「この女・・・誰だ？」

そう言葉が発せられたのは赤髪海賊団の船の医務室。

発した人物は副船長ベックマン。

「え・・・？ベック・・・？」

「お、おい嘘だろ？」

「冗談だよな？」

「いや、冗談でもキツいだろ？」

集められた船長始め幹部達。

アイカの記憶が戻った数日後、いつもの赤髪海賊団に戻ったのだが、突然ベックマンが頭が痛いと言い倒れてしまった。

急いで医務室に運び、ホンゴウに診せた所、ストレスと疲労が原因だろうと診断され、アイカが記憶喪失の時にストレスが負担になっただけだろうと言われた。

目を覚まし１日休ませれば元気になると言われ、みんな安堵したが目を覚ましてみれば今度はベックマンが記憶喪失だった。

「お頭、うちに女の仲間なんていたか？」

「おい、それ本気か？」

「ベック？私だよ？アイカよ！わかるでしょ？」

「・・・誰だ？・・・お頭の新しい女か？」

「！」

「マジかよ・・・！」

「今度はベックが・・・！」

「・・・・・そうだ、記憶喪失のフリして私にも同じ気持ちになってほしくて言ってるんでしょ！？そんな冗談いらないし、いつも通りに接してほしい！・・・・・私が記憶喪失になった時の事、本当は怒ってるの？」

「・・・わけのわからん事を言う女だな。目障りだから俺に近づくな」

「！」

そう言うとベットから起き上がり医務室を出ようとした。

「おい、ベック、今日１日ぐらい安静にしておけ」

ホンゴウは止めに入った。

「体調は問題ない。仕事が山ほどあるんだ。休んでる場合じゃない」

そう言い出て行ってしまった。

「・・・嘘でしょ・・・？」

「はァ・・・困ったな」

「こんな事ってありえるのか？」

医務室でアイカを始め仲間は困っていた。