成り代わり主の死に方
成り代わり夢主の元の名前
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本当に運が悪いのは俺だったようだ。
出会う場所など関係ない。どんな月が出てようが夜は夜だ。アレと会うことに、何もおかしなことはない。知識で改変されているんだ。未来が変わるのは当たり前だ。鬼殺隊だから夜の出歩きも平気だと驕っていたつもりはなかったんだが。上弦の鬼共と会って感覚が麻痺していたのか。上弦の壱は平然と現れた。俺は呼吸をし、恐怖で強張る身体を落ち着かせる。
「勾玉の隊士はお前だったのか…そうか。鬼になる気は、ないのだな……」
なりたい、とはもう思えない。今は爺さんや俺に期待をする奴らの思いに報いたいからだ。後ろには善逸もいる。こいつにだけはみっともない姿を見せられない。
「俺はもう、鬼にはならない。鬼殺隊としての責務を果たす」
前世の知識を役に立てろ、もう誰かを犠牲するような選択はしない。少なくともここで一番要らないのは善逸だ。善逸が死ねば爺さんが悲しむだろうし、雷の呼吸を途絶えさせるわけにはいかない。アレ相手に呼吸や知識で引きつける事は無理だ。
なら俺に出来る事はただ一つ。
振り返り、俺は未だに恐怖で固まっている善逸をありったけの力を込めてぶっ飛ばした。足場が悪く、そのまま下へと落ちていく善逸を見下ろし簡単に物理的な距離を置ける場所に安堵した。道連れにしようと思っていたのに土壇場になると俺の行動が全くの別物になる。死ぬつもりも、犠牲になるつもりもないのに俺は何をしてるんだろうな。必死な弟弟子の叫び声を背後に、上弦の壱に向き合った。案外この鬼はお喋りだったようなので、俺は負け惜しみの様な知識を披露して数分時間を稼ぐことができた。 一瞬では死ねず助からない怪我を負い、這い蹲り自分のしてきたことを振り返る。前世から散々中途半端に、無意味に終わってきた俺にしては上手くできたなぁと穏やかな感情のまま、俺は死を受け入れた。
出会う場所など関係ない。どんな月が出てようが夜は夜だ。アレと会うことに、何もおかしなことはない。知識で改変されているんだ。未来が変わるのは当たり前だ。鬼殺隊だから夜の出歩きも平気だと驕っていたつもりはなかったんだが。上弦の鬼共と会って感覚が麻痺していたのか。上弦の壱は平然と現れた。俺は呼吸をし、恐怖で強張る身体を落ち着かせる。
「勾玉の隊士はお前だったのか…そうか。鬼になる気は、ないのだな……」
なりたい、とはもう思えない。今は爺さんや俺に期待をする奴らの思いに報いたいからだ。後ろには善逸もいる。こいつにだけはみっともない姿を見せられない。
「俺はもう、鬼にはならない。鬼殺隊としての責務を果たす」
前世の知識を役に立てろ、もう誰かを犠牲するような選択はしない。少なくともここで一番要らないのは善逸だ。善逸が死ねば爺さんが悲しむだろうし、雷の呼吸を途絶えさせるわけにはいかない。アレ相手に呼吸や知識で引きつける事は無理だ。
なら俺に出来る事はただ一つ。
振り返り、俺は未だに恐怖で固まっている善逸をありったけの力を込めてぶっ飛ばした。足場が悪く、そのまま下へと落ちていく善逸を見下ろし簡単に物理的な距離を置ける場所に安堵した。道連れにしようと思っていたのに土壇場になると俺の行動が全くの別物になる。死ぬつもりも、犠牲になるつもりもないのに俺は何をしてるんだろうな。必死な弟弟子の叫び声を背後に、上弦の壱に向き合った。案外この鬼はお喋りだったようなので、俺は負け惜しみの様な知識を披露して数分時間を稼ぐことができた。 一瞬では死ねず助からない怪我を負い、這い蹲り自分のしてきたことを振り返る。前世から散々中途半端に、無意味に終わってきた俺にしては上手くできたなぁと穏やかな感情のまま、俺は死を受け入れた。