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目覚めたら教室の面影がある廃墟にいて、恐怖に震えているとロッカーから赤松さんと最原くんが出てきた。
あのゲームのキャラクターがこのシチュエーションでなぜ目の前に?更に混乱するが、こういった訳の分からなすぎる理解を超えた現象ってのは夢の中だと解釈すると全てが納得できる。発狂しそうな頭を冷やすため、まだここにいたいと言って2人を追い出し思考整理を始めた。
…起きたらこの教室、ゲームキャラの登場、追い出しイマココ。目覚める前はいつも通り自分の部屋で寝てた。あのプロローグのように誘拐とかされた覚えはない。才能なんて無くて、平々凡々な日々を過ごしてたはずだ。
ピロリン、と机から音がした。確認してみると、モノパッドが入っていた。画面に触れてみると見知らぬ名前があった。そうそう、私の名前は…なんだったっけ。どさくさに紛れて赤松さんと最原くんには名乗ってなかった。16人の名前はゲームでよく知っている。ということは、この見知らぬ名前はまさか、自分?いやいやいや。そんなことないって。だって顔が違うし、名前だって心当たりない…情報が足りないから教室を出よう。鏡を探しにトイレに向かう道中に白銀さんがいた。んー…これは、本当にゲームで見たことあるシチュエーションだな。でも自己紹介もろくにできない自分が関わるべきではないだろうと、スルーする。一階らしき場所。挙動不審にしてたせいか、天海くんと目が合う。にっこり愛想笑いを決めれば声をかけられてしまった。
「急に知らないところで目を覚ませば、いろいろ怖いっすよね。あ、俺は天海蘭太郎っていいます。怪しいやつじゃないんで、よろしくお願いします」
「あ、天海さんですね。よろしくお願いします。私は、…私はちょっと確認したいことがあって、この場を離れたく思っていまして…」
「すみません、途中からよく聞こえなくて、もう一度いいっすか?」
「〜わ、私っ自分の名前がわからないんで、自己紹介ができないです!すみません!!」
「…えっ、まじっすか?」
「すみません…ちょっと鏡を見れるとこで、自分が誰なのか、確認しに行く所だったんです…」
「それでわかるんすか?」
「モノパッドに、17人の生徒の容姿と名前と肩書きが載っていますよね。鏡に映る自分の顔と似ている人がこの学園にいなければ、それが私のはず…勝手ながら自力で思い出すまでは借りようとしているんです」
「そういうことなら、君に付き添いたいっす。無理にとは言わないんすけど、他人事とは思えなくてほっとけないんす」
「黒羽、黒羽緋色だ…」
「本物の黒羽さんが見つかるまで、私が本当の名前を思い出すまで、名前を借ります」
トイレを出て、天海と合流する。
「天海さんお待たせしました、私は超高校級の幸運の黒羽緋色…だと思われる人です。改めて、よろしくお願いします」
体育館に集合でモノクマの登場と共にコロシアイ生活開始する。赤松さんの心強い反論に一致団結な雰囲気になる。ついでに、ろくに挨拶できてなかった自分が百田の目に留まり、全員にの前で自己紹介する羽目になった。王馬くんがいるし、嘘はよくないかなって思い自分が認識している自分を控えめに紹介する。
現実逃避デスロードを終え、なんとなく、寄宿舎に向かう気になれず学園探索をしていた。デスロードで疲れたが、何かしてないとどうにも落ち着けない。眠れるように、もっと疲れてみようという魂胆である。正直な話、ただの現実逃避の一環だ。気になるのは図書室と女子トイレだが、…自分の目でこの学園を直接一通りみてみよう。新しい隠し通路とかみつかるかもしれないし。明日、夜時間では調べられない場所も念入りに調べてみよう。
「まずは二階かな」
調べる場所が少なそうな二階を教室1つ1つ調べる。机や椅子を弄っても特に変化はなさそうだ。どっちかの教室に記憶を弄るあれそれがあったと思ったんだけど…さっぱりだった。しかしオバケが出てきそうな廃墟だな…さっと終わらせて早く寄宿舎に帰ろう、と心を決めた。一階に降り、食堂に聞き耳を立ててみるが、物音1つしなかった。出入り禁止の理由、よくわかんないな…。次に調べた倉庫は広かった。すぐに砲丸に目が向かう。これの有無で1度目のコロシアイがなくなる保証なんてないか…。倉庫にあるものを半分くらい調べると飽きてきた。別のところを調べよう。購買部はごちゃごちゃして面倒な為放置してトイレを探ってみることにする。勿論、女子と男子の両方だ。まず探ってみた男子はまぁ、普通の男子トイレだった。掃除用具入れも異常は無い。多少荒らしてみたが、変化は無い。続けて女子トイレの方を調べる。いやな音が鳴り、掃除用具入れの壁であってほしいところに未知の空間が現れた。……一階の教室と地下が残ってるのでそっちを先に探索しよう…。一階の教室も、机や椅子をひっくり返せるだけひっくり返してみる。がノーリアクションだ。そういえば、と、通気口のようなところを思い出す。実はここになにか、…ないか。それでも入ることにした。埃と図書室っぽい、そんな空気に満たされた狭い通路は、当然のようにつっかえた。
そして気づいた。さがれない、と。
…誰の気配もない学園で、ひとり、引っかかったまま夜を明かす決意をした……
ガラガラと戸を引いた振動が通気口内部にいる私に直に届いて目を覚ました。まじで夜を明かしたらしい。反射的に、戸を開けた人へと声をかける。
「あ、あの、すみません、良ければ足を引っ張ってもらえないでしょうか!で、出られなくて…っ助けてください!」
「あ、分かりました。ちょっとだけ、失礼します」
天海くんの声だ。足首をぐいっと引っ張られて、なんとか出ることができた。
「んげほっげほ。天海さん、助けてくれてありがとうございます」
狭くて硬い場所にいたとわかっていたが、身体中が痛い。天海くんと赤松さんのふたりがいた。
「いえ、君を捜してたんで、無事でよかったっす」
「え、さがしてたんですか…?」
「そうだよ。朝食の時間になっても来ないからみんなで手分けしてさ。寄宿舎の部屋も無かったし、黒羽さんのこと誰も知らないし。心配したんだよ。でも…どうしてこんなところにいたの?」
「デスロードが終わってから、校舎の中に抜け道とかないかなって思いついて、解散してからずっと探してたんです。…結果は、このザマですね…ご心配おかけしました…」
…
「あ、そうそう黒羽さんお待たせしたね!」
「え、なんですか?!」
「ナニって?寄宿舎にキミの部屋だけなかったでしょ?だから大急ぎで寄宿舎に黒羽さんの部屋を作ったんだよ!オートロック式のセキリュティ万全の部屋をね!」
「は…?」
「ま、正確には超高校級の幸運の研究室なんだけどね!幸運は他の才能より結果を見せるのが難しいから、ボクからのサービスだよ!」
「サービスて……」
…
モノクマが破壊され、コロシアイがうやむやになったまま、解散になった。
寄宿舎裏にある超高校級の幸運の研究室は、いつかプレイしたゲームを思い出させる簡素な部屋だった。鉄板が打ち付けられた窓、堂々と存在する監視カメラとモニター。茫然と部屋に踏み入ると後ろからガチャリと重い音がなった。振り返り確認してみると、ドアの側にどっかで見たことある入力キーが存在していた。もちろん、内側からどうこうしようとしたが、無駄だった。
オートロックってそういうことなの!?監視カメラがあからさまにあって、万全のセキリュティっていうの!?
うんざりしながら、部屋の内装からして暗証番号がありそうなシャワールームにむかう。予想どおり部屋とシャワールームを隔てる扉は建て付けが悪く、少しずらしてみると簡単に開いた。シャワールームの壁には暗証番号らしき5桁の数字が血文字で描かれていた。水で流して消そうか悩んでいると、ただいま!という軽快な声で王馬が入室してきた。
「えっなんで、黒羽ちゃんがいるの?!この部屋はオレの研究室だよ。勝手に入らないでくれるかな?」
「へ?!あ、そうなんですか…すみません…」
「嘘だよ。もう、いくら悪趣味な部屋になってるからって自分の部屋をちゃんと認知しなよ…ていっても、さっき黒羽ちゃんの部屋に決まったんだっけ。オートロックなんだよね?これがロックされるって意味ならほんといい趣味してるね」
王馬くんは部屋とドアを確認してうんうんと状況を把握していく。
「王馬さん、さっき暗証番号らしきものを見つけたには見つけたので、多分もう出入りには不自由しませんよ」
「え〜、オレに今すぐ出てけってこと!?ひどいよ!」
「そ、そうじゃないんですけど…」
「そっかー黒羽ちゃんが出てってくれるんだね!」
「それも違いますよ!私は睡眠をとりたくて自室を確認しにきたんです!王馬さんはこの部屋を調べたり何かをしたいんですよね!でしたら、さっさと調べ終わって出てってください」
「えー、結局オレに出てけってこと確定なのかよ…総統のオレが自ら遊びに来てあげたのに追い出すんだ」
「う…うん…」
「いわれなくても、こんな部屋出てくから安心してよ。でも教室って生徒の共有財産めいたとこあるからいつ誰がこの教室に入ってぐっすり寝てる黒羽ちゃんに何かするかわからないよね…監視カメラが牽制として機能するか微妙だし、少なくとも安眠はできないだろうね」
「…心配してくれるんですか?」
「うん。モノクマが消えた今だけど、キミが被害者にならないかすーっごく心配なんだ!ホントだよ!」
「そんなにこやかに念押しまでされたら疑わざる得ないですね」
「あはは、人並みに疑心はあるんだね。もちろん心配なんて嘘だよ!ホントはこれからどうなるのか楽しみで仕方ないんだ。だからさ、オレとつまらなくないことしない?」
王馬くんと探索するはめになった。
別れた後思い出してみるとあれは深夜の行動の続きじみていた。通気口で夜を明かしたことを話したら昨日調べずにいた地下のゲームルームと図書室を探索していた。ちなみに図書室に入るとドミノ作りに夢中なって1日が終わった。そう、1日王馬くんと一緒にいたのだ。王馬くん暇じゃないだろうに、少し心配になった。私の方はお陰様で夜はぐっすりでしたとも。えぇ。あの最高セキュリティのある教室のベッドで意識失ってましたとも。
次の日モノクマは当たり前のような顔をして復活した。当然コロシアイは続行。
それでも私は、なんとなく上手くいくと思っていた。私の目の前で繰り広げられる出来事をどこか他人事 に思っていたからだ。
コロシアイを催促するBGMが学園中に響く中、天海くんの死亡を阻止すべく一直線に図書室へ駆ける。赤松さんと最原くんは私の行動を見てるだろうけど、関係ない。1日ふらついたがいくら考えたって解決策が浮かばなかった。ヤケクソではない、二次創作でよく見かけた犯行ギリギリ阻止からのモノクマに交渉作戦だ。正面から図書室に入る。天海くんはちょうど扉を開けていたようだ。
中から人が出てきたらどうするつもりだ、と内心呟いて天海くんの方へ向かう。
「黒羽さん…?どうして…?」
「天海くん!ひとまず隠し扉は閉めましょう!!話はそれからです!」
「ちょ、待ってください。」
「待ってたら危ないです!扉から離れてくださいおねがいします!大量のモノクマを図書室に放つつもりですか!」
ゴトリ、視界の端で凶器が落ちてきたが無視して扉を閉じることに成功し安堵する。そばにいる天海くんは
「そろそろ、どういうことなのか話して欲しいんすけど 」
怒ってる。隠し扉を背に警戒できつい視線を受ける。
「え、と。お落ち着いてください」
「俺は落ち着いてるんで。言い逃れはやめてほしいっす」
「黒羽さんと天海くん!?2人とも、どうして図書室にいるの?」
ひぃ、人が集まってきて状況がややこしいことになってる。うるさい催促BGMに焦りが増す。
みんながみんな疑ってて嫌な雰囲気だ。私はやけくそになりながら自白をする。
「私が図書室に来たのは、この怪しげな隠し扉があるから!そして、ここなら首謀者に交渉ができるんじゃないかなって閃いたからです!それ以外はノープランです!私以外の方が今この場に来た理由が知りたいです!」
あのゲームのキャラクターがこのシチュエーションでなぜ目の前に?更に混乱するが、こういった訳の分からなすぎる理解を超えた現象ってのは夢の中だと解釈すると全てが納得できる。発狂しそうな頭を冷やすため、まだここにいたいと言って2人を追い出し思考整理を始めた。
…起きたらこの教室、ゲームキャラの登場、追い出しイマココ。目覚める前はいつも通り自分の部屋で寝てた。あのプロローグのように誘拐とかされた覚えはない。才能なんて無くて、平々凡々な日々を過ごしてたはずだ。
ピロリン、と机から音がした。確認してみると、モノパッドが入っていた。画面に触れてみると見知らぬ名前があった。そうそう、私の名前は…なんだったっけ。どさくさに紛れて赤松さんと最原くんには名乗ってなかった。16人の名前はゲームでよく知っている。ということは、この見知らぬ名前はまさか、自分?いやいやいや。そんなことないって。だって顔が違うし、名前だって心当たりない…情報が足りないから教室を出よう。鏡を探しにトイレに向かう道中に白銀さんがいた。んー…これは、本当にゲームで見たことあるシチュエーションだな。でも自己紹介もろくにできない自分が関わるべきではないだろうと、スルーする。一階らしき場所。挙動不審にしてたせいか、天海くんと目が合う。にっこり愛想笑いを決めれば声をかけられてしまった。
「急に知らないところで目を覚ませば、いろいろ怖いっすよね。あ、俺は天海蘭太郎っていいます。怪しいやつじゃないんで、よろしくお願いします」
「あ、天海さんですね。よろしくお願いします。私は、…私はちょっと確認したいことがあって、この場を離れたく思っていまして…」
「すみません、途中からよく聞こえなくて、もう一度いいっすか?」
「〜わ、私っ自分の名前がわからないんで、自己紹介ができないです!すみません!!」
「…えっ、まじっすか?」
「すみません…ちょっと鏡を見れるとこで、自分が誰なのか、確認しに行く所だったんです…」
「それでわかるんすか?」
「モノパッドに、17人の生徒の容姿と名前と肩書きが載っていますよね。鏡に映る自分の顔と似ている人がこの学園にいなければ、それが私のはず…勝手ながら自力で思い出すまでは借りようとしているんです」
「そういうことなら、君に付き添いたいっす。無理にとは言わないんすけど、他人事とは思えなくてほっとけないんす」
「黒羽、黒羽緋色だ…」
「本物の黒羽さんが見つかるまで、私が本当の名前を思い出すまで、名前を借ります」
トイレを出て、天海と合流する。
「天海さんお待たせしました、私は超高校級の幸運の黒羽緋色…だと思われる人です。改めて、よろしくお願いします」
体育館に集合でモノクマの登場と共にコロシアイ生活開始する。赤松さんの心強い反論に一致団結な雰囲気になる。ついでに、ろくに挨拶できてなかった自分が百田の目に留まり、全員にの前で自己紹介する羽目になった。王馬くんがいるし、嘘はよくないかなって思い自分が認識している自分を控えめに紹介する。
現実逃避デスロードを終え、なんとなく、寄宿舎に向かう気になれず学園探索をしていた。デスロードで疲れたが、何かしてないとどうにも落ち着けない。眠れるように、もっと疲れてみようという魂胆である。正直な話、ただの現実逃避の一環だ。気になるのは図書室と女子トイレだが、…自分の目でこの学園を直接一通りみてみよう。新しい隠し通路とかみつかるかもしれないし。明日、夜時間では調べられない場所も念入りに調べてみよう。
「まずは二階かな」
調べる場所が少なそうな二階を教室1つ1つ調べる。机や椅子を弄っても特に変化はなさそうだ。どっちかの教室に記憶を弄るあれそれがあったと思ったんだけど…さっぱりだった。しかしオバケが出てきそうな廃墟だな…さっと終わらせて早く寄宿舎に帰ろう、と心を決めた。一階に降り、食堂に聞き耳を立ててみるが、物音1つしなかった。出入り禁止の理由、よくわかんないな…。次に調べた倉庫は広かった。すぐに砲丸に目が向かう。これの有無で1度目のコロシアイがなくなる保証なんてないか…。倉庫にあるものを半分くらい調べると飽きてきた。別のところを調べよう。購買部はごちゃごちゃして面倒な為放置してトイレを探ってみることにする。勿論、女子と男子の両方だ。まず探ってみた男子はまぁ、普通の男子トイレだった。掃除用具入れも異常は無い。多少荒らしてみたが、変化は無い。続けて女子トイレの方を調べる。いやな音が鳴り、掃除用具入れの壁であってほしいところに未知の空間が現れた。……一階の教室と地下が残ってるのでそっちを先に探索しよう…。一階の教室も、机や椅子をひっくり返せるだけひっくり返してみる。がノーリアクションだ。そういえば、と、通気口のようなところを思い出す。実はここになにか、…ないか。それでも入ることにした。埃と図書室っぽい、そんな空気に満たされた狭い通路は、当然のようにつっかえた。
そして気づいた。さがれない、と。
…誰の気配もない学園で、ひとり、引っかかったまま夜を明かす決意をした……
ガラガラと戸を引いた振動が通気口内部にいる私に直に届いて目を覚ました。まじで夜を明かしたらしい。反射的に、戸を開けた人へと声をかける。
「あ、あの、すみません、良ければ足を引っ張ってもらえないでしょうか!で、出られなくて…っ助けてください!」
「あ、分かりました。ちょっとだけ、失礼します」
天海くんの声だ。足首をぐいっと引っ張られて、なんとか出ることができた。
「んげほっげほ。天海さん、助けてくれてありがとうございます」
狭くて硬い場所にいたとわかっていたが、身体中が痛い。天海くんと赤松さんのふたりがいた。
「いえ、君を捜してたんで、無事でよかったっす」
「え、さがしてたんですか…?」
「そうだよ。朝食の時間になっても来ないからみんなで手分けしてさ。寄宿舎の部屋も無かったし、黒羽さんのこと誰も知らないし。心配したんだよ。でも…どうしてこんなところにいたの?」
「デスロードが終わってから、校舎の中に抜け道とかないかなって思いついて、解散してからずっと探してたんです。…結果は、このザマですね…ご心配おかけしました…」
…
「あ、そうそう黒羽さんお待たせしたね!」
「え、なんですか?!」
「ナニって?寄宿舎にキミの部屋だけなかったでしょ?だから大急ぎで寄宿舎に黒羽さんの部屋を作ったんだよ!オートロック式のセキリュティ万全の部屋をね!」
「は…?」
「ま、正確には超高校級の幸運の研究室なんだけどね!幸運は他の才能より結果を見せるのが難しいから、ボクからのサービスだよ!」
「サービスて……」
…
モノクマが破壊され、コロシアイがうやむやになったまま、解散になった。
寄宿舎裏にある超高校級の幸運の研究室は、いつかプレイしたゲームを思い出させる簡素な部屋だった。鉄板が打ち付けられた窓、堂々と存在する監視カメラとモニター。茫然と部屋に踏み入ると後ろからガチャリと重い音がなった。振り返り確認してみると、ドアの側にどっかで見たことある入力キーが存在していた。もちろん、内側からどうこうしようとしたが、無駄だった。
オートロックってそういうことなの!?監視カメラがあからさまにあって、万全のセキリュティっていうの!?
うんざりしながら、部屋の内装からして暗証番号がありそうなシャワールームにむかう。予想どおり部屋とシャワールームを隔てる扉は建て付けが悪く、少しずらしてみると簡単に開いた。シャワールームの壁には暗証番号らしき5桁の数字が血文字で描かれていた。水で流して消そうか悩んでいると、ただいま!という軽快な声で王馬が入室してきた。
「えっなんで、黒羽ちゃんがいるの?!この部屋はオレの研究室だよ。勝手に入らないでくれるかな?」
「へ?!あ、そうなんですか…すみません…」
「嘘だよ。もう、いくら悪趣味な部屋になってるからって自分の部屋をちゃんと認知しなよ…ていっても、さっき黒羽ちゃんの部屋に決まったんだっけ。オートロックなんだよね?これがロックされるって意味ならほんといい趣味してるね」
王馬くんは部屋とドアを確認してうんうんと状況を把握していく。
「王馬さん、さっき暗証番号らしきものを見つけたには見つけたので、多分もう出入りには不自由しませんよ」
「え〜、オレに今すぐ出てけってこと!?ひどいよ!」
「そ、そうじゃないんですけど…」
「そっかー黒羽ちゃんが出てってくれるんだね!」
「それも違いますよ!私は睡眠をとりたくて自室を確認しにきたんです!王馬さんはこの部屋を調べたり何かをしたいんですよね!でしたら、さっさと調べ終わって出てってください」
「えー、結局オレに出てけってこと確定なのかよ…総統のオレが自ら遊びに来てあげたのに追い出すんだ」
「う…うん…」
「いわれなくても、こんな部屋出てくから安心してよ。でも教室って生徒の共有財産めいたとこあるからいつ誰がこの教室に入ってぐっすり寝てる黒羽ちゃんに何かするかわからないよね…監視カメラが牽制として機能するか微妙だし、少なくとも安眠はできないだろうね」
「…心配してくれるんですか?」
「うん。モノクマが消えた今だけど、キミが被害者にならないかすーっごく心配なんだ!ホントだよ!」
「そんなにこやかに念押しまでされたら疑わざる得ないですね」
「あはは、人並みに疑心はあるんだね。もちろん心配なんて嘘だよ!ホントはこれからどうなるのか楽しみで仕方ないんだ。だからさ、オレとつまらなくないことしない?」
王馬くんと探索するはめになった。
別れた後思い出してみるとあれは深夜の行動の続きじみていた。通気口で夜を明かしたことを話したら昨日調べずにいた地下のゲームルームと図書室を探索していた。ちなみに図書室に入るとドミノ作りに夢中なって1日が終わった。そう、1日王馬くんと一緒にいたのだ。王馬くん暇じゃないだろうに、少し心配になった。私の方はお陰様で夜はぐっすりでしたとも。えぇ。あの最高セキュリティのある教室のベッドで意識失ってましたとも。
次の日モノクマは当たり前のような顔をして復活した。当然コロシアイは続行。
それでも私は、なんとなく上手くいくと思っていた。私の目の前で繰り広げられる出来事をどこか
コロシアイを催促するBGMが学園中に響く中、天海くんの死亡を阻止すべく一直線に図書室へ駆ける。赤松さんと最原くんは私の行動を見てるだろうけど、関係ない。1日ふらついたがいくら考えたって解決策が浮かばなかった。ヤケクソではない、二次創作でよく見かけた犯行ギリギリ阻止からのモノクマに交渉作戦だ。正面から図書室に入る。天海くんはちょうど扉を開けていたようだ。
中から人が出てきたらどうするつもりだ、と内心呟いて天海くんの方へ向かう。
「黒羽さん…?どうして…?」
「天海くん!ひとまず隠し扉は閉めましょう!!話はそれからです!」
「ちょ、待ってください。」
「待ってたら危ないです!扉から離れてくださいおねがいします!大量のモノクマを図書室に放つつもりですか!」
ゴトリ、視界の端で凶器が落ちてきたが無視して扉を閉じることに成功し安堵する。そばにいる天海くんは
「そろそろ、どういうことなのか話して欲しいんすけど 」
怒ってる。隠し扉を背に警戒できつい視線を受ける。
「え、と。お落ち着いてください」
「俺は落ち着いてるんで。言い逃れはやめてほしいっす」
「黒羽さんと天海くん!?2人とも、どうして図書室にいるの?」
ひぃ、人が集まってきて状況がややこしいことになってる。うるさい催促BGMに焦りが増す。
みんながみんな疑ってて嫌な雰囲気だ。私はやけくそになりながら自白をする。
「私が図書室に来たのは、この怪しげな隠し扉があるから!そして、ここなら首謀者に交渉ができるんじゃないかなって閃いたからです!それ以外はノープランです!私以外の方が今この場に来た理由が知りたいです!」