の近くへと到着した。モンドの大聖堂の前には巨大な風神像が安置されている。人々の風神に対する信仰の厚さが見てとれるようで、はじめて見たときはその巨大さに圧倒されたものだ。
「巨大な神像、壮大な大聖堂。モンド人がこれらを作るのに、どれだけの資源とエネルギーを費やしたことか」
モンドの大聖堂や巨大な風神像を見回したダインスレイヴ。なまえ達と同じように信仰の厚さに対して感嘆すると思ったが違うようだ。むしろその声には神に対して懐疑心が含まれているように感じて、なまえはやはりダインスレイヴは神への信仰心は薄そうだとそう思った。
「しかし、そんな贈り物を受け取った風神は、一体どれほどの見返りを渡したというのだ」
「『信仰』は見返りを求めないものだろ?」
「ふん、神がそれでいいと思っているのなら、何も言うまい」
神の愛。見返り。ダインスレイヴのいうこともパイモンのいうことも理解できる。なまえはふたりの会話には口を挟まず見守るだけにした。吐き捨てるように言ったダインスレイヴの言葉を聞いてパイモンが慌てる。
「しーっ! もうすぐ大聖堂に着くんだから、風神の悪口はやめといた方がいいぞ」
ダインスレイヴの冷たい言葉にパイモンが小さな声で咎める。誰が聞いているかもわからないところでそんな話をするべきではない。
「それに風神も実は……」
「パイモン」
「えーっと、な、なんでもない」
ダインスレイヴの態度に思わず風神の正体について口を滑らしそうになったパイモンに空が咎める。空はパイモンを見ながらため息をついた。たとえダインスレイヴが知っていたとしてもこんな往来で言っていいことではない。ダインスレイヴは言葉を濁したパイモンを気にすることもなく、立ち止まった。
「俺はもとから大聖堂に入るつもりはない。シスターと話す役目は貴様たちに任せる」
「えっ?」
「気にならないの?」
まさかダインスレイヴが行かないと思わなかったので驚いた。そんな彼らの答えは想像がついたのかダインスレイヴの反応はいつもと変わりない。
「貴様はモンド城の栄誉騎士だ。深く信頼されている。この役は貴様が適任だろう」
「(……貴様?)」
俺が行くと警戒されるのは目に見えているとダインスレイヴ。身元不明だからかと空が尋ねるとダインスレイヴは頷いた。
「それに小さいのが言うように、俺はいつだって……教会に対し不都合なことを言いかねない」
どうやらダインスレイヴは自覚しているらしい。
「『信仰を拒む者』が『信仰の地』に入れば、待っているのは災いのみ。俺は一度も神に恩恵を受けたことがない。そして今と未来においてもその必要はない」
その言葉はまさしく信仰を望んでいない者の言葉であった。だが、彼のいう言葉は果たして彼だけのことを言っているのだろうか。
「さあ、話せることはすべて話した。俺たちがここで立ち話をしている間にも、アビス教団は動いている」
「そっか…じゃあ3人で聞いてみよう」
パイモンが先行して空となまえが大聖堂に向かおうとするとダインスレイヴが待ったをかけた。
「……待て。その娘は置いていけ」
「えっ? ……なまえを?」
「あまり体調が芳しくないのだろう。休めるときに休んでおくべきだ。教会に行くのは貴様たちだけで事足りるだろう」
その言葉にようやく空はダインスレイヴが、先ほど貴様と単数形で呼んだ理由がわかった。その提案に本音を言えばは空は離れたくなかったが、なまえのことを考えるとそうするのが一番いいと思った。
「なまえ、ダインと一緒にここで待っていて。俺たちが話を聞いてくるから」
「……ごめんね、空。パイモン、空をよろしくね」
「おう! オイラたちがちゃんと情報をもらってくるからな!」
そうしてダインスレイヴの提案によりなまえも教会の前で待つこととなった。そして、ダインスレイヴは2人に穢れた逆さ神像のことを口止めした。
「誰であろうと『アビス』に関わったら最後、いい結末を迎えることはない」
それはダインスレイヴ自身のことも指しているのか。そうであるならばなぜダインスレイヴはそれを知っているのにアビス教団を追いかけているのかなまえは気になった。