また幹部の誰かが質問した。

「なんでベックと結婚したいんだ？」

「んーとね、カッコイイし、強いし、優しいし、いっぱい抱っこしてくれるから！」

子供らしい答えだ。

途端にシャンクスが話に割り込んだ。

「だったらパパでも良いだろう！？」

「んーと、パパはママと結婚してるからダメだってベックが言ってた」

「・・・そうか」

子供の前では絶対に見せない寂しそうな顔をした。

だが次の瞬間シャンクスはベックをキッと睨んだ。

余計な事を言うなと。

「でもね、パパ大好きだよ！」

「！」

シャンクスの顔が明るくなった。

「ママも！ベックもヤソップもルウも、みんな大好きだよ！」

アイリは大きな声で言った。

「そうだな」

「みんなもアイリが大好きだぜ！」

幹部達も返す。

ベックも返した。

「だったら早く大きくなれよ」

アイリの頭をポンポンした。

笑顔になった。

その後も色んな話にアイリも参加した。

気づけばアイリが寝る時間はとっくに過ぎていた。

少し大人しくなった。

眠そうに体制を変えシャンクスに抱き着く。

顔にシャンクスの胸板があたる。

ぎゅっと抱き着いていた。

「どうした？眠たいか？」

頷いた。

「もうこんな時間だもんな。ママに知れたら大変だ」

そう言いシャンクスは抱っこして部屋に向かった。

「姫が寝るぞー！少し静かにしろー！」

幹部が叫ぶと少しの間、静かになるがいつの間にかまたうるさくなる。

「それにしてもベックと結婚するって言うとはな」

副船長と幹部達が話していた。

「ああ、驚いたよ」

「でもあれだけ可愛いんだ。一瞬本気にしなかったか？」

「バカ言え、子供の言う事だ」

「じゃアイリがあと１５年、年取ったらどうしていた？一理あったんじゃねェか？」

「・・・・・」

「アイカがあれだけ美人なんだ。アイリも美人になるぜ！」

「そうだな」

「今本気で考えたんじゃねェか？」

「うるせェ。娘にしか思ってねェよ」

『ぎゃははははは』

めずらしく幹部達に副船長が、からかわれていた。

楽しそうな会話。

そして夜が明ける。



Fin・・・。