snow white
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綱吉を起こすというミッションを遂行できた白雪は、軽快なステップで階段を降りるとリビングに入る。
「おはよう、白雪ちゃん。」
「おはよう、ママ!」
リビングのドアを開けると朝食の香りと奈々の笑顔が迎えてくれた。白雪は劣らないほどの笑顔を返して、朝食の用意されたテーブルについた。
「白雪ちゃんももう中学生ね。早いわぁ~!」
奈々は紅茶の入ったカップを持ち、白雪の前の席に座った。白雪は頷きながら答える。
「私もそう思う。この間まであの棚の一番下にも手が届かなかったのに。」
白雪は、自分の身長よりも格段に大きかった食器棚を懐かしそうに見つめた。3歳の頃に沢田家で過ごすようになった白雪は、3歳より前の記憶がない。その頃の記憶などあってないようなものではあるが、両親の顔や声すら白雪にはわからない。3歳以前の繋がりをもつのは「snow white」と刻まれたシルバーリングだけだったが、白雪が思い出せる一番古い記憶は、兄の綱吉と今見つめる先にある食器棚に悪戯をした時の記憶。そのリングが誰からの物で何の意味を持つのかは、白雪には分からないままだった。
「おはよ~」
「ママン、いつものを煎れてくれ」
昔話を思い出していると、眠たげな声の綱吉とリボーンがリビングに入ってきた。
「あれ、白雪まだ学校行ってないの?」
「お兄ちゃん待ってたんだけど?」
綱吉のつれない一言に白雪は頬を膨らませる。綱吉は慌ててごめん、と謝ると席について朝食を食べ始める。白雪はあと一口残ったパンを口にいれて考える。このまま綱吉を待つとなると集合時間に間に合わないかもしれない。
「お兄ちゃん、遅れちゃうかもしれないから先に行くね。」
「ほひぇん~~~!!」
急いで食べながら涙目になっている綱吉に白雪はにこりと微笑み、鞄を手に取った。玄関に向かい、用意してあったサイズぴったりの新しい靴を履く。
これから、中学生活の始まり。
白雪は軽やかな気持ちで玄関のドアを開け、外に出た。