「手を抜いて倒せると思っておるのか！」

爺さんは鬼殺隊最強の称号を与えられていた柱だったんだ。
爺さんは俺を殺すつもりで刀を振るうが、俺は爺さんを傷付けず捕らえるために慎重に刀を向ける。要は防戦一方だ。爺さん程の強い人と戦うことがなかった為、さらに追い詰められていく。正直言って爺さんを見誤った。

「この、大馬鹿者め…！！」

このまま戦闘を長引かせると爺さんが憤死しそうだ。攻撃を受けてばかりの俺に耐えきれなかったように怒っている。
ふと朝になっていることに身体が焼けて気がついた。時間を気にせずここに向かってもんなそっかそっか…いや待ってくれ嘘だろ、何もできないままここで終わるのか。
このまま俺が死んだら爺さんはどうなる。腹切って詫びるとかしそうだ。それだけは避けなければ。今ここで爺さんを生かせるのは俺だけだ。この場から逃げるなんてできない。でも逃げなきゃ死ぬ。身体が燃えるように熱いおかげで思考がまとまらない。
結局手遅れだったのか。いやだ、俺のせいで死なないでくれ、俺の責任を取らないでくれ、爺さん。どうか生きて。