外から流れてきたものたち
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再びヒルチャールの巣へと戻ってきた一行はすぐさま作戦を実行にうつすべく移動を開始した。なまえと空が位置に着いたのを確認してアンバーはウサギ伯爵をヒルチャールの巣に放りこむ。
「ウサギ伯爵、出撃!」
楽しそうな様子で動くウサギ伯爵の奇妙な動きに反応してヒルチャールたちはそちらに集まり、突然現れた来訪者に攻撃を加えていく。ヒルチャールがウサギ伯爵に夢中になり背中を向けたことでなまえは立ち上がってあらかじめ矢をあてがっていた弓の弦を十分に弾き絞りしっかりと狙いを定めて矢を放つ。当たるかどうかを確認することもなく次の攻撃を予測して崖を飛び降りた。
反対側で同じように矢を引き絞っていたアンバーはなまえの行動をみてその手慣れた行動に感心しながらも、自分の役目を果たすべくウサギ伯爵に狙いを定める。ウサギ伯爵でヒルチャールをめいっぱい引き付けたタイミングで爆発させるのが最善手である。だからこそ、そのタイミングを見極めアンバーはなまえからウサギ伯爵へと視線を戻した。
一方、やぐらにいたヒルチャールはなまえの一撃が見事命中し、やぐらから落下した。なまえはそのヒルチャールにとどめを刺すべく、地上へと落下したヒルチャールの見える位置について次の矢を番えてまた弓を引き絞って矢を放った。なまえの矢が再びヒルチャールに当たると同時にアンバーの炎元素の宿った矢もまたヒルチャールを引き付けていたウサギ伯爵に当たる。
その瞬間、ウサギ伯爵はその役目を終えた。ウサギ伯爵の爆発音に空が行動を開始する。爆発によって火がヒルチャールに燃え移る。火を消そうとヒルチャールたちがわたわたと慌てだすのを見ながら空は剣を片手に切りかかる。切りかかる寸前になまえが空に声をかける。
「空! 炎元素だよ! 拡散!!」
「!」
今がチャンスだとなまえが空に叫ぶと彼は元素反応のことを思い出して切りかかることをやめた。そして、元素力を開放する。突然の指摘にも咄嗟に行動を変化して対応できることから彼がただの旅人ではなく歴戦の戦士だということを示していた。風元素の力を燃えるヒルチャールに向けて放つ。以前星落としの湖で起きたような火が辺りに燃え広がっていた。そうして、3人の頑張りにより巣の中のヒルチャールを退治して残ったヒルチャールはいないかと確認した後、巣の中に彼らは集まった。
「手伝ってくれてありがとう。結局、任務に巻き込んじゃったね」
「ううん、私たちが好きでやったことだから気にしないで」
「戦える俺たちがただ見てるわけにはいかないから」
森の出口で出会った時、なまえと空は2人で話していたゆえに聞き逃していたがアンバーはなまえ達を守るとパイモンに言っていた。だがそれを知らないなまえ達は守られることを良しとせず彼女に手を貸した。そのことをアンバーは気にしていてなまえ達に謝罪したが、なまえも空も自分が好きでやったことだからと逆にアンバーを気にしないように励ました。
「それにしても、あんたたちかなり強いみたいね。それに連携もしっかりしてるし……」
感心したようにアンバーは改めてふたりの旅人を見つめた。同じ年頃に見えるが西風騎士団に所属しているアンバーよりも実戦経験があるように思えた。ふたりとも体格が大きいわけでもなく見た目だけではその強さはわからない。きっとふたりとも様々な場所を旅してきたのだろうとアンバーは想像した。
「そういえば、なんでこんなところに『ヒルチャール』が現れるんだ?」
人の多いところには巣を作らないと自らの知識を思い出すパイモンにアンバーも同意を示す。しかし、それは平時であればの場合である。今この国は風魔龍の災害によって異常事態が起こっており、キャラバンもルート変更を余儀なくされている。そのせいもあり、ヒルチャールもまた巣の場所を変更しているとアンバーは見ているようだ。
「でも、今日また一つ巣を片付けられたから進展はあったわ。あんたたちが手伝ってくれたおかげで思ったより時間もかからなかったし……」
本当にありがとうと笑顔を見せるアンバー。
「さあ、わたしについてきて! 真面目で優秀な騎士が、あんたたちを城まで守ってあげる」
任務を完了させたアンバーは3人に高らかとそう宣言した。彼女はもう3人を怪しい旅人だと言うことはなかった。
補足
冷静に考えると拡散反応ってこわいですね。
そして、ようやく見えてきたモンド城!!