#Bプロプラス(だいたい)
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あつうい、と嘆く君はその割に外に出るのが好きだ。暑いアスファルトの上を跳ねるように隣を歩く君は、太陽の力でするりと溶けてしまいそうだ。「ちょっと」「……ごめん」ちゅ、と密かに首筋に寄せた唇は、汗の味で少ししょっぱいくらい。#Bプロプラス 溶けてしまうくらいなら、俺が食べてあげる。
明日遊びに行くんでしょ。うんでも寝れないの。君が嬉しそうに俺の手で遊ぶから、俺も胸が熱くなった。俺と遊びに行くの、こんなに楽しみにしてくれるんだ。和南、と呼ぶ声が優しくて、眠たそうで。明日は最高の一日にしてみせるから、そろそろ目を閉じて。#Bプロプラス 早く明日になればいいのにね。
君が眠っていることを確認してベッドに腰掛ければ、聞こえる寝息に笑みが溢れた。無防備なその姿、見せるのは俺だけにしてね。「かずなおかえり、」「ただいま」ふと目覚めた君が腰掛けた膝に頭を乗せ、再び夢の中へ。……困ったな、これじゃあ動けそうにないけど。#Bプロプラス こんなにも、幸せだ。
「夏ですねえ」「そうだねえ」だらだらと課題をこなす為に通話をつなぐ僕らは、ただの友達で。「夏のご予定は?」「バイト」「僕もです」「いや仕事だろ」からからと笑う声が耳に心地よくて、いつまでも聞いていたくて。#Bプロプラス いつまで課題を口実にすればいいだろう。本当は、用がなくても。
「花火は?」「さあ?」車の座席を倒されたときが運のつきだったのだ。せっかく髪もセットして可愛い簪をさしていたのに。「花火より、貴女の方が魅力的だったので」そりゃどうも、抜かれた簪にはらりと落ちる髪、そして妖しく笑う帝人。きっと今日は、花火を見ることなんてないんだろう。#Bプロプラス
テスト後のオール。お題ゲームで釈村が引き当てた「好きな人」という文言にみんな少し動揺した。聞いてもいいものなのだろうか。「そうですねぇ」釈村はニコリと笑うと「今のこの場にいらっしゃいます」みんながどよめく中、私はうまく笑えていただろうか。重ねられたのは釈村の掌。#Bプロプラス
「あのとき、気づいてましたよね」「うっ」朝焼けの中の帰り道。釈村は私の手を今度こそ取った。「徹夜明けなんだけど」「えぇ」「アイドルと恋愛なんて」「僕がしくじるとでも?」「……ほんとに、いいの」「僕の心を奪った責任を取ってもらいましょうか」あぁもう負けだ。君にときめいた私の負け。
「まだ寝ないのか」「ちょっとねー」そうか、とモモは部屋を出て行った。よろしいよろしい。と思っているとモモは大量の台本を持って向かいに座る。「寝ないの?」「アンタがいないと寝れない」それは大袈裟じゃ、なんて思うけど。「あと30分」「あぁ」#Bプロプラス ちょっとだけ、お待たせします。
「まだ寝ないんです?」「帝人だって、これから深夜枠見るでしょ?」「ええそれはもちろん」ベッドで寝かしつけられてもふと君がいないのが淋しくて、こうして夜更かしを決め込む私。「もしよければ、膝をお貸ししますよ」私の思惑に気づいているか否か、膝を叩く君はいつも一歩上手で。#Bプロプラス
「好きって言ってください」「何を言ってる?」付き合ってない人からそんなことを言われて当然の反応だと思う。許してほしい。「言われたいんですもん」「もんじゃなくて」釈村はすっと目を細めて妖艶に微笑むと、「だって、好きですから」#Bプロプラス 信じられないな。だって、私のほうが好きだし。
頻繁に二人で飯に行く。洒落たカフェなんか、二人の行き先には出てこない。「龍広はいい彼氏になるねぇ」氷の音を鳴らしながらけらけら笑うお前のことを、俺はいつから好きだったのだろう。「お前の彼氏なら、いい」「え」「……恋人と呼ばせてほしい」#Bプロプラス きっとそれは、出会ったときから。
「一曲お相手願えますか」「……ええ」和南の手を取ればぐいと引き寄せられて顔が近づいた。ドレスもないし、お城でもないし。部屋着で曲といえば雨音のリズムだけど。「俺だけのお姫さまになってくれる?」確かに彼は私を攫いに来た王子さまで、私は退屈な毎日に疲れた姫だった。#Bプロプラス
夏祭りに行ってみたい。金魚すくいとりんご飴と、憧れはたくさんある。『もし、よかったら』電話越しの和南が少しためらったかと思えば『俺と行かない?お祭り』いいの?と思わず聞き返せば『一緒に行こう。絶対楽しいよ」#Bプロプラス 食い気味の言葉に笑いだせば、電話の向こうからも同じ笑い声。
【準備はいい?】会場に入って、ほっと一息ついたときに受信したメッセージに、急かされるような高揚感を覚えた。こんなときまでJOINなんかしてていいのかな。私は右耳のピアスをいじりながら返事を考えた。もうスマホは見てないかもしれないけれど。#Bプロプラス【期待してる!】
密かに鳴らしたアラームで目を覚ましたとき、彼女はまだぐっすりと眠っていて。仕事に行かなければ、と名残惜しくも抱きしめていた彼女の体をきちんと布団に横たえた。(ニ限までに起きられるかどうか、心配ですね)平日に無理をさせたことへのお詫びに、そっと唇を重ねて。#Bプロプラス
「ここ、いい?」学食で見かける釈村はいつも一人で、別に同情じゃないけれど何となく向かいに座ってみた。「来週の課題やった?」「まだ半分ほどです」「半分やったんだ」話しかける度に釈村が嬉しそうにするから、立場とかあるんだろうけどやっぱり一人は寂しいのかな、なんて。#Bプロプラス
「次はどこなんですか?」「本館」「じゃあそこまで一緒に行きましょう」と言うから釈村も本館なんだと思ったら、奴は教室の前まで私を送り届けて颯爽と引き返していった。前に次のコマはここから一番遠い建物だと聞いたと言い私を冷やかす友達に向かい、私はまさかと首を振るのだった。
「貴女は次もあるんですよね」三限が終わり、僕は帰り支度、貴女は次へ。今日は仕事がないのに、このまま別れるのはもったいないから。「あの、もしよければ、」「待っててもいいよ。それても一緒に来る?」「……へ」分かんないかもだけど、と言う貴女は、僕と同じ気持ちなんだろうか。#Bプロプラス
「ありがとう」「うん」早朝ロケのときも一緒に起きてお弁当まで用意してくれる君は、まだちょっと眠そうだ。「お土産買ってくるね」「いいよそんなの」じゃあ、と腰を引き寄せて唇を重ねた。「いってらっしゃい、和南」#Bプロプラス 柔らかく微笑む君を見て、今日も頑張ろうと玄関の扉を開ける。
『□□駅、〇分』と淡白なJOINが来て、僕は頬を緩ませた。二人の時間割が唯一合う水曜日、僕が一番楽しみにしている日。「おはようございます」「おはよ」「昨日のマミリン見ました?」「見てない」並んで歩き出すこのひと時。今だけはアイドルの仮面を脱ぎ捨て、ただの学生になれる。#Bプロプラス
別々に寝た君が心配で、そっと隣に滑り込んだのはさっきのこと。寝返りを打った君が俺に気づいて息を飲んだ。目を開けて君を抱き寄せて、寝かしつけるようにとんとんと背中を叩く。お腹、まだ痛いかな。俺には分からない痛みだから、せめて隣にいさせて。#Bプロプラス 本当は俺が寂しいだけ、なんて。
目が覚めた。そうだ、今日はお腹が痛いから和南とは別々に寝たんだった。痛むお腹に恨み言を思いつつ寝返りを打つと和南の顔があって息が止まった。な、なんで。すやすやと眠る頬に触れると長い睫毛が持ち上がって「心配だった」と私を抱き寄せた。#Bプロプラス うそ、本当は寂しかったんじゃない?
「これ、」と手渡された紙袋は私にとってはちょっと背伸びしたブランド名。「似合うと思って」なんて理由をつけて贈られたそれは、私の鼓動をどきんと高鳴らせた。すごい、嬉しい。「……ほんとは、メイクさんにたくさん教えてもらったんだ」なんて白状しちゃうところ、好きだよ。#Bプロプラス
「お友達はお休みですか」「いーやピ逃げ。ほら」彼女の手にある何枚もの学生証。「貴女はしないんです?」「なんか、不安じゃん…」学生証を鞄にしまい、項垂れる彼女の隣に座れば驚いた顔をするから。「隣、今日はいないんですよね?」#Bプロプラス 貴女と授業を受ける折角の機械、これは逃せない。
地下書庫は薄暗くて、ちょっと埃っぽい。資料を床に広げて唸っていると差し込む影に思わず振り向いた。何だ、釈村かあ。「ちゃんと声かけましたよ」……移させないよ。「やだなあ違いますよ」だってここなら、二人きりじゃないですか。#Bプロプラス 「それにお探しはこれでは?」「えっなんでそれ」
おや。うとうとと船を漕ぐ隣の席の彼女。いつもノートを見せてもらっているから、今日は僕の番ということか。「釈村、ごめん寝てた」「はい、お疲れでした?」「うん、ちょっと」ふわぁ、と欠伸をする彼女の頭をそっと撫でる。#Bプロプラス 次も寝てくれて構いませんよ。貴女が僕を頼ってくれるので。
「……これは?」「はい、浴衣です」私の前に鎮座する、安くはなさそうな浴衣。これを私は贈られたわけだが、生憎プレゼントを貰うような理由もない。ただの大学の同期にこれを贈る釈村のもいかがなものだけれど。「それは分かるけど」「じゃあそれを着て、僕と花火大会に行きましょう」#Bプロプラス
釈村は浴衣の入った紙袋を私の手に握らせて、「これからラジオ収録なんで」と颯爽と去っていった。いやいや、やっぱりこれは貰えない。釈村とのJOINを開くと、【僕なりに貴女を口説いているんですよ】とメッセージが来ていて。私は返すはずだった浴衣をもう一度眺めた。黄色は確か、釈村の。
海を滑る船の一角。仲間が傷ついたのを見たとき、何かを失ったときの私の居場所。そんなとき、「隣、いい?」とカズナは必ず現れる。「明日は晴れるよ、夕焼けが綺麗だった」「…そう」カズナが現れるとどうして胸が高鳴るのだろう。生きるためのこの船で、私はまさか、恋をしているのか。#Bプロプラス
黒い海に足を踏み入れる君がどんどん遠くに行ってしまう気がして、俺も靴を投げ捨てて海に向かって飛び出した。腕を引いて君の体をこの腕に抱いて、ようやくほっと息をつく。「…置いていかないで」「行かないよ」俺の胸に体を寄せる君は酷く冷えて、まるで人魚のようなそんな気さえして。#Bプロプラス
結婚式の日にお家に帰ってきたら和南くんにかばっと抱きつきたい。優しく頭をなでながら「やっと君が俺のものになった」って微笑んでほしい。私はまるごともう君のものなのに。でもそういう君が大好きで、隣にいたいって思ったんだよ。#Bプロプラス
夕焼けを眺めていた君は、陽が沈んだあとも砂浜に座ったままだった。「そろそろ帰る?」と声をかけても名残惜しそうに俺を見るだけ。俺はそんな君を抱きしめて、今日が終わることを悔やむしか出来ない。君は、何を考えているんだろう。それが分かる日が、いつかくるのかな。#Bプロプラス
走り出した君に気をつけてと声をかけるけれど、きっと君には届いてない。俺より夢中になるものがあるのが悔しくて追いかけて君に抱きつくようにして捕まえた。暑いよぅと君の声がして、汗で光る君のおでこがこちらを向いた。#Bプロプラス ごめんね。例え地球にだって、君だけは渡せないんだ。
「和南!」先を行く君の白いワンピースがやけに眩しく見えた。「なあに?」と返事をすればかかる水しぶきに、俺は笑い出す。「やり返していいってこと?」「やだやだ!」飛び交う水しぶきを見ながら考えた。どうしたらこの気持ちが抑えられるだろう、胸が苦しくて、たまらない。#Bプロプラス
化粧をする私を興味深そうに見る和南の視線が恥ずかしい。「どうしたの、」和南だって仕事でメイクぐらいするでしょ。和南は化粧が途中の私の顔を愛しそうに見つめて「俺の為に、こんなに可愛くなってくれるのかなって」と笑う。「当たり前」#Bプロプラス ほら和南も、ピアスつけ忘れてるよ。
「迎えに来なくてもいいんだよ」帰り道の君は、会うなり暗い顔で呟いた。迷惑、だったかな。「どうして?」「和南、忙しいのに」俺は握った手に力を込めて、「本当は毎日だって迎えに行きたい」体の弱い君を頻繁に迎えに行くのは俺の為。会いたいって言えない俺の、君に会う口実だから。#Bプロプラス
「もうやだ。こんなのタツに迷惑ばかりかける」「そんなこと思ってねぇよ」病院からの帰り道、お前は車で涙を零した。周りと同じに生活したいだけなのに、どうしてお前だけ体が弱いんだろう。「迷惑、かけたくない」「お前以外に迎えに行きたいやつなんていねぇよ」#Bプロプラス 笑うなよ、本心だ。
「おや、お目覚めですか」ふらりとリビングにやってきた貴女の熱い体を抱き寄せて額を合わせれば、むすっとした顔が見えて。「どうかしました?」「寝るまで一緒だったのに、どうしてひとりにするの」「……トゥンク」#Bプロプラス それは良い殺し文句です。じゃあ一緒にベッドに戻りましょうか。
オフの日だってランニングは欠かさない。でも、いつもと少し違うのは君が一緒に来てくれること。「やっぱ疲れるね」「お腹すいた?」「うん、ねぇ和南ご飯食べて帰ろうよー」君との朝が楽しみで、つい早起きしてしまうんだ。#Bプロプラス あ、そのクリームパン、一口ちょうだい。
最近タツ殿がそそくさと出かけるようになった。最初は「友達と飲み」や「兄がこっちに来てる」だったのにネタが尽きてきたのか「ちょっとそこのコンビニまで。メシはいらない」と言い深夜まで帰ってこない。#Bプロプラス 「バレてないと思ってるのかな」「どこのコンビニまで行ってるんでしょうねぇ」
リーダーはめっぽう分かりやすい。「今日はちょっと出掛けるよ」と言う日は大抵家デートで、「今日ちょっと遅くなるね」と言う日は大抵ドライブだ。「今日は品川の水族館辺りですかねぇ」そのときぴろん、とJOINの通知が。「明日の朝、直接現場に向かいます」……おやおや、ついにですか。#Bプロプラス
モモタスは未知数だ。「今週は忙しいですね」「あぁ」と会話をした翌週に「そろそろ会いに行かないんですか?」と聞いたら「先週は二回会った」と言う。いつの間にそんなに。ふと部屋の物音にそっと耳を立てると、『あぁ……明日はロケだ』なんて声が。#Bプロプラス なるほど。そういうことでしたか。
例えば電車で、眠る君が体を預けるのが俺の肩だったとき。手を差し出したら迷いなく手を取ってくれたとき。そんな幸せが、ずっと続けばいいなと思うから。「ねぇ」「なあに、和南」「俺たち、家族になれたらって思うんだけど…どうかな」「……え?」#Bプロプラス
「この雨じゃ遊園地は……」「駄目かあ」たまにしかない和南のオフに合わせてお休みを取ったのに、生憎の雨で。遊園地に行きたかったわけじゃないけど、和南と遠出はしたかったかも。和南はそんな私の手を引いて、「今日は水族館に行こう」「え」「俺が天気予報見てないと思う?」「!」#Bプロプラス
「ねー釈村、好きなんだけどー」突然の告白に僕は椅子から落ちるのを必死に堪えた。「え?次なんだけどさー」キョトン顔の貴女は何もなかったかのように話を進めるから、「あのー」「はい?」「好きなんですけど」「……はい?」あなたは別に悪くないけれど、ちょっとした仕返しだ。#Bプロプラス
君を迎えに行く足取りは軽い。二本持っていた傘は土壇場で一本置いてきた。元々ゆっくりではなかった速さが小走りになって、最後には全力疾走。君の姿を見つけて思わず飛びつくように抱きしめた。「和南、もしかして何か用事でも」「ううん、違うんだ」#Bプロプラス 「早く会いたかっただけなんだ」
愛している、と電話越しに囁いたところで大した力にはならないのだと知った。なかなか会えない職業だからこそ、会いに行くべきなのだ。「帝人、何で」「会いたかったから、会いに来ました」きっと会いたかったのは、僕の方なのだ。だってこんなにも、胸が熱い。#Bプロプラス
家を出る時間を早めたのは君の顔を見る為。「和南、どうして」「おはよ。顔見に来た」君が俺を見て驚いた顔をするから、俺は自分の思惑が成功したことを知る。「ご飯食べてく?」「うん。あんまり長くはいられないんだけど」君と二人の食卓、この光景が日常になる時を夢見て。
仕事を終えて向かうのは、今朝と同じ場所。すやりと眠る君の頬を撫でればかかる寝息が温かくて、隣に潜り込んで目を閉じた。(おやすみ)心の中で呟いて君の手を取る。明日の朝、君は驚くだろうか。#Bプロプラス 明日の朝ご飯は、俺が作るよ。
「まーた隈出来てる。ちゃんと寝てるの?」「プレゼン前だってご存じのくせに」パソコンの前から連れ出せばぐずぐずと文句を言い出すからそれも飲み込むキスを一つ。「和南」「ん?」「頑張るね」「うん」#Bプロプラス 不機嫌な君の心を癒やすもの。ケーキと紅茶とそれからそれから。
「貴女に跡をつけていいのは、僕だけだと思っていましたが」「何の話?」貴女の白い首に貼られた絆創膏。そんなところに絆創膏を貼る理由なんか、アレ以外思いつかなくて。「ちょっと、」「白昼堂々と浮気ですか、関心ですね」べり、と絆創膏を剥がして赤くなったそこに吸い付けば、痛い!と抗議の声がする。ただ、その声があまりにも切羽詰まっていて、仕方なく唇を離した。「帝人、誤解させたのは謝るけれど」「誤解?首筋に絆創膏貼って、こんな立派に跡つけられて」「だから、それは火傷よ!」「……は?」吸い付いた箇所をもう一度見れば、確かにちょっと皮がめくれていて。僕の唇の水分で少し湿っていて。さっき貴女があんなに痛がったのにも合点がいった。「何で、こんなところを」「髪巻いてたらコテで」「……びっくりさせないでくださいよ」「私は説明しようとしたのだけれど」「………」拗ねてしまった貴女の手を取ってぐいと引っ張ればすぽりと腕の中に収まる体。
「……話も聞かず、すみませんでした」「いいわ、もう」「仲直りのキスをしたいんですが、どこがいいですか」貴女の頬が少し赤く染まる。あぁ、好きだ。ちょっとのことで醜く嫉妬をしてしまうくらいに好きだ。「私がどこに欲しいかくらい、分かってもらわなきゃ困るのだけれど」「……もちろん」顎を掬って、貴女が目を閉じて。唇を落とす先は、もちろん。(おわり)
「これ、なあに」うん?と首をひねる君の首筋をとんとん、と人差し指で突いた。首筋に貼られた絆創膏。いくら隠そうとしたとはいえ隠し方が乱雑すぎないか、君らしくもない。「…俺のことは、嫌いになった?」「ちょ、和南」「そんなに他の男が良かった?」自分が嫌になる。やっぱり俺には、何もない。才能も、家族も、愛も。やっと見つけたと、思っていたのに。「ごめん、こんなことして」「話を聞け」「…ごめん」掴んでいた君の手首をそっと離す。君はやけに不機嫌そうな顔で開放された右手で俺の顔をむぎゅ、と掴んだ。「増長、和南!」腹の底から出したような声が目の前で炸裂して、俺は思わず目を丸くした。君は酷く冷静な声で「話を聞きなさい」と俺を一瞥した。言い訳なら、聞きたくない。君は自分の首筋に貼られた絆創膏を剥がした。現れたのは、何かの傷跡。……傷跡?「今朝、コテで火傷したの」「え」火傷、という言葉が頭の中でぐるぐると回った。火傷、やけど……。そして自分の一連の行動が走馬灯のように頭の中を走り抜けた。固まった俺を見て、彼女はようやく俺の顔を開放する。「早とちりなんだから」「う、」「このあと暇?」「今日、もう終わり?」「え、うん」「何奢ってもらおうかなー」スタスタと歩き出す彼女の背中を追いかけた。後ろから抱きしめれば止まってくれた。行かないで、俺のことを置いていかないで。そんな気持ちを込めて腕に力を入れて。「後で、何でも買ってあげるから。今だけ」しょうがないなあ、と笑う彼女に、きっと俺はいつまでも敵わない。
私達の日曜日の朝は忙しい。「トゥンク!今週のマミリンも楽しみですねぇ」「終わったらすぐ退いてよ、仮面○イダー始まるんだから」「もちろんです。あ、はじまります」朝ごはんを作りながら見る背中はアイドルなんかじゃなくただのオタクだけど、似たもの同士だしやっぱり好きだなって。#Bプロプラス
りん、と鈴が鳴る。鈴の着いた鍵を目の前にぶら下げられて、俺は目を丸くした。「これ」「和南が家に来たとき、私が先に帰れなかったことがあるでしょ」君の家の鍵。今は別の鍵だけど、いずれは同じ鍵を持って、どっちが鍵を出すかで言い合ったりして。…ちょっと、妄想が過ぎるだろうか。#Bプロプラス
ふと目覚めたら、帝人の膝の上で寝かされていた。奴め、また起こしてくれなかったのか。私の手を包み込んでいる帝人の手が、熱い。すぅすぅと聞こえる音に視線を上げれば、寝息を立てていたのは他でもない帝人で。帝人の寝顔、はじめてみた。#Bプロプラス 私の知らない君が、まだまだいるね。
別々のタイミングで布団に入ったはずなのに。目覚めたら腕の中に君がいて、脚を絡ませていて、ふふと笑みが溢れた。安らかな寝顔をいつまでも見ていたいと願うけれど、やっぱり早く起きないかな。寝起きの掠れた声で、かずなって呼んでくれないかな。#Bプロプラス 楽しい休日の始まりだ。
「私だけって、言ってほしい」瞳いっぱいに涙を溜めた君は、それだけ言ってぷいと目線をそらしてしまった。不器用な君が俺に何かをしてほしいと言うのは初めてで、俺は君の頬を伝う涙を拭って顔を覗き込む。「増長和南は、君のことだけを愛しています…例えこの星が終わろうとも、ね」#Bプロプラス
「釈村、お前仕事あんのに彼女とかいていいの?」大学同期釈村とレポートを片付けていたら釈村の友達にそんなこと言われたい。「えっごめ、釈村アンタ彼女いたの」「え?」「え?」みたいな会話したい。#Bプロプラス
「えっ君釈村の彼女じゃないの?」「え、釈村さんそうだったんですか」「はい、彼女です」とか言われて最初はそっかーって思うんだけどよくよく考えて「ちがくない!?!?!?」ってパニックになる
「ダイエット?」「明日から走る距離伸ばそうかなって」突然何かと思えば頑固な君は譲らない。「俺は、今のまんまでも可愛いと思うけど」「駄目、和南くんに似合う可愛い子になるの!」足元にお酒の空き缶があってこの可愛い我儘の理由を察するけれど、「…それはちょっと、嬉しいかも」#Bプロプラス
じゃあ決まりねっ!とにこにこ笑う君の手を引いてぎゅっと抱きしめた。「これ以上可愛くなるのも、困るなあ」食んだ唇から甘いフルーツの香り。折角の決意だけど、明日は走りに行けないかもしれない。「かずな、」君がそんなに熱っぽい視線を寄越すから。今夜は多分、眠れない。
目が覚めると汗びっしょりで息も切れていた。あまり覚えてないけど、何だか嫌な夢でも見たのかな。「和南、」慌てて隣の君に寄り添えば「ん、いい子」と抱きしめてくれるから、次に目を閉じるのなんてちっとも怖くない。#Bプロプラス もう少しだけ、眠ってもいいかな。
家に帰ってきた彼女が鼻をすんすんさせているから話を聞けば、派手に転んで両膝を擦りむいたのだと。幼稚園児のような怪我の仕方に笑ってしまえば「和南のばか」とぷいと拗ねてしまうから、謝りながら絆創膏を貼ってお風呂に送り出す。出てくる頃には、君の好きなご飯が出来てるよ。#Bプロプラス
「これ、フレグランスの試供品?」うん、そうだよ。ひとつひとつ検分していく君が気づかないわけもなく。「和南のが、ないけど」自分の香りを君がつけるなんて照れくさくて、手のひらに隠したまんまのそれを奪われる。「ん、これが一番好き」へらっと笑う君に、俺は今日も敵わない。#Bプロプラス
「見てみて増長くん、髪切ったの」毛先を指先でくるりと遊んで見せる彼女は、随分ばっさり髪を切った。女の髪は命らしい。その命を切ったってことは「…何かあったの?」聞けば彼女は頬を染めて、「可愛い?」なんて答えになってない答えを言う。その頬の意味を、俺はまだ知る由もない。#Bプロプラス
「…体、冷えてる」女の子が冷やしちゃ駄目、と和南は自分に掛かってた布団を私に掛けようとするけど、アイドルだって冷やしちゃ駄目でしょ。「いいんだよ、俺は」和南は優しいけれど、その自分を蔑ろにするところはあんまり好きじゃないのよ。#Bプロプラス ほら、ぎゅうとくっついたら二人共温かい。
お風呂に入って、紅茶を飲みながらゆっくりするこの時間が大好きだ。君が俺の肩に体を預けてくれることも、「かずな」とふにゃりとした声で名前を読んでくれることも。「なあに?」「何でもない」「じゃあキスしちゃお」「ん」#Bプロプラス いま世界が終わるとしても、俺はきっと、穏やかなのだろう。
「ただいま」「お帰り」帰ってきたらご飯が出来ていて、お風呂が湧いていて、そして君がいて。こんなにありふれた幸せ、俺には勿体無い気がするけれど。「いつもありがとう」「急にどうしたの、和南」「急にじゃないよ、いつも思ってるよ」ふわりと君を抱き締めれば、更に幸せ。#Bプロプラス
彼女が二時間も風呂から出てこないとき、俺はどうしたらいいのだろう。まさか眠ってしまったのでは、とそっと様子を伺うと聞こえるのは啜り泣く声。「……大丈夫か」「…大丈夫だよ」無理して言う声に無性に苛立って浴室の扉を開けた。#Bプロプラス「もも!」「…大丈夫なら、俺に隠れて泣くな」
「…どうしたらいいか、分からないの」小さなそう声で言って膝を抱えるから、俺は服を着たまま湯船に入り、ぎゅうと背中から抱きしめた。「も、もも!?」「それなら尚更、一人で泣くな」どうか許してほしい。悩んでることに気づかなかった俺を、力いっぱい抱きしめて愛を伝えることを。
しとしとと雪が降っていた。俺は静かにマグカップに口をつける君を後ろから抱きしめて、肩に額を預けた。君は身じろぎもせず「どうしたの」と言うだけ。「結婚する気が無いわけじゃないんだ。でも、君をそんなに追い詰めてるって気づかなかった。……ごめん」「…別に」#Bプロプラス
君の言葉はどこか冷たくて、諦めているようで。俺は躊躇いながら口を開く。「俺のせいで、随分待たせちゃったよね。こんな俺だけど」ぎゅ、と腕に力を込める。君の頬に涙が伝うのが見えた。「君の傍で、生きていたい」君は、何て言うだろうか。これが俺から君への最大の愛の言葉だと、気づくだろうか。
和南くんはアイドルだから、と俺の気持ちを知ってものらりくらりと躱す君が焦れったくて。汗の滲む指をするりと絡め取って、唇が触れるほど顔を近づけた。「俺のこと、まだ友達って呼ぶつもりなの?」#Bプロプラス ほら、真っ赤になるってことは、君も俺のことを意識してるってことでしょ?
前々から飲みに行くことは伝えていたけど。じゃあ行ってくるね、と玄関先に立つと和南はソファからひらりと手を振るだけ。気持ちを一人で隠してしまう彼が目を伏せるのを見てしまったから、玄関から和南のところまで引き返してすぐ帰ってくるね、と改めて伝えなきゃ。#Bプロプラス
「ただいま」むすぅぅぅ。ソファに座って雑誌をめくる和南からは、そんな効果音が聞こえる。「…ちょっと、遅いんじゃない?」「終電2本前だよ」こうなることは予想済み。私は最後の切り札を取り出すのだ。「彼氏の惚気してたら遅くなっちゃった」#Bプロプラス ぷしゅう。和南は目を覆って「……許す」
「バレンタイン、ありがとう」「こちらこそ」和南に貰ったのはお菓子の袋と小さな封筒。「和南もお手紙?」「開けてみて」微笑んで何も言わない和南を不思議に思いつつ封筒を開けると、「休みが取れたんだ。俺と、デートしてくれる?」短い手紙に挟んであったのは遊園地のチケット。#Bプロプラス
「みかど」酔っ払った貴女はどんなに抱きしめてもキスをしても抱き上げてぐるぐる回ろうともニコニコと笑ってくれる。それどころか「みかど、」と僕の後ろをついて回って片時も離れようとしない。「大好きですよ」「ん、わたしもー」「いつもこんなに甘えてくれればいいんですけどねぇ」#Bプロプラス
「おはようございっ!?!?何するんですか!!?!」「帝人こそ何でそんなにべたべたしてくるの」「昨日の貴女はあんなに甘えん坊だったのに」「…覚えてない」「帝人帝人ってひよこのように僕の後をついて回って」「覚えてない!!!!」「へぶっっ」
「凄かった」と何度も何度も口にする君を見て、本当に凄かったんだなと想像する。本来なら君はそこにいるはずで、でも今は違う居場所があって。その景色を君はどんな気持ちで見ていたんだろう。「いつか、僕たちもやるんだ」「絶対行く」そんな君の隣に、胸を張って私も立っていたいんだ。#Bプロプラス
「そうですか今日は私以外の女の子に愛を叫ぶ日ですか」「ライブって言えよ」てかお前も来んだろ、と玄関に向かおうとする剛士の背中に拳をぴったり付ける。「…期待してる」君は不敵に笑う。「せいぜい腰抜かさないようにしとけ」#bプロプラス 「行ってくる」「うん。また後で」「あぁ」
「な~んかさ、デートみたいじゃんね?」暉くんは嬉しそうにクレープを頬張りながら笑った。で、でーと。私は大きく口を開けたところに爆弾を落とされて固まった。精一杯の力を使って一口を飲み込むと、暉くんは私の口元を拭って、ぺろり。#Bプロプラス 「ん、美味し」「……へ、」
「…デートなのかって言われた」「は?」一緒にジムに来る仲間の野目は筋トレの手を止めてぽかんと口を開けた。「ジムの後、いつもご飯食べてるから…」体幹トレーニングをしながらごめん、と呟くと、野目は筋トレの手を再開して「別に、俺はそれでもいいぞ」#Bプロプラス 赤い耳の真意はいかに。
「デートみたいですね」!?学食で蕎麦を啜る釈村がそんなことを言うものだから私は自分の唐揚げを喉に詰まらせた。「おや、大丈夫ですか?」「誰のせいだ」釈村はつゆの中の麺を丁寧に拾い上げて口に入れると、私の目をじっと見た。#Bプロプラス「学食デートなんて、萌えますね」「…デート、ねぇ」
「…デートみたい」百の買い物に付き合った帰り、百の好きな甘味を食べていると、ふと言葉が漏れた。「…そうだな、」百はそう言ったきり言葉を切ってしまって。困らせたかな。不安になったとき、百は自分のあんみつを私の口に突っ込んで微笑んだ。#Bプロプラス「これはデート、だ」
映画を見て、カフェでお茶して、連れてこられたのはお洒落なプラネタリウム。和南の『ちょっと付き合って』がこんなにも、その。「…デートみたい」そう呟くと和南は目線を前に向けたまま私の手を取って「俺と、デートしよう?」#Bプロプラス 「いいよ、デートしてあげる」「ふふ、ありがとう」
この映画、あんまり面白くないなぁ。映画館まで足を運んだはいいものの、映画の内容があまり好みじゃなくて欠伸をかみ殺す。隣でずずずと飲み物を吸った百も欠伸をかみ殺しているのが見えた。百の二色の目がこちらを向いて、熱い唇と共にすっと近づいて。#Bプロプラス
和南は明日も仕事か〜と私がぼやけば私の膝で丸くなる和南は眉を下げて「ごめんね?」なんて言う。何だか申し訳なくなって、照れ臭くなって、和南の髪をくしゃくしゃと撫でた。和南はふふっと笑って「明日、夜中になるかもしれないけど…会いに来ていいかな」と私の頬に手を伸ばして。#Bプロプラス
きっと今頃和南は何も知らないなんて顔をしてコーヒーでも飲んでるんだろう。でも最近そわそわしてたこと、にこにこしてたこと、全部知ってるからね。しょうがないから、日付が変わる瞬間はMooNsに譲ってあげる。#Bプロプラス だってMooNsは和南の大切な居場所だもんね、それも知ってる。
「おめでとうございました」「ありがとうございました」和南も私も、明日から普通に日常に戻る。和南が手招きするベッドに潜り込めばすぐに眠気が襲ってきて、優しい手に導かれて夢の世界へ。「おやすみ、また明日」抱き合って眠るこのときが、いつまでも続けばいいのに。#Bプロプラス
「これ、バレンタインね」ちょっと照れた顔の君から渡されたのは小さな封筒だった。これ、手紙?「チョコは山ほど貰うでしょ」と言い残して逃げようとする君を捕まえて、ぎゅぎゅうと抱きしめる。「和南へ」と書かれた小さなそれが、どんなチョコよりも嬉しい。#Bプロプラス だって、君が一番だから。
「バレンタイン、ありがとう」「こちらこそ」和南に貰ったのはお菓子の袋と小さな封筒。「和南もお手紙?」「開けてみて」微笑んで何も言わない和南を不思議に思いつつ封筒を開けると、「休みが取れたんだ。俺と、デートしてくれる?」短い手紙に挟んであったのは遊園地のチケット。#Bプロプラス
「ん、」「ん?」「ん」帝人はチョコを咥えて私の方を向いた。何かを企んでいる。私は培ってきた勘をフル稼働して無視を決め込む。すると帝人は咥えていたチョコをぱくりと食べて。「僕の姫はディープなのがお好きなんですねぇ」#Bプロプラス 口の中に流れ込んできたチョコは、どろどろに溶けていて。
増長和南に言われたい台詞
拗ねたように「…それはやだなぁ」
優しく笑って「ほんとに幸せだ」
静かに怒って「俺の言うこと、聞いて」
困ったように「俺じゃ駄目かな」
優しく抱きしめて「…俺だけ、見て」
#Bプロプラス
あと一回、もう一回…頑張れないかもしれない。帝人の曲を聞きながらぐずぐず泣いていれば、いつの間にか傍にいた帝人の膝上に抱き上げられた。「見えてるものが全部じゃありませんよ。いつもは傍にいれませんが、僕はいつでも味方です」一緒に呼吸をして、さあもう一度。#Bプロプラス
君と次の約束をしたことはない。いつも帰り際に『またね』と手を振るだけ。それでも何日かすればどちらからともなく連絡をするのだけど。「ねぇ、次はいつ会える?」…私も、同じこと考えてたよ。と手帳を取り出す君のことを、俺はもう少しだけ帰せそうにないよ、ごめんね。#Bプロプラス
「誰が一番カッコよかったですか?」ライブのあと、私にくっついて甘える帝人はまるで大きな子供だ。どうだろう…愛染くんかな?「ええっ愛染先生に浮気ですか?!」悪い子ですねぇと服を弄り素肌に手を触れて。必死に私の唇を求める帝人は、まるで嫉妬を隠そうとしない。#Bプロプラス 君が一番だよ。
「この曲…」俺にとって二曲目のソロ曲は前回より明るくなって、前向きな歌詞だった。「増長くん、前より明るくなったから、歌詞も明るくしてみました」作詞をしてくれた彼女は何も知らずにそう言った。ねぇもしも、俺が明るくなった原因が君への恋心だって言ったら、どんな反応する?#Bプロプラス
「ちょっと」俺のソロ曲を書いてくれた彼女を捕まえた。「君は俺にこんなイメージがあるの?」世界が白黒だと嘆くような奴に?彼女はちょっと驚いた顔をして、どうして私の主観を聞くの?と。俺ははっとして何でもないと彼女を開放した。#Bプロプラス 君が俺をどう思うかが気になる。つまりそれは。
手を繋いで歩けない。見られただけでアウトライン。こんな制約ばかりの俺で、いいの?そんな俺の不安を、「和南じゃないと嫌だよ」君は一瞬で吹き飛ばしてしまう。それなら俺は君に恥じない男になって、そしていつの日か、神の前で堂々とキスをしよう。#Bプロプラス だからもう少しだけ、待ってて。
百は月明かりみたいだね。ベランダで一緒に空を見上げて、百が入れてくれた熱いお茶を飲んで。都会だし大して星は見えないけれど、お月様だったら仄かな月明かりを放ちながらいつでもここにいる。「どういう意味だ」「百がやさしいってこと」「…そうか」私の月は、今日も綺麗。 #Bプロプラス
落ち込んでるのを隠せているとは思ってないけど。…和南には関係ないでしょ。つい意地を張ってそっけなくしてしまえば。「意地悪しても、そっけなくてもいいよ」と和南は笑う。なんで?思わず聞き返すと、「君が一人で泣くよりずっといいよ」なんて。 #Bプロプラス …あのね。うん、どうしたの?
ライブ、どうだった?俺の言葉に君は「すごかった!」と興奮気味に話してくれる。Bプロのことを褒めてくれるのは嬉しいけど。「…ねぇ、誰が一番かっこよかった?」#Bプロプラス「和南が一番カッコよかった」その言葉を聞いて安心して、甘えるように抱き着いたら、君はお疲れと頭を撫でててくれた。
「僕がアイドルなの、どう思います?」ただの興味本位。どんな答えでも覚悟していた。キッチンでコーヒーを入れる彼女はへらっと笑って「他の子より彼氏のカッコいいところ見れるから好きー」なんて言うから、僕の彼女は女神で辛い。素敵な答えのお礼に贈るのは、ひとつのキス。#Bプロプラス
馬鹿にしてるわけじゃないけど、和南は頭脳担当だと思っていた。突然現れたガラの悪い人に絡まれて、和南の瞳がすっと細くなって。周りを一瞬で倒して私の手を引いて走る君は、なんだか別人みたいだ。#Bプロプラス「怖い思いさせて、ごめん」額を合わせてくれる君は、いつも通りに見えるのに。KoC増長
「トゥンク!最高にお綺麗ですよ」…なんか、嘘くさい。「ちょっ、何でですか!」振り袖は重いし苦しいしちょっと不機嫌な私に、帝人は恭しくお辞儀をして。「行かせたくないくらいに美しい。このまま会場までお送りましょう、姫」#Bプロプラス って、君が会場に現れたらパニックになるでしょ!
君を攫って、世界の旅に出る。世界中を見て、この星が終わるまで君と笑う。そんな夢を見た。「和南!」波打ち際で君と手を繋ぎ、踊るように歩みを進める君の手を引いて。「このまま君のことを、攫ってもいいかな」#Bプロプラス 止まらないこの想いを、どうか受け取って欲しい。
「何それ?」「BプロのCDディスプレイする棚買った」久々に彼女の家に行くと、見慣れないものが。「和南のうちわもアクスタも置けるよ」と鼻歌を歌いながら並べる彼女の手には、「…ふぅん、百のアクスタも持ってるんだ」「なあに、ヤキモチ?」#Bプロプラス 別に。でも、面白くはないなあ。
「膝枕なんて久しぶりだよ」なんて和南は笑うけど。…病人は早く目を閉じてくださーい。「えぇ」額に冷えピタの和南はいつもより幼く見えて。完璧主義者も寒さには勝てなかったか。「移しちゃったら、ごめんね」そんなのいいから、早く目を閉じて。#Bプロプラス 目が覚めたら、一緒にご飯食べよう。
「俺がアイドルなのを、お前はどう思ってるんだ」静かに眠る彼女に向かって呟く。帰りも遅いし一緒にいる時間を多く作ってやれる訳じゃない。こんな彼氏は、不満だろうか。月明かりに攫われないように抱きしめる。俺の仕事が嫌いでもいいから、「俺がお前を愛することは、許してほしい」#Bプロプラス
…スキャンダルとか。「気をつけるよ」…ファンに狙われるとか。「俺が守るよ」腰に腕を回されて、逃げることすら叶わない。キスの直前まで顔を近づけて。…和南ってそんなタイプだっけ。「君にだけだよ」エリートドッグなんて嘘でしょう。 #Bプロプラス だってこんなに、私の言葉を聞いてくれない。
「俺がアイドルなの、どう思ってる?」いつも思っていた不安が、ついぽろりと口から出た。迷惑とか、思ってないかな。こたつでみかんを剥く君は、訳がわからないという顔で首を傾げる。「別に。和南が嫌じゃないならいいんじゃない?」……あぁ、俺は彼女のこういうところが大好きなんだ。#Bプロプラス
明日遊びに行くんでしょ。うんでも寝れないの。君が嬉しそうに俺の手で遊ぶから、俺も胸が熱くなった。俺と遊びに行くの、こんなに楽しみにしてくれるんだ。和南、と呼ぶ声が優しくて、眠たそうで。明日は最高の一日にしてみせるから、そろそろ目を閉じて。#Bプロプラス 早く明日になればいいのにね。
君が眠っていることを確認してベッドに腰掛ければ、聞こえる寝息に笑みが溢れた。無防備なその姿、見せるのは俺だけにしてね。「かずなおかえり、」「ただいま」ふと目覚めた君が腰掛けた膝に頭を乗せ、再び夢の中へ。……困ったな、これじゃあ動けそうにないけど。#Bプロプラス こんなにも、幸せだ。
「夏ですねえ」「そうだねえ」だらだらと課題をこなす為に通話をつなぐ僕らは、ただの友達で。「夏のご予定は?」「バイト」「僕もです」「いや仕事だろ」からからと笑う声が耳に心地よくて、いつまでも聞いていたくて。#Bプロプラス いつまで課題を口実にすればいいだろう。本当は、用がなくても。
「花火は?」「さあ?」車の座席を倒されたときが運のつきだったのだ。せっかく髪もセットして可愛い簪をさしていたのに。「花火より、貴女の方が魅力的だったので」そりゃどうも、抜かれた簪にはらりと落ちる髪、そして妖しく笑う帝人。きっと今日は、花火を見ることなんてないんだろう。#Bプロプラス
テスト後のオール。お題ゲームで釈村が引き当てた「好きな人」という文言にみんな少し動揺した。聞いてもいいものなのだろうか。「そうですねぇ」釈村はニコリと笑うと「今のこの場にいらっしゃいます」みんながどよめく中、私はうまく笑えていただろうか。重ねられたのは釈村の掌。#Bプロプラス
「あのとき、気づいてましたよね」「うっ」朝焼けの中の帰り道。釈村は私の手を今度こそ取った。「徹夜明けなんだけど」「えぇ」「アイドルと恋愛なんて」「僕がしくじるとでも?」「……ほんとに、いいの」「僕の心を奪った責任を取ってもらいましょうか」あぁもう負けだ。君にときめいた私の負け。
「まだ寝ないのか」「ちょっとねー」そうか、とモモは部屋を出て行った。よろしいよろしい。と思っているとモモは大量の台本を持って向かいに座る。「寝ないの?」「アンタがいないと寝れない」それは大袈裟じゃ、なんて思うけど。「あと30分」「あぁ」#Bプロプラス ちょっとだけ、お待たせします。
「まだ寝ないんです?」「帝人だって、これから深夜枠見るでしょ?」「ええそれはもちろん」ベッドで寝かしつけられてもふと君がいないのが淋しくて、こうして夜更かしを決め込む私。「もしよければ、膝をお貸ししますよ」私の思惑に気づいているか否か、膝を叩く君はいつも一歩上手で。#Bプロプラス
「好きって言ってください」「何を言ってる?」付き合ってない人からそんなことを言われて当然の反応だと思う。許してほしい。「言われたいんですもん」「もんじゃなくて」釈村はすっと目を細めて妖艶に微笑むと、「だって、好きですから」#Bプロプラス 信じられないな。だって、私のほうが好きだし。
頻繁に二人で飯に行く。洒落たカフェなんか、二人の行き先には出てこない。「龍広はいい彼氏になるねぇ」氷の音を鳴らしながらけらけら笑うお前のことを、俺はいつから好きだったのだろう。「お前の彼氏なら、いい」「え」「……恋人と呼ばせてほしい」#Bプロプラス きっとそれは、出会ったときから。
「一曲お相手願えますか」「……ええ」和南の手を取ればぐいと引き寄せられて顔が近づいた。ドレスもないし、お城でもないし。部屋着で曲といえば雨音のリズムだけど。「俺だけのお姫さまになってくれる?」確かに彼は私を攫いに来た王子さまで、私は退屈な毎日に疲れた姫だった。#Bプロプラス
夏祭りに行ってみたい。金魚すくいとりんご飴と、憧れはたくさんある。『もし、よかったら』電話越しの和南が少しためらったかと思えば『俺と行かない?お祭り』いいの?と思わず聞き返せば『一緒に行こう。絶対楽しいよ」#Bプロプラス 食い気味の言葉に笑いだせば、電話の向こうからも同じ笑い声。
【準備はいい?】会場に入って、ほっと一息ついたときに受信したメッセージに、急かされるような高揚感を覚えた。こんなときまでJOINなんかしてていいのかな。私は右耳のピアスをいじりながら返事を考えた。もうスマホは見てないかもしれないけれど。#Bプロプラス【期待してる!】
密かに鳴らしたアラームで目を覚ましたとき、彼女はまだぐっすりと眠っていて。仕事に行かなければ、と名残惜しくも抱きしめていた彼女の体をきちんと布団に横たえた。(ニ限までに起きられるかどうか、心配ですね)平日に無理をさせたことへのお詫びに、そっと唇を重ねて。#Bプロプラス
「ここ、いい?」学食で見かける釈村はいつも一人で、別に同情じゃないけれど何となく向かいに座ってみた。「来週の課題やった?」「まだ半分ほどです」「半分やったんだ」話しかける度に釈村が嬉しそうにするから、立場とかあるんだろうけどやっぱり一人は寂しいのかな、なんて。#Bプロプラス
「次はどこなんですか?」「本館」「じゃあそこまで一緒に行きましょう」と言うから釈村も本館なんだと思ったら、奴は教室の前まで私を送り届けて颯爽と引き返していった。前に次のコマはここから一番遠い建物だと聞いたと言い私を冷やかす友達に向かい、私はまさかと首を振るのだった。
「貴女は次もあるんですよね」三限が終わり、僕は帰り支度、貴女は次へ。今日は仕事がないのに、このまま別れるのはもったいないから。「あの、もしよければ、」「待っててもいいよ。それても一緒に来る?」「……へ」分かんないかもだけど、と言う貴女は、僕と同じ気持ちなんだろうか。#Bプロプラス
「ありがとう」「うん」早朝ロケのときも一緒に起きてお弁当まで用意してくれる君は、まだちょっと眠そうだ。「お土産買ってくるね」「いいよそんなの」じゃあ、と腰を引き寄せて唇を重ねた。「いってらっしゃい、和南」#Bプロプラス 柔らかく微笑む君を見て、今日も頑張ろうと玄関の扉を開ける。
『□□駅、〇分』と淡白なJOINが来て、僕は頬を緩ませた。二人の時間割が唯一合う水曜日、僕が一番楽しみにしている日。「おはようございます」「おはよ」「昨日のマミリン見ました?」「見てない」並んで歩き出すこのひと時。今だけはアイドルの仮面を脱ぎ捨て、ただの学生になれる。#Bプロプラス
別々に寝た君が心配で、そっと隣に滑り込んだのはさっきのこと。寝返りを打った君が俺に気づいて息を飲んだ。目を開けて君を抱き寄せて、寝かしつけるようにとんとんと背中を叩く。お腹、まだ痛いかな。俺には分からない痛みだから、せめて隣にいさせて。#Bプロプラス 本当は俺が寂しいだけ、なんて。
目が覚めた。そうだ、今日はお腹が痛いから和南とは別々に寝たんだった。痛むお腹に恨み言を思いつつ寝返りを打つと和南の顔があって息が止まった。な、なんで。すやすやと眠る頬に触れると長い睫毛が持ち上がって「心配だった」と私を抱き寄せた。#Bプロプラス うそ、本当は寂しかったんじゃない?
「これ、」と手渡された紙袋は私にとってはちょっと背伸びしたブランド名。「似合うと思って」なんて理由をつけて贈られたそれは、私の鼓動をどきんと高鳴らせた。すごい、嬉しい。「……ほんとは、メイクさんにたくさん教えてもらったんだ」なんて白状しちゃうところ、好きだよ。#Bプロプラス
「お友達はお休みですか」「いーやピ逃げ。ほら」彼女の手にある何枚もの学生証。「貴女はしないんです?」「なんか、不安じゃん…」学生証を鞄にしまい、項垂れる彼女の隣に座れば驚いた顔をするから。「隣、今日はいないんですよね?」#Bプロプラス 貴女と授業を受ける折角の機械、これは逃せない。
地下書庫は薄暗くて、ちょっと埃っぽい。資料を床に広げて唸っていると差し込む影に思わず振り向いた。何だ、釈村かあ。「ちゃんと声かけましたよ」……移させないよ。「やだなあ違いますよ」だってここなら、二人きりじゃないですか。#Bプロプラス 「それにお探しはこれでは?」「えっなんでそれ」
おや。うとうとと船を漕ぐ隣の席の彼女。いつもノートを見せてもらっているから、今日は僕の番ということか。「釈村、ごめん寝てた」「はい、お疲れでした?」「うん、ちょっと」ふわぁ、と欠伸をする彼女の頭をそっと撫でる。#Bプロプラス 次も寝てくれて構いませんよ。貴女が僕を頼ってくれるので。
「……これは?」「はい、浴衣です」私の前に鎮座する、安くはなさそうな浴衣。これを私は贈られたわけだが、生憎プレゼントを貰うような理由もない。ただの大学の同期にこれを贈る釈村のもいかがなものだけれど。「それは分かるけど」「じゃあそれを着て、僕と花火大会に行きましょう」#Bプロプラス
釈村は浴衣の入った紙袋を私の手に握らせて、「これからラジオ収録なんで」と颯爽と去っていった。いやいや、やっぱりこれは貰えない。釈村とのJOINを開くと、【僕なりに貴女を口説いているんですよ】とメッセージが来ていて。私は返すはずだった浴衣をもう一度眺めた。黄色は確か、釈村の。
海を滑る船の一角。仲間が傷ついたのを見たとき、何かを失ったときの私の居場所。そんなとき、「隣、いい?」とカズナは必ず現れる。「明日は晴れるよ、夕焼けが綺麗だった」「…そう」カズナが現れるとどうして胸が高鳴るのだろう。生きるためのこの船で、私はまさか、恋をしているのか。#Bプロプラス
黒い海に足を踏み入れる君がどんどん遠くに行ってしまう気がして、俺も靴を投げ捨てて海に向かって飛び出した。腕を引いて君の体をこの腕に抱いて、ようやくほっと息をつく。「…置いていかないで」「行かないよ」俺の胸に体を寄せる君は酷く冷えて、まるで人魚のようなそんな気さえして。#Bプロプラス
結婚式の日にお家に帰ってきたら和南くんにかばっと抱きつきたい。優しく頭をなでながら「やっと君が俺のものになった」って微笑んでほしい。私はまるごともう君のものなのに。でもそういう君が大好きで、隣にいたいって思ったんだよ。#Bプロプラス
夕焼けを眺めていた君は、陽が沈んだあとも砂浜に座ったままだった。「そろそろ帰る?」と声をかけても名残惜しそうに俺を見るだけ。俺はそんな君を抱きしめて、今日が終わることを悔やむしか出来ない。君は、何を考えているんだろう。それが分かる日が、いつかくるのかな。#Bプロプラス
走り出した君に気をつけてと声をかけるけれど、きっと君には届いてない。俺より夢中になるものがあるのが悔しくて追いかけて君に抱きつくようにして捕まえた。暑いよぅと君の声がして、汗で光る君のおでこがこちらを向いた。#Bプロプラス ごめんね。例え地球にだって、君だけは渡せないんだ。
「和南!」先を行く君の白いワンピースがやけに眩しく見えた。「なあに?」と返事をすればかかる水しぶきに、俺は笑い出す。「やり返していいってこと?」「やだやだ!」飛び交う水しぶきを見ながら考えた。どうしたらこの気持ちが抑えられるだろう、胸が苦しくて、たまらない。#Bプロプラス
化粧をする私を興味深そうに見る和南の視線が恥ずかしい。「どうしたの、」和南だって仕事でメイクぐらいするでしょ。和南は化粧が途中の私の顔を愛しそうに見つめて「俺の為に、こんなに可愛くなってくれるのかなって」と笑う。「当たり前」#Bプロプラス ほら和南も、ピアスつけ忘れてるよ。
「迎えに来なくてもいいんだよ」帰り道の君は、会うなり暗い顔で呟いた。迷惑、だったかな。「どうして?」「和南、忙しいのに」俺は握った手に力を込めて、「本当は毎日だって迎えに行きたい」体の弱い君を頻繁に迎えに行くのは俺の為。会いたいって言えない俺の、君に会う口実だから。#Bプロプラス
「もうやだ。こんなのタツに迷惑ばかりかける」「そんなこと思ってねぇよ」病院からの帰り道、お前は車で涙を零した。周りと同じに生活したいだけなのに、どうしてお前だけ体が弱いんだろう。「迷惑、かけたくない」「お前以外に迎えに行きたいやつなんていねぇよ」#Bプロプラス 笑うなよ、本心だ。
「おや、お目覚めですか」ふらりとリビングにやってきた貴女の熱い体を抱き寄せて額を合わせれば、むすっとした顔が見えて。「どうかしました?」「寝るまで一緒だったのに、どうしてひとりにするの」「……トゥンク」#Bプロプラス それは良い殺し文句です。じゃあ一緒にベッドに戻りましょうか。
オフの日だってランニングは欠かさない。でも、いつもと少し違うのは君が一緒に来てくれること。「やっぱ疲れるね」「お腹すいた?」「うん、ねぇ和南ご飯食べて帰ろうよー」君との朝が楽しみで、つい早起きしてしまうんだ。#Bプロプラス あ、そのクリームパン、一口ちょうだい。
最近タツ殿がそそくさと出かけるようになった。最初は「友達と飲み」や「兄がこっちに来てる」だったのにネタが尽きてきたのか「ちょっとそこのコンビニまで。メシはいらない」と言い深夜まで帰ってこない。#Bプロプラス 「バレてないと思ってるのかな」「どこのコンビニまで行ってるんでしょうねぇ」
リーダーはめっぽう分かりやすい。「今日はちょっと出掛けるよ」と言う日は大抵家デートで、「今日ちょっと遅くなるね」と言う日は大抵ドライブだ。「今日は品川の水族館辺りですかねぇ」そのときぴろん、とJOINの通知が。「明日の朝、直接現場に向かいます」……おやおや、ついにですか。#Bプロプラス
モモタスは未知数だ。「今週は忙しいですね」「あぁ」と会話をした翌週に「そろそろ会いに行かないんですか?」と聞いたら「先週は二回会った」と言う。いつの間にそんなに。ふと部屋の物音にそっと耳を立てると、『あぁ……明日はロケだ』なんて声が。#Bプロプラス なるほど。そういうことでしたか。
例えば電車で、眠る君が体を預けるのが俺の肩だったとき。手を差し出したら迷いなく手を取ってくれたとき。そんな幸せが、ずっと続けばいいなと思うから。「ねぇ」「なあに、和南」「俺たち、家族になれたらって思うんだけど…どうかな」「……え?」#Bプロプラス
「この雨じゃ遊園地は……」「駄目かあ」たまにしかない和南のオフに合わせてお休みを取ったのに、生憎の雨で。遊園地に行きたかったわけじゃないけど、和南と遠出はしたかったかも。和南はそんな私の手を引いて、「今日は水族館に行こう」「え」「俺が天気予報見てないと思う?」「!」#Bプロプラス
「ねー釈村、好きなんだけどー」突然の告白に僕は椅子から落ちるのを必死に堪えた。「え?次なんだけどさー」キョトン顔の貴女は何もなかったかのように話を進めるから、「あのー」「はい?」「好きなんですけど」「……はい?」あなたは別に悪くないけれど、ちょっとした仕返しだ。#Bプロプラス
君を迎えに行く足取りは軽い。二本持っていた傘は土壇場で一本置いてきた。元々ゆっくりではなかった速さが小走りになって、最後には全力疾走。君の姿を見つけて思わず飛びつくように抱きしめた。「和南、もしかして何か用事でも」「ううん、違うんだ」#Bプロプラス 「早く会いたかっただけなんだ」
愛している、と電話越しに囁いたところで大した力にはならないのだと知った。なかなか会えない職業だからこそ、会いに行くべきなのだ。「帝人、何で」「会いたかったから、会いに来ました」きっと会いたかったのは、僕の方なのだ。だってこんなにも、胸が熱い。#Bプロプラス
家を出る時間を早めたのは君の顔を見る為。「和南、どうして」「おはよ。顔見に来た」君が俺を見て驚いた顔をするから、俺は自分の思惑が成功したことを知る。「ご飯食べてく?」「うん。あんまり長くはいられないんだけど」君と二人の食卓、この光景が日常になる時を夢見て。
仕事を終えて向かうのは、今朝と同じ場所。すやりと眠る君の頬を撫でればかかる寝息が温かくて、隣に潜り込んで目を閉じた。(おやすみ)心の中で呟いて君の手を取る。明日の朝、君は驚くだろうか。#Bプロプラス 明日の朝ご飯は、俺が作るよ。
「まーた隈出来てる。ちゃんと寝てるの?」「プレゼン前だってご存じのくせに」パソコンの前から連れ出せばぐずぐずと文句を言い出すからそれも飲み込むキスを一つ。「和南」「ん?」「頑張るね」「うん」#Bプロプラス 不機嫌な君の心を癒やすもの。ケーキと紅茶とそれからそれから。
「貴女に跡をつけていいのは、僕だけだと思っていましたが」「何の話?」貴女の白い首に貼られた絆創膏。そんなところに絆創膏を貼る理由なんか、アレ以外思いつかなくて。「ちょっと、」「白昼堂々と浮気ですか、関心ですね」べり、と絆創膏を剥がして赤くなったそこに吸い付けば、痛い!と抗議の声がする。ただ、その声があまりにも切羽詰まっていて、仕方なく唇を離した。「帝人、誤解させたのは謝るけれど」「誤解?首筋に絆創膏貼って、こんな立派に跡つけられて」「だから、それは火傷よ!」「……は?」吸い付いた箇所をもう一度見れば、確かにちょっと皮がめくれていて。僕の唇の水分で少し湿っていて。さっき貴女があんなに痛がったのにも合点がいった。「何で、こんなところを」「髪巻いてたらコテで」「……びっくりさせないでくださいよ」「私は説明しようとしたのだけれど」「………」拗ねてしまった貴女の手を取ってぐいと引っ張ればすぽりと腕の中に収まる体。
「……話も聞かず、すみませんでした」「いいわ、もう」「仲直りのキスをしたいんですが、どこがいいですか」貴女の頬が少し赤く染まる。あぁ、好きだ。ちょっとのことで醜く嫉妬をしてしまうくらいに好きだ。「私がどこに欲しいかくらい、分かってもらわなきゃ困るのだけれど」「……もちろん」顎を掬って、貴女が目を閉じて。唇を落とす先は、もちろん。(おわり)
「これ、なあに」うん?と首をひねる君の首筋をとんとん、と人差し指で突いた。首筋に貼られた絆創膏。いくら隠そうとしたとはいえ隠し方が乱雑すぎないか、君らしくもない。「…俺のことは、嫌いになった?」「ちょ、和南」「そんなに他の男が良かった?」自分が嫌になる。やっぱり俺には、何もない。才能も、家族も、愛も。やっと見つけたと、思っていたのに。「ごめん、こんなことして」「話を聞け」「…ごめん」掴んでいた君の手首をそっと離す。君はやけに不機嫌そうな顔で開放された右手で俺の顔をむぎゅ、と掴んだ。「増長、和南!」腹の底から出したような声が目の前で炸裂して、俺は思わず目を丸くした。君は酷く冷静な声で「話を聞きなさい」と俺を一瞥した。言い訳なら、聞きたくない。君は自分の首筋に貼られた絆創膏を剥がした。現れたのは、何かの傷跡。……傷跡?「今朝、コテで火傷したの」「え」火傷、という言葉が頭の中でぐるぐると回った。火傷、やけど……。そして自分の一連の行動が走馬灯のように頭の中を走り抜けた。固まった俺を見て、彼女はようやく俺の顔を開放する。「早とちりなんだから」「う、」「このあと暇?」「今日、もう終わり?」「え、うん」「何奢ってもらおうかなー」スタスタと歩き出す彼女の背中を追いかけた。後ろから抱きしめれば止まってくれた。行かないで、俺のことを置いていかないで。そんな気持ちを込めて腕に力を入れて。「後で、何でも買ってあげるから。今だけ」しょうがないなあ、と笑う彼女に、きっと俺はいつまでも敵わない。
私達の日曜日の朝は忙しい。「トゥンク!今週のマミリンも楽しみですねぇ」「終わったらすぐ退いてよ、仮面○イダー始まるんだから」「もちろんです。あ、はじまります」朝ごはんを作りながら見る背中はアイドルなんかじゃなくただのオタクだけど、似たもの同士だしやっぱり好きだなって。#Bプロプラス
りん、と鈴が鳴る。鈴の着いた鍵を目の前にぶら下げられて、俺は目を丸くした。「これ」「和南が家に来たとき、私が先に帰れなかったことがあるでしょ」君の家の鍵。今は別の鍵だけど、いずれは同じ鍵を持って、どっちが鍵を出すかで言い合ったりして。…ちょっと、妄想が過ぎるだろうか。#Bプロプラス
ふと目覚めたら、帝人の膝の上で寝かされていた。奴め、また起こしてくれなかったのか。私の手を包み込んでいる帝人の手が、熱い。すぅすぅと聞こえる音に視線を上げれば、寝息を立てていたのは他でもない帝人で。帝人の寝顔、はじめてみた。#Bプロプラス 私の知らない君が、まだまだいるね。
別々のタイミングで布団に入ったはずなのに。目覚めたら腕の中に君がいて、脚を絡ませていて、ふふと笑みが溢れた。安らかな寝顔をいつまでも見ていたいと願うけれど、やっぱり早く起きないかな。寝起きの掠れた声で、かずなって呼んでくれないかな。#Bプロプラス 楽しい休日の始まりだ。
「私だけって、言ってほしい」瞳いっぱいに涙を溜めた君は、それだけ言ってぷいと目線をそらしてしまった。不器用な君が俺に何かをしてほしいと言うのは初めてで、俺は君の頬を伝う涙を拭って顔を覗き込む。「増長和南は、君のことだけを愛しています…例えこの星が終わろうとも、ね」#Bプロプラス
「釈村、お前仕事あんのに彼女とかいていいの?」大学同期釈村とレポートを片付けていたら釈村の友達にそんなこと言われたい。「えっごめ、釈村アンタ彼女いたの」「え?」「え?」みたいな会話したい。#Bプロプラス
「えっ君釈村の彼女じゃないの?」「え、釈村さんそうだったんですか」「はい、彼女です」とか言われて最初はそっかーって思うんだけどよくよく考えて「ちがくない!?!?!?」ってパニックになる
「ダイエット?」「明日から走る距離伸ばそうかなって」突然何かと思えば頑固な君は譲らない。「俺は、今のまんまでも可愛いと思うけど」「駄目、和南くんに似合う可愛い子になるの!」足元にお酒の空き缶があってこの可愛い我儘の理由を察するけれど、「…それはちょっと、嬉しいかも」#Bプロプラス
じゃあ決まりねっ!とにこにこ笑う君の手を引いてぎゅっと抱きしめた。「これ以上可愛くなるのも、困るなあ」食んだ唇から甘いフルーツの香り。折角の決意だけど、明日は走りに行けないかもしれない。「かずな、」君がそんなに熱っぽい視線を寄越すから。今夜は多分、眠れない。
目が覚めると汗びっしょりで息も切れていた。あまり覚えてないけど、何だか嫌な夢でも見たのかな。「和南、」慌てて隣の君に寄り添えば「ん、いい子」と抱きしめてくれるから、次に目を閉じるのなんてちっとも怖くない。#Bプロプラス もう少しだけ、眠ってもいいかな。
家に帰ってきた彼女が鼻をすんすんさせているから話を聞けば、派手に転んで両膝を擦りむいたのだと。幼稚園児のような怪我の仕方に笑ってしまえば「和南のばか」とぷいと拗ねてしまうから、謝りながら絆創膏を貼ってお風呂に送り出す。出てくる頃には、君の好きなご飯が出来てるよ。#Bプロプラス
「これ、フレグランスの試供品?」うん、そうだよ。ひとつひとつ検分していく君が気づかないわけもなく。「和南のが、ないけど」自分の香りを君がつけるなんて照れくさくて、手のひらに隠したまんまのそれを奪われる。「ん、これが一番好き」へらっと笑う君に、俺は今日も敵わない。#Bプロプラス
「見てみて増長くん、髪切ったの」毛先を指先でくるりと遊んで見せる彼女は、随分ばっさり髪を切った。女の髪は命らしい。その命を切ったってことは「…何かあったの?」聞けば彼女は頬を染めて、「可愛い?」なんて答えになってない答えを言う。その頬の意味を、俺はまだ知る由もない。#Bプロプラス
「…体、冷えてる」女の子が冷やしちゃ駄目、と和南は自分に掛かってた布団を私に掛けようとするけど、アイドルだって冷やしちゃ駄目でしょ。「いいんだよ、俺は」和南は優しいけれど、その自分を蔑ろにするところはあんまり好きじゃないのよ。#Bプロプラス ほら、ぎゅうとくっついたら二人共温かい。
お風呂に入って、紅茶を飲みながらゆっくりするこの時間が大好きだ。君が俺の肩に体を預けてくれることも、「かずな」とふにゃりとした声で名前を読んでくれることも。「なあに?」「何でもない」「じゃあキスしちゃお」「ん」#Bプロプラス いま世界が終わるとしても、俺はきっと、穏やかなのだろう。
「ただいま」「お帰り」帰ってきたらご飯が出来ていて、お風呂が湧いていて、そして君がいて。こんなにありふれた幸せ、俺には勿体無い気がするけれど。「いつもありがとう」「急にどうしたの、和南」「急にじゃないよ、いつも思ってるよ」ふわりと君を抱き締めれば、更に幸せ。#Bプロプラス
彼女が二時間も風呂から出てこないとき、俺はどうしたらいいのだろう。まさか眠ってしまったのでは、とそっと様子を伺うと聞こえるのは啜り泣く声。「……大丈夫か」「…大丈夫だよ」無理して言う声に無性に苛立って浴室の扉を開けた。#Bプロプラス「もも!」「…大丈夫なら、俺に隠れて泣くな」
「…どうしたらいいか、分からないの」小さなそう声で言って膝を抱えるから、俺は服を着たまま湯船に入り、ぎゅうと背中から抱きしめた。「も、もも!?」「それなら尚更、一人で泣くな」どうか許してほしい。悩んでることに気づかなかった俺を、力いっぱい抱きしめて愛を伝えることを。
しとしとと雪が降っていた。俺は静かにマグカップに口をつける君を後ろから抱きしめて、肩に額を預けた。君は身じろぎもせず「どうしたの」と言うだけ。「結婚する気が無いわけじゃないんだ。でも、君をそんなに追い詰めてるって気づかなかった。……ごめん」「…別に」#Bプロプラス
君の言葉はどこか冷たくて、諦めているようで。俺は躊躇いながら口を開く。「俺のせいで、随分待たせちゃったよね。こんな俺だけど」ぎゅ、と腕に力を込める。君の頬に涙が伝うのが見えた。「君の傍で、生きていたい」君は、何て言うだろうか。これが俺から君への最大の愛の言葉だと、気づくだろうか。
和南くんはアイドルだから、と俺の気持ちを知ってものらりくらりと躱す君が焦れったくて。汗の滲む指をするりと絡め取って、唇が触れるほど顔を近づけた。「俺のこと、まだ友達って呼ぶつもりなの?」#Bプロプラス ほら、真っ赤になるってことは、君も俺のことを意識してるってことでしょ?
前々から飲みに行くことは伝えていたけど。じゃあ行ってくるね、と玄関先に立つと和南はソファからひらりと手を振るだけ。気持ちを一人で隠してしまう彼が目を伏せるのを見てしまったから、玄関から和南のところまで引き返してすぐ帰ってくるね、と改めて伝えなきゃ。#Bプロプラス
「ただいま」むすぅぅぅ。ソファに座って雑誌をめくる和南からは、そんな効果音が聞こえる。「…ちょっと、遅いんじゃない?」「終電2本前だよ」こうなることは予想済み。私は最後の切り札を取り出すのだ。「彼氏の惚気してたら遅くなっちゃった」#Bプロプラス ぷしゅう。和南は目を覆って「……許す」
「バレンタイン、ありがとう」「こちらこそ」和南に貰ったのはお菓子の袋と小さな封筒。「和南もお手紙?」「開けてみて」微笑んで何も言わない和南を不思議に思いつつ封筒を開けると、「休みが取れたんだ。俺と、デートしてくれる?」短い手紙に挟んであったのは遊園地のチケット。#Bプロプラス
「みかど」酔っ払った貴女はどんなに抱きしめてもキスをしても抱き上げてぐるぐる回ろうともニコニコと笑ってくれる。それどころか「みかど、」と僕の後ろをついて回って片時も離れようとしない。「大好きですよ」「ん、わたしもー」「いつもこんなに甘えてくれればいいんですけどねぇ」#Bプロプラス
「おはようございっ!?!?何するんですか!!?!」「帝人こそ何でそんなにべたべたしてくるの」「昨日の貴女はあんなに甘えん坊だったのに」「…覚えてない」「帝人帝人ってひよこのように僕の後をついて回って」「覚えてない!!!!」「へぶっっ」
「凄かった」と何度も何度も口にする君を見て、本当に凄かったんだなと想像する。本来なら君はそこにいるはずで、でも今は違う居場所があって。その景色を君はどんな気持ちで見ていたんだろう。「いつか、僕たちもやるんだ」「絶対行く」そんな君の隣に、胸を張って私も立っていたいんだ。#Bプロプラス
「そうですか今日は私以外の女の子に愛を叫ぶ日ですか」「ライブって言えよ」てかお前も来んだろ、と玄関に向かおうとする剛士の背中に拳をぴったり付ける。「…期待してる」君は不敵に笑う。「せいぜい腰抜かさないようにしとけ」#bプロプラス 「行ってくる」「うん。また後で」「あぁ」
「な~んかさ、デートみたいじゃんね?」暉くんは嬉しそうにクレープを頬張りながら笑った。で、でーと。私は大きく口を開けたところに爆弾を落とされて固まった。精一杯の力を使って一口を飲み込むと、暉くんは私の口元を拭って、ぺろり。#Bプロプラス 「ん、美味し」「……へ、」
「…デートなのかって言われた」「は?」一緒にジムに来る仲間の野目は筋トレの手を止めてぽかんと口を開けた。「ジムの後、いつもご飯食べてるから…」体幹トレーニングをしながらごめん、と呟くと、野目は筋トレの手を再開して「別に、俺はそれでもいいぞ」#Bプロプラス 赤い耳の真意はいかに。
「デートみたいですね」!?学食で蕎麦を啜る釈村がそんなことを言うものだから私は自分の唐揚げを喉に詰まらせた。「おや、大丈夫ですか?」「誰のせいだ」釈村はつゆの中の麺を丁寧に拾い上げて口に入れると、私の目をじっと見た。#Bプロプラス「学食デートなんて、萌えますね」「…デート、ねぇ」
「…デートみたい」百の買い物に付き合った帰り、百の好きな甘味を食べていると、ふと言葉が漏れた。「…そうだな、」百はそう言ったきり言葉を切ってしまって。困らせたかな。不安になったとき、百は自分のあんみつを私の口に突っ込んで微笑んだ。#Bプロプラス「これはデート、だ」
映画を見て、カフェでお茶して、連れてこられたのはお洒落なプラネタリウム。和南の『ちょっと付き合って』がこんなにも、その。「…デートみたい」そう呟くと和南は目線を前に向けたまま私の手を取って「俺と、デートしよう?」#Bプロプラス 「いいよ、デートしてあげる」「ふふ、ありがとう」
この映画、あんまり面白くないなぁ。映画館まで足を運んだはいいものの、映画の内容があまり好みじゃなくて欠伸をかみ殺す。隣でずずずと飲み物を吸った百も欠伸をかみ殺しているのが見えた。百の二色の目がこちらを向いて、熱い唇と共にすっと近づいて。#Bプロプラス
和南は明日も仕事か〜と私がぼやけば私の膝で丸くなる和南は眉を下げて「ごめんね?」なんて言う。何だか申し訳なくなって、照れ臭くなって、和南の髪をくしゃくしゃと撫でた。和南はふふっと笑って「明日、夜中になるかもしれないけど…会いに来ていいかな」と私の頬に手を伸ばして。#Bプロプラス
きっと今頃和南は何も知らないなんて顔をしてコーヒーでも飲んでるんだろう。でも最近そわそわしてたこと、にこにこしてたこと、全部知ってるからね。しょうがないから、日付が変わる瞬間はMooNsに譲ってあげる。#Bプロプラス だってMooNsは和南の大切な居場所だもんね、それも知ってる。
「おめでとうございました」「ありがとうございました」和南も私も、明日から普通に日常に戻る。和南が手招きするベッドに潜り込めばすぐに眠気が襲ってきて、優しい手に導かれて夢の世界へ。「おやすみ、また明日」抱き合って眠るこのときが、いつまでも続けばいいのに。#Bプロプラス
「これ、バレンタインね」ちょっと照れた顔の君から渡されたのは小さな封筒だった。これ、手紙?「チョコは山ほど貰うでしょ」と言い残して逃げようとする君を捕まえて、ぎゅぎゅうと抱きしめる。「和南へ」と書かれた小さなそれが、どんなチョコよりも嬉しい。#Bプロプラス だって、君が一番だから。
「バレンタイン、ありがとう」「こちらこそ」和南に貰ったのはお菓子の袋と小さな封筒。「和南もお手紙?」「開けてみて」微笑んで何も言わない和南を不思議に思いつつ封筒を開けると、「休みが取れたんだ。俺と、デートしてくれる?」短い手紙に挟んであったのは遊園地のチケット。#Bプロプラス
「ん、」「ん?」「ん」帝人はチョコを咥えて私の方を向いた。何かを企んでいる。私は培ってきた勘をフル稼働して無視を決め込む。すると帝人は咥えていたチョコをぱくりと食べて。「僕の姫はディープなのがお好きなんですねぇ」#Bプロプラス 口の中に流れ込んできたチョコは、どろどろに溶けていて。
増長和南に言われたい台詞
拗ねたように「…それはやだなぁ」
優しく笑って「ほんとに幸せだ」
静かに怒って「俺の言うこと、聞いて」
困ったように「俺じゃ駄目かな」
優しく抱きしめて「…俺だけ、見て」
#Bプロプラス
あと一回、もう一回…頑張れないかもしれない。帝人の曲を聞きながらぐずぐず泣いていれば、いつの間にか傍にいた帝人の膝上に抱き上げられた。「見えてるものが全部じゃありませんよ。いつもは傍にいれませんが、僕はいつでも味方です」一緒に呼吸をして、さあもう一度。#Bプロプラス
君と次の約束をしたことはない。いつも帰り際に『またね』と手を振るだけ。それでも何日かすればどちらからともなく連絡をするのだけど。「ねぇ、次はいつ会える?」…私も、同じこと考えてたよ。と手帳を取り出す君のことを、俺はもう少しだけ帰せそうにないよ、ごめんね。#Bプロプラス
「誰が一番カッコよかったですか?」ライブのあと、私にくっついて甘える帝人はまるで大きな子供だ。どうだろう…愛染くんかな?「ええっ愛染先生に浮気ですか?!」悪い子ですねぇと服を弄り素肌に手を触れて。必死に私の唇を求める帝人は、まるで嫉妬を隠そうとしない。#Bプロプラス 君が一番だよ。
「この曲…」俺にとって二曲目のソロ曲は前回より明るくなって、前向きな歌詞だった。「増長くん、前より明るくなったから、歌詞も明るくしてみました」作詞をしてくれた彼女は何も知らずにそう言った。ねぇもしも、俺が明るくなった原因が君への恋心だって言ったら、どんな反応する?#Bプロプラス
「ちょっと」俺のソロ曲を書いてくれた彼女を捕まえた。「君は俺にこんなイメージがあるの?」世界が白黒だと嘆くような奴に?彼女はちょっと驚いた顔をして、どうして私の主観を聞くの?と。俺ははっとして何でもないと彼女を開放した。#Bプロプラス 君が俺をどう思うかが気になる。つまりそれは。
手を繋いで歩けない。見られただけでアウトライン。こんな制約ばかりの俺で、いいの?そんな俺の不安を、「和南じゃないと嫌だよ」君は一瞬で吹き飛ばしてしまう。それなら俺は君に恥じない男になって、そしていつの日か、神の前で堂々とキスをしよう。#Bプロプラス だからもう少しだけ、待ってて。
百は月明かりみたいだね。ベランダで一緒に空を見上げて、百が入れてくれた熱いお茶を飲んで。都会だし大して星は見えないけれど、お月様だったら仄かな月明かりを放ちながらいつでもここにいる。「どういう意味だ」「百がやさしいってこと」「…そうか」私の月は、今日も綺麗。 #Bプロプラス
落ち込んでるのを隠せているとは思ってないけど。…和南には関係ないでしょ。つい意地を張ってそっけなくしてしまえば。「意地悪しても、そっけなくてもいいよ」と和南は笑う。なんで?思わず聞き返すと、「君が一人で泣くよりずっといいよ」なんて。 #Bプロプラス …あのね。うん、どうしたの?
ライブ、どうだった?俺の言葉に君は「すごかった!」と興奮気味に話してくれる。Bプロのことを褒めてくれるのは嬉しいけど。「…ねぇ、誰が一番かっこよかった?」#Bプロプラス「和南が一番カッコよかった」その言葉を聞いて安心して、甘えるように抱き着いたら、君はお疲れと頭を撫でててくれた。
「僕がアイドルなの、どう思います?」ただの興味本位。どんな答えでも覚悟していた。キッチンでコーヒーを入れる彼女はへらっと笑って「他の子より彼氏のカッコいいところ見れるから好きー」なんて言うから、僕の彼女は女神で辛い。素敵な答えのお礼に贈るのは、ひとつのキス。#Bプロプラス
馬鹿にしてるわけじゃないけど、和南は頭脳担当だと思っていた。突然現れたガラの悪い人に絡まれて、和南の瞳がすっと細くなって。周りを一瞬で倒して私の手を引いて走る君は、なんだか別人みたいだ。#Bプロプラス「怖い思いさせて、ごめん」額を合わせてくれる君は、いつも通りに見えるのに。KoC増長
「トゥンク!最高にお綺麗ですよ」…なんか、嘘くさい。「ちょっ、何でですか!」振り袖は重いし苦しいしちょっと不機嫌な私に、帝人は恭しくお辞儀をして。「行かせたくないくらいに美しい。このまま会場までお送りましょう、姫」#Bプロプラス って、君が会場に現れたらパニックになるでしょ!
君を攫って、世界の旅に出る。世界中を見て、この星が終わるまで君と笑う。そんな夢を見た。「和南!」波打ち際で君と手を繋ぎ、踊るように歩みを進める君の手を引いて。「このまま君のことを、攫ってもいいかな」#Bプロプラス 止まらないこの想いを、どうか受け取って欲しい。
「何それ?」「BプロのCDディスプレイする棚買った」久々に彼女の家に行くと、見慣れないものが。「和南のうちわもアクスタも置けるよ」と鼻歌を歌いながら並べる彼女の手には、「…ふぅん、百のアクスタも持ってるんだ」「なあに、ヤキモチ?」#Bプロプラス 別に。でも、面白くはないなあ。
「膝枕なんて久しぶりだよ」なんて和南は笑うけど。…病人は早く目を閉じてくださーい。「えぇ」額に冷えピタの和南はいつもより幼く見えて。完璧主義者も寒さには勝てなかったか。「移しちゃったら、ごめんね」そんなのいいから、早く目を閉じて。#Bプロプラス 目が覚めたら、一緒にご飯食べよう。
「俺がアイドルなのを、お前はどう思ってるんだ」静かに眠る彼女に向かって呟く。帰りも遅いし一緒にいる時間を多く作ってやれる訳じゃない。こんな彼氏は、不満だろうか。月明かりに攫われないように抱きしめる。俺の仕事が嫌いでもいいから、「俺がお前を愛することは、許してほしい」#Bプロプラス
…スキャンダルとか。「気をつけるよ」…ファンに狙われるとか。「俺が守るよ」腰に腕を回されて、逃げることすら叶わない。キスの直前まで顔を近づけて。…和南ってそんなタイプだっけ。「君にだけだよ」エリートドッグなんて嘘でしょう。 #Bプロプラス だってこんなに、私の言葉を聞いてくれない。
「俺がアイドルなの、どう思ってる?」いつも思っていた不安が、ついぽろりと口から出た。迷惑とか、思ってないかな。こたつでみかんを剥く君は、訳がわからないという顔で首を傾げる。「別に。和南が嫌じゃないならいいんじゃない?」……あぁ、俺は彼女のこういうところが大好きなんだ。#Bプロプラス
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