SHORT KAZUNARI MIYOSHI
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今から行くよ、とLIMEをしたけれど比較的返信の早い君なら返信がなくて、オレは頭を捻った。寝てるか、課題やってるか、それとも?
「……鍵開いてるし」
女の子なんだから、とかはあんまり言いたくないけどやっぱり女の子なんだし、もうちょい用心してほしい。オレがいたら何かしら守ってあげられるかもしれないけど、一人のときに何かあったらどうするつもりなんだろう(劇団に運動神経おばけがゴロゴロいる以上、オレがあまり役に立つとは思えないけど)。
周りを気にしつつ中を覗き込んで、するりと玄関口から声をかけた。間延びした返事が聞こえてきて、なんだいるのかと肩の力が抜けた。あぁ、でもあの声は。
「LIME見た?」
「見たかも」
「寂しーじゃん、既読くらいつけてよー」
彼女はへらりと笑いながらオレに向かって手招きした。隣に座ると既に力の抜けきった体が倒れてきて、慌てて腕を差し出して受け止めた。この子が好きなチューハイが既に一缶空になっている。
「あのさ、あの子知ってる?」
「あの子?」
「赤メッシュの女の子」
「あぁ」
それは同じ学科の友達のことだった。すごく仲がいいってわけじゃなかったけど、何かあれば喋るくらいの仲の子だ。キリッとした目元が特徴の、何だか変な絵を描く子だ。
「あの子がさ、かずのこと好きなんだって」
「は?」
「今日、天美の前で待ってたら話しかけられた」
この子と付き合ってることは、あまり大々的にしていない。彼女がいるってことはみんな知ってるけど、それが違う大学のこの子だと知っているのはよっぽど仲が良い友達くらいだ。大学が違うから大学内でもちろん一緒にいることはないし、そうじゃなくてもしゃべる女の子はクラスメイトなりなんなりたくさんいる。
でも、赤メッシュの彼女は違う。前に二人でいるときにばったり会って、直接二人は話はしなかったけど赤メッシュの彼女はちゃんとこの子のことを覚えていたらしい。
「……だから、言ってやろうかと思った。ばーかって」
「ばーか?」
「そう。かずのこと好きなのは私なんだーって」
気だる気な口調も相まってだいぶ可愛い感じになってる罵倒に、オレはくすりと笑った。そっかー、オレのこと好きなのかー。
なんだか背中がむず痒くて、両腕を広げて正面から小さな体を抱きしめた。
「んー、オレも大好き」
「知ってる」
「ちょっとくらい照れてくれてもよくない?」
照れ隠しにそっぽを向くこの子が可愛い。好きだ。偶然を装って唇を触れ合わせてみたら泣きそうな笑顔を作ってたから、キスはやめて抱きしめるだけにした。普段たまにしか飲まないお酒を飲んじゃうくらいびっくりしちゃったみたいだ。
映画を見ようとか、どこかに食べに行こうかとか考えてたけど、今日は君を抱きしめてゆっくり眠るだけにしよう。
「……鍵開いてるし」
女の子なんだから、とかはあんまり言いたくないけどやっぱり女の子なんだし、もうちょい用心してほしい。オレがいたら何かしら守ってあげられるかもしれないけど、一人のときに何かあったらどうするつもりなんだろう(劇団に運動神経おばけがゴロゴロいる以上、オレがあまり役に立つとは思えないけど)。
周りを気にしつつ中を覗き込んで、するりと玄関口から声をかけた。間延びした返事が聞こえてきて、なんだいるのかと肩の力が抜けた。あぁ、でもあの声は。
「LIME見た?」
「見たかも」
「寂しーじゃん、既読くらいつけてよー」
彼女はへらりと笑いながらオレに向かって手招きした。隣に座ると既に力の抜けきった体が倒れてきて、慌てて腕を差し出して受け止めた。この子が好きなチューハイが既に一缶空になっている。
「あのさ、あの子知ってる?」
「あの子?」
「赤メッシュの女の子」
「あぁ」
それは同じ学科の友達のことだった。すごく仲がいいってわけじゃなかったけど、何かあれば喋るくらいの仲の子だ。キリッとした目元が特徴の、何だか変な絵を描く子だ。
「あの子がさ、かずのこと好きなんだって」
「は?」
「今日、天美の前で待ってたら話しかけられた」
この子と付き合ってることは、あまり大々的にしていない。彼女がいるってことはみんな知ってるけど、それが違う大学のこの子だと知っているのはよっぽど仲が良い友達くらいだ。大学が違うから大学内でもちろん一緒にいることはないし、そうじゃなくてもしゃべる女の子はクラスメイトなりなんなりたくさんいる。
でも、赤メッシュの彼女は違う。前に二人でいるときにばったり会って、直接二人は話はしなかったけど赤メッシュの彼女はちゃんとこの子のことを覚えていたらしい。
「……だから、言ってやろうかと思った。ばーかって」
「ばーか?」
「そう。かずのこと好きなのは私なんだーって」
気だる気な口調も相まってだいぶ可愛い感じになってる罵倒に、オレはくすりと笑った。そっかー、オレのこと好きなのかー。
なんだか背中がむず痒くて、両腕を広げて正面から小さな体を抱きしめた。
「んー、オレも大好き」
「知ってる」
「ちょっとくらい照れてくれてもよくない?」
照れ隠しにそっぽを向くこの子が可愛い。好きだ。偶然を装って唇を触れ合わせてみたら泣きそうな笑顔を作ってたから、キスはやめて抱きしめるだけにした。普段たまにしか飲まないお酒を飲んじゃうくらいびっくりしちゃったみたいだ。
映画を見ようとか、どこかに食べに行こうかとか考えてたけど、今日は君を抱きしめてゆっくり眠るだけにしよう。