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入学式から数ヵ月が経った。
白雪は去年から頻回に綱吉が怪我をして帰ってくることに疑問を抱いていた。傷だらけで意識を失って自宅に担ぎ込まれた回数は数えきれない。しかし、綱吉の「聞いてくれるな」という雰囲気を感じ取り、知らぬ振りをしていた白雪は、綱吉自身の口から事実を告げられた。
白雪を引き取ってくれた家光もただならぬ存在ではあったが、まさか自分の兄がマフィアの10代目とは。
1年前の地に足がつかないような雰囲気が変わり、たまに難しい表情もするようになった綱吉ではあるが、自分に対して変わらぬ笑顔を向けてくれている。血の繋がりはないとはいえ、綱吉は白雪のたったひとりの兄である。恐れは全くなかった。
「明日は白雪の誕生日だね。」
夕食後。綱吉はソファーでテレビを見ていた白雪に声をかけ、隣に座った。
「覚えててくれたの?てっきり忘れてるのかと。」
「頭は悪いけど、さすがに妹の誕生日は忘れないよ・・・。」
白雪がからかうと、綱吉は頭を掻きながら苦笑した。明日は白雪の13歳の誕生日であり、学校も休みである。そのため、顔見知りを集めての誕生日パーティーを行う予定だ。
「パーティーだなんて、なんだか照れくさいね。」
白雪は隠すように少し赤らんだ顔をクッションにぼふんと埋めたそんな白雪の頭を綱吉は微笑みながら優しく撫でる。
「山本も、獄寺君も来てくれるって。ハルと京子ちゃんとビアンキは何かはりきってたよ。」
「楽しみ!今日眠れるかな。」
聞き親しんだ名前に、クッションから顔をあげた白雪の頬が綻ぶまるで遠足前の小学生のような悩みを呟く白雪に、綱吉は思わず笑った。
「主役はゆっくりお風呂に入って、明日に備えてちゃんと寝ないと。」
「そうだね!そうする!!」
綱吉の言葉に白雪は勢いよく立ち上がった。浴室へと向かう白雪に綱吉は手を振る。
「じゃあ、ちょっと早いけど、おやすみお兄ちゃん!」
「おやすみ、白雪」
次の日。
予定通り白雪は13歳の誕生日を迎えた。昼過ぎになっても起きてこない白雪を心配し、白雪の部屋にハルと京子が起こしに入った。そこには、ベッドの上で規則正しい呼吸を繰り返し眠る白雪の姿。しかし、誰に声をかけられようと、例え激しく揺さぶられようと、白雪は目を覚まさない。
白雪はこの日から、深く眠り続けた。