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▲獪岳と共に上弦壱と対面。
「雷の呼吸で全力出せば逃げ切れるよ。オレはこの鬼さんとお話ししてるからさ。オレが鬼とお喋りして普通に帰ってきたことしかないの、兄貴はよく覚えてるだろ?ほら、先帰ってて」
そいつはいつも通りヘラヘラ笑っていたが、視線は上弦の鬼から動かすことはない。ジッと。隙の一つもない鬼の動きを見逃さないように観察している。
「逃げるんだ、獪岳。生きていれば、先のことなんか大抵なんとかなるからさ。最悪なことが起きたって、オレが故意に落ちただけだから、兄貴は何も悪くないよ」
あまりにもいつも通りだから呼吸ができるようになってしまった。あぁ、この慣れた呼吸でテメェを見捨てて逃げろと、死にたがりめ。死にたいなら俺にはじめから関わるなよ。最悪な気分だ。
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ああ脚がガタガタして腰が抜けそうだ。目の前の鬼に隙なんてないってこと、ここまで明白に分かるんだ。獪岳に上手く話せただろうか。オレは生まれてからずっと嘘吐きだから、きっと上手く誤魔化せたはずだ。感情も行動もこの異常事態に狂わずに。このまま台詞を吐くんだ、予言妄想、虚言虚妄なんとでも言え。この鬼の動きをできるだけ長く止められるなら。
「そこまで言うならば…補わなければならないな。知り得ぬことを知る…お前なら…不足はないだろう」
「はっ、ははは。なるほど、そういう補正が入るのか。残念だけど、無駄に終わるよ?」
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そういう舞台なんだ、ここは。ずっと頭の中がぐちゃぐちゃで思考がまとまらない。誰かを殺したくて殺したくてたまらなかった。死体を作っては、これじゃないなって思ってさ。邪魔になった死体を埋めるのも燃やすのも面倒だから胃袋に片付けて。たまに黒死牟さんに話しかけられては謎に刻まれかけるし。話題はこれからどうなるかだっけ。死にかけ鬼の自分には関係ないことですよと笑っておこう。でもそれなりの合格ラインを突破していたらしく、彼の方から数字を頂いた。上弦の陸だったのだが、違和感がすごい。だって、俺が殺したかった誰かは確か上弦の陸なんだよ。そいつを捜してたから上弦の陸は俺じゃない筈なのに。
禰豆子ちゃん?鳴女なら必ず見つけられるだろうし、彼の方が人になる薬から回復されて行動を再開されたら必ず現れるだろうよ。炭治郎も本気で彼の方の頸を取りに来るだろうけどさ!あぁ、見てみたいなぁ。黒死牟さんだってこれから先、鬼殺隊の上位の実力者2人に潰されたり刻まれるんだよな、見てみたいなぁ!童磨さんも猗窩座さんも幸せそうに死んじゃうし、いいなぁ。直に見たいなぁ。
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強力な鬼の気配が濃くなる。最悪の気分だ。何故死んでない、冗談じゃない。襖を開けて出てきたのは、複数の眼を持つ鬼に変わり果てた莫尚だった。
「おぉ、おお!久しぶりじゃないか!元気そうで良かったよ、獪岳」
「死に損ないのゴミクズが、あの時死なずに何故鬼になった!」
「オレがなんで鬼になったのかとか、どうでもいいだろ?獪岳こそ、せっかくあの時逃げきれたのにどうしてまだ鬼殺隊にいるんだ?鬼殺隊は鬼と心中することを躊躇わない頭のおかしい組織なのにさ。自分の命を懸けられないなら今すぐ除隊して桃農家やってろよ」
けらけら異常に笑う奴から目を離すことなく構える。
「テメェが鬼になったせいで先生が腹切って死んだ…」
「おやおや、オレはさぁ介錯しに行ったんだよ?でも師範に要らないって斬りかかられちゃったんだ、ハハッ!切腹して死ぬんじゃなくて憤死するんじゃないかって程に元気だったんだけど、アレからやはりそうなったかぁ」
作り物の声色、作り物の表情、幼い頃から理解していたが敵対するとこうも苛立たせるのか。カスならこの煽りに無駄死にしそうな勢いで食いつきそうだが、オレはゴミクズの独り言には聞き慣れてる。今ここで確実に頸を切り落としてやる。
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ゴミクズは俺に一切攻撃せずにギリギリのところで避け続ける。俺の型を全て見切って遊んでやがる。ふざけた真似を。だったらこの戦いで技の精度をあげ続けて余裕ぶった態度ごと斬り刻んでやる。
「獪岳、もう辞めようよ。獪岳は自分の命を大事にする方法、誰よりわかってるよね。ここから撤退して鬼殺隊もついでに辞めれば良い、それだけだよ?」
「格下のゴミクズが俺に指図してんじゃねぇ!」
「あのさぁ、獪岳はまだ十二鬼月の中でも格の違う上弦の壱としか対面したことないからわかってないんだろうから教えとくけど、オレの前に上弦の陸してた奴は音柱をギャフンと言わせてたんだよ。あ、言ってはないか。でも柱でもない獪岳が、いくらオレの手の内知ってても無駄だよ。鬼になった人がどれだけ強くなるか、普通の人でさえ鬼になれば殺すのが面倒なのに」
ゴミクズが刀を捨てた。なんのつもりだ?
「もうやだよ。獪岳と戦いたくない。だから帰ってよ獪岳。オレお前の死ぬとこなんてみたくない」
馬鹿にするような嘘泣きがはじまったと思うと狂ったように笑い出した。
「ひぃ、お腹痛いよぉ。はぁ…獪岳を始末するまで鳴女は善逸を来させる気がないのかな、困ったな。せっかくアイツの為に体力温存してたのに。あ!そっか!獪岳を鬼側に勧誘すれば善逸が来てくれるのか!なぁ、そうだろ獪岳!一緒に善逸を始末しようよ!」
アイツの為に温存だと?俺に対して手を抜いて、アイツに本気を出そうとしてたのか?俺はお前の特別だったんじゃ、なかったのか。本当は取るに足らないと、俺を見下していたのか。お前だけは、お前にだけは…、許さない。
「その眼は全部腐ってんのか?俺を正しく評価できない格下のゴミクズの言葉なんて聞く価値もねぇ。どこまでも俺をコケにしかやがって…!」
「そうそう!この眼はね、どんなに早い斬撃にも対応できるように増えたんだよ!」
調子に乗って勝手に喋り出す昔と何にも変わらない態度を無視して型を使う。莫尚の頸は俺が斬る。絶対に、カスには渡さない。最期まで俺だけをその眼に焼き付けろ。
▲獪岳夢設定
黒羽莫尚
二次元のキャラをこよなく愛していた前世の記憶を持っている。鬼滅の刃の内容はうろ覚え、明確なのはアニメまで。前世については便利知識として利用していて今世の性格が主軸。名無しの捨て子だった孤児時代に鬼を目撃し鬼滅の刃の世界だと気付く。それから口八丁手八丁で人を騙しながら生き延び、その延長線上で騙した寺の住職に拾われる。苗字と名前はその時自分で決めた。嘘をつく事や騙す事に対して罪悪感は一切無い。住職や寺の子たちを家族扱いして兄ちゃんや姉ちゃんと呼ぶ。その中でも獪岳の一途な所に惚れ込み、勝手に兄貴と呼び慕い毎日のようにヨイショしている。
ある日、獪岳と一緒に盗みをして追い出されて夜遅くに帰路に着くと鬼にエンカウントする。
「寺の餓鬼どもを引き渡すから自分の命を見逃せ」「前金として自分の横にいる餓鬼を食うといい」
真横で行われるやり取りに「マジかよ冴えてる兄貴スゲー」と素直に感動する。
寺の方へスタコラサッサする顔色の悪い獪岳を見届けると、前世知識を使い有る事無い事言いまくり鬼を寺に来させないように撤退させる。寺に帰り申し訳程度に消された藤の香炉を再度焚く。
道中獪岳を発見し「鬼なら俺を食わずにどっか行ったよ?」と伝え寺にグイグイ引きづり込み、悲鳴嶼に泣き付き彼を鬼殺隊に入隊させる為に全力を尽くす。
「鬼に襲われそうになって寺に逃げ込んだんだけど!鬼はまだまだピンピンしてるし行冥兄ちゃんが鬼やっつけてくれなきゃオレ恐くてもう寺に居られないよぉ!」「藤のお香なんかちょっと臭いだけで平気なんだって!早くやっつけてよぉ!助けて行冥兄ちゃん!」
後に居づらそうな獪岳と寺出のような家出する。
「鬼さえいなければあんな事しなかった」
獪岳は自分の為に鬼殺隊を目指す。側でヘラヘラ応援するオリ主。元鳴柱の桑島に拾われ雷の呼吸を習得途中、善逸が桑島に拾われてやってくる。当たりが強い獪岳に対して気にもせずに兄貴と呼び慕うオリ主にビビる。どっちも音が優しくない。
「オレは黒羽莫尚。こっちの獪岳の弟さ」
「おいゴミクズ、馴れ合いに俺を巻き込むな失せろ」
善逸は二人を兄弟だと勘違いしかけて獪岳にキレられた。
オリ主は生まれつき肺に異常があり鬼狩りに必須な呼吸が出来ない身体の為、鍛えているが隠として鬼殺隊に所属するのを希望している。
「誰かの為に命を使えたらオレは、これまで好き勝手に生きてきた事が赦される気がするんだ。そんな訳ないのにさ。でももしそういう機会があったら兄貴の為にがんばるよ」
「無駄死にする気かよ」
「無闇矢鱈に死にに行こうなんて思ってないよ!例えだし、なるべく兄貴と生きていたいからね。オレからすると兄貴はずっと特別でオレの憧れだからさ、何があっても絶対に生きてて欲しいんだ」
隠になってからも仕事以外の時はあの手この手で獪岳に関わり続ける。獪岳は存在に慣れてしまって空気扱い。この夢の獪岳は幸せの箱に穴が開くフラグが折れたので、感情比率は莫尚→→→(←)獪岳