snow white
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爆音と振動が続く中、綱吉と連絡をとっていたであろうビアンキが白雪を振り返る。
「随分大事に思われてるわ。」
「え?」
ビアンキの状況にそぐわない言葉と表情に白雪は戸惑う。白雪を支えてくれている骸はクフフ、と小さく笑った。白雪は骸に視線を向け、視線で説明を求める。
「もう到着したようですよ、ボンゴレの守護者たちが。」
気配で全てを察していた骸は、気に食わない人物も来てますね、と白雪の肩を叩いた。しかし、段々と爆音がこちらに近づいてくるのを感じる。そこに銃声も重なっているのがわかった。初めて聞く音に白雪は小さく身を震わせた。いつも自分の兄はこの状況に身を置き、なおかつ自分を守ってくれていたのか。
一番近くで爆音が轟いた時、店内に小さい子を抱えた女性が駆け込んできた。腕から血を流している彼女を見て白雪は駆け寄った。大丈夫ですか、と声をかけようとしたその時、女性の背後で男が歩いてくるのに気が付いた。父親かと一瞬思考を巡らせる。その男と、目線が合った。いや、男は白雪を見ていない。目の前の女性を見ているのだ。にたりと下品な笑みを浮かべて、銃口を女性に向けた。この男が、傷つけている。
骸が白雪を庇うために一歩踏み出そうとしたその瞬間、白雪の中で何かが燃えるような、弾けるような感覚が駆け巡った。
「その銃をおろしなさい!!」
気が付けば、白雪は男に向かって叫んでいた。男は白雪を驚きの目で見た後、びくり、と身体を硬直させた。そしてふっと拳銃を下ろす。非力な者の命を簡単に奪おうとする野蛮な輩に、ボンゴレは負けてはいけない。身を焦がすような怒りに反応するかのように白雪の目が紅く光った。
「銃を棄て、跪いて下さい。」
凛とした声が響く。男は虚ろな目で白雪を見つめながら頷くと、銃を投げ棄て、跪いた。予想外の展開に動けずにいた骸は、男が跪いたのを見て我に戻り、素早く移動し男を拘束した。動きだした骸を見たビアンキも、白雪の元へ駆け寄る。
「白雪、」
ビアンキが声をかけた瞬間、白雪の身体が傾いた。倒れ込んできた身体をビアンキが受け止める。男を拘束し、女性の無事を確認した骸は、ビアンキに倒れ込む白雪をそっと抱えた。
「これは、一体・・・。」
ビアンキが白雪を見つめ、ぼそりと呟く。骸は首を横に振った。
気が付けば、爆音と銃声はどこからも聞こえなくなっていた。
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