涙のない明日のために
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ウェンティを仲間に加えた一行は再びモンド城へと戻ってきた。大聖堂までたどり着いた時、彼はようやく彼の考えた新しい作戦について披露してくれた。それが取りに行くと言った天空を使ってトワリンを助けるというものだった。天空とはモンドの至宝と呼ばれるもので、かつて風神バルバトスが使っていたとされるライアーという楽器らしい。それが本物であるのならば、きっとすごい価値のあるものなのだろう。大聖堂に保管されているという噂があるらしい。
「まずは下調べだ。もし興味があるなら、一緒に来てくれてもいいよ」
そう言って、確かめるためにウェンティは大聖堂へと入っていった。手伝ってくれというのに、一緒に行動するかどうか選択権を与えてくれるなんてよくわからないなと思いながら空達も大聖堂へと入ったウェンティを追いかけることにした。大聖堂へと入ると、ウェンティは待っていてくれた。
「まあ、見てて!」
それから、自信たっぷりにシスターと交渉する姿を見せていたがやはりというべきか。モンドの至宝を簡単に渡すはずもなく、ウェンティが自分をバルバトスであると高らかに宣言したことでシスターの機嫌を損ねるだけに終わった。しかし、ウェンティには落ち込んだような様子はなかった。
「少なくとも、彼女は大聖堂に天空のライアーがあることを否定しなかった」
そう話しながら聞きたい情報を得ることができたと自信満々に戻ってきたウェンティは、今度は空にわざわざ回りくどく、「騎士団で話題の新人くん」と呼び掛けて彼にも同じように聞いてきてほしいと遠回しに頼んできた。だから、空はなまえとパイモンを引き連れてウェンティが話を聞いたシスターに近寄った。空が話しかけると、シスターは彼のことを知っていたようだ。ジンがお触れでも出したのだろうか。ともかく、空が栄誉騎士の称号を得ていることはモンドの人々の知るところになったのかもしれない。
空はシスターに騎士団がライアーを借り受けたいと話すけれど、ライアーを借りるためには書類申請を含むいろいろ煩雑な手続きがあるという。書類申請なんて出せるはずもなく、適当に誤魔化したが結局ライアーを借りることはできなかった。わかったことといえばあのシスターの中でウェンティの評価が怪しい詩人になっていたということだけであった。