番外編
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●目覚め
(霊術院時代)
「ねぇ芙蓉。相談したいことがあるんだけどいいかな。」
芙蓉は快く承諾した。
美桜は銀琉を見た後、ちょっと気まずそうに言った。
「女の子同士で話したいんだけど....」
銀琉は笑いながら、席を立ちどこかへ消えた。
「私に相談したいことって何かしら。」
美桜は勇気を振り絞るように両手の拳を握った。
「あのね、最近胸が大きくなってきて....。激しく動くと揺れて気が散るの....」
まさか主人の口からそんな言葉が出ると思わなかった芙蓉は、声をあげて笑った。
「ふふふ!それは銀琉に聞かれたくないわね!」
「で、何か良い方法ある?未来で便利な物あったりする?」
芙蓉は過去と未来を自由に行き来することができる。その芙蓉に、美桜は未来で胸の揺れを防ぐ物はないか、と聞いているのである。
何とも情けない話だ。少なくとも己の斬魄刀に話すことではない。
しかし、美桜は真剣だった。
芙蓉は美桜の真剣な眼差しをジッと見た後、記憶を漁るように上を見た。
「んー、あるわよ。でもちょっと行くのが大変かもね。」
「芙蓉でも大変なの?」
「私一人の力だけじゃなくて、銀琉の力も必要なのよ。」
美桜は芙蓉の言っている意味を考えた。
芙蓉は過去と未来を自由に行き来できる。その芙蓉一人ではできず、銀琉の力が必要だと言うことは、そこに空間をまたぐ必要があるということだ。
いくら異空間だとはいえ、過去に良い物があるとは思えない。ということは、未来の異空間にお目当てのものがあるということだ。
美桜は答え合わせをした。
「ってことは、未来の軸の、別の空間に良いものがあるってこと?」
芙蓉は満足そうに頷いた。
「正解よ。でもまだ美桜を連れて行くことは出来ないから、私と銀琉で取ってくるわ。大丈夫、私もそれ使ってるから性能は保証するわ。」
美桜は解決の糸口が見つかり、前のめりになった。
「じゃあ!「でもその前に、下準備が必要よ。」」
興奮した美桜を遮るように芙蓉が言う。
「大きさが色々あってね。それがわからないと選びようがないわ。だからそれ、測らせて頂戴。」
芙蓉はそれ、と言って美桜の胸を指さす。
「え、、、」
にっこりと笑った芙蓉に、美桜は汗がこめかみをつたったのがわかった。
身体の隅々まで測られぐったりした美桜を横目に、芙蓉は銀琉を呼んだ。
「あなた、美桜がどうしても欲しいものがあるんですって。だから私と一緒に、未来の現世に行ってほしいの。」
「別に良いけど、それはさっきの相談の件かい?」
「そうよ。銀琉には知られたくないみたいだから、私を送ってくれるだけでいいわ。」
銀琉は「ふむ」と顎に手を当てた後、承諾した。
「なるほど、事情は分かった。美桜、霊圧をごっそりもらってもいいかい?」
先程よりかは回復した美桜が頷く。
「もちろん!だって私の頼みなんだもん。いっぱいもらっていいよ。」
銀琉は「じゃあ遠慮なく」と美桜の膨大な霊圧のうち、半分以上を取って芙蓉と消えた。
数時間後。芙蓉と銀琉が帰ってきた。
銀琉は空気を読んですぐにどこかへ消え、芙蓉はうきうきした様子だった。
「持ってきたわよ!!これよ!!」
芙蓉は手に持っていた紙袋から、大量の下着を取り出した。色とりどりのそれらは、上下でセットになっているようだった。
初めて見るそれに、美桜は驚きを隠せなかった。
「これはね、ブラジャーって言うのよ」
「ぶらじゃー??」
胸当てのことよ、と一枚持ち上げて言った。
「じゃあ早速つけてみましょうか!!」
手をわきわきさせながら近付いてくる芙蓉から逃れる術はなかった。
ブラジャーを正しく試着した美桜は、その快適さに感動した。その場で跳んだりしてみるが、胸がほとんど揺れないのである。
芙蓉は嬉しそうな美桜を見て、片目をつぶりながら言った。
「これであの金髪の彼もイチコロね!!」
美桜は金髪の彼、が誰を指すか一瞬で理解し、顔を赤くしながら否定した。
「真子君とはまだそんなんじゃないから!!」
芙蓉は、美桜が"まだ"と言っていることに気付いたが、あえて指摘しないでおいた。
+ + +
脱衣所で美桜が服を脱いでいると、リサが何かに気づいたように美桜の胸元を見た。
「なんやそれ....。」
「ん?あ、これ?これはブラジャーって言ってね、胸が揺れるのを防いでくれるの!斬魄刀の力で未来から取ってきてもらったんだ♪」
ブラジャーが快適すぎて気に入った美桜は、るんるんと言った。
だが、リサが言いたいのはどこで手に入れたかではないらしい。
「そんなことどうでもええねん!なんでそないえろいのかって聞いてんねんっ!!!元々えろい身体やったけど、なんでこんなえろく見えるんやっ!!!隠されとるからかっ!?こないえろい下着に隠されとるからえろく見えんのかっ!?」
「え??えぇっ??」
リサは興奮して叫びながらブラジャーを観察する。美桜は想像と違うリサの反応に戸惑いを隠せなかった。
その日、美桜によってリサが新たな扉を開けてしまったのであった。
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