SHORT SAKUYA SAKUMA
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待ち合わせって、妙にどきどきする。
オレはスマホを握りしめて駅前で頻繁に周りを見渡した。……あの子は今日は大学が遅くまであるから、大学を出るときに電話をくれるって言ってたのに。もしかしたら早く会えちゃうんじゃないかって、ありもしない期待に胸を躍らせる。
スマホが突然震えだして、オレは驚いて一度スマホを取り落とした。君の名前が表示された画面を拾い上げる。もう少しで会えるんだ。
「もしもし、お疲れさま」
落ち着いた声を出そうと努めたけど、やっぱりちょっとはしゃいだ声が出た。大学の喧騒だろうか、オレの知らない生活音が聞こえる。
「……あ、お疲れ。咲也」
ようやく聞こえた彼女の声も、何だかいつもとは違っていた。無理矢理明るい声を出しているような、でも沈んだ気持ちが隠しきれていないような。
「どうしたの?」
「うーん。今日、ちょっと失敗続きだった」
「そっかあ」
「……だから、今日、会ってもあんまり楽しくないかも。来てもらっといて、悪いんだけど」
オレは電話口で「え」と声を出してしまって、慌てて口元を抑えた。オレはそれでもいいけど、いやちょっと違うな。君が落ち込んでいるなら、尚更会いたい。
オレはくるりときびすを返して、さっき歩いてきた駅からの道をもう一度辿りはじめた。君が電車に乗ってしまう前に、この駅とは逆の家に帰ってしまう前に。急げ。
「ねえ、駅の近くに小さなカフェがあるんだよね? 綴くんが言ってたよ」
「皆木さん?」
「そこに入って待ってて。すぐに行くから」
「……あの、咲也?」
オレは改札に向かっていよいよ走り出しながら、ICカードを探した。あれ、どこにやったかな。一刻も早く、あの子に会いに行かなくちゃいけないんだ。
君がオレに会いに来られないと言うのなら、オレが君に会いに行く。
だから待ってて、少しだけ!
オレはスマホを握りしめて駅前で頻繁に周りを見渡した。……あの子は今日は大学が遅くまであるから、大学を出るときに電話をくれるって言ってたのに。もしかしたら早く会えちゃうんじゃないかって、ありもしない期待に胸を躍らせる。
スマホが突然震えだして、オレは驚いて一度スマホを取り落とした。君の名前が表示された画面を拾い上げる。もう少しで会えるんだ。
「もしもし、お疲れさま」
落ち着いた声を出そうと努めたけど、やっぱりちょっとはしゃいだ声が出た。大学の喧騒だろうか、オレの知らない生活音が聞こえる。
「……あ、お疲れ。咲也」
ようやく聞こえた彼女の声も、何だかいつもとは違っていた。無理矢理明るい声を出しているような、でも沈んだ気持ちが隠しきれていないような。
「どうしたの?」
「うーん。今日、ちょっと失敗続きだった」
「そっかあ」
「……だから、今日、会ってもあんまり楽しくないかも。来てもらっといて、悪いんだけど」
オレは電話口で「え」と声を出してしまって、慌てて口元を抑えた。オレはそれでもいいけど、いやちょっと違うな。君が落ち込んでいるなら、尚更会いたい。
オレはくるりときびすを返して、さっき歩いてきた駅からの道をもう一度辿りはじめた。君が電車に乗ってしまう前に、この駅とは逆の家に帰ってしまう前に。急げ。
「ねえ、駅の近くに小さなカフェがあるんだよね? 綴くんが言ってたよ」
「皆木さん?」
「そこに入って待ってて。すぐに行くから」
「……あの、咲也?」
オレは改札に向かっていよいよ走り出しながら、ICカードを探した。あれ、どこにやったかな。一刻も早く、あの子に会いに行かなくちゃいけないんだ。
君がオレに会いに来られないと言うのなら、オレが君に会いに行く。
だから待ってて、少しだけ!