街を歩きながら朝食はどこにしようかと話していた。

「朝だからパンも良いよね？それともこの街、朝市あるから海鮮丼にする？」

「そうだなァ」

昨日の昼間と同じような話。

昨日からアイカの機嫌がすごく良い。

デートを素直に楽しんでいる。

何かわからないが宝物も増えた事でさらに機嫌が良い。

そんなアイカを見ていると自然とベックマンの機嫌も良くなる。

市場を過ぎたあたりぐらいから近くに人相の悪い男３人。

さっきからジロジロ見られ、睨まれている事は気づいていた。

２人ともその男達と目を合わせないようにしていたが、それが気に入らなかったのか、それが奴らの手口かわからないが、いきなりアイカの足元に小石を投げつけた。

「痛っ！」

見事アイカの足首に当たりその場に立ち止まってしまった。

急いで自分の足首を見るが赤くなっている。

小石を投げた犯人はわかっていた。

「大丈夫か？赤くなってるじゃねェか」

「大丈夫！赤くなってるだけ！こんなの数分もすれば無くなる！それより・・・！」

もう２人の目の前に男達が近づいていた。

「おい女、お前上玉じゃねェか。俺達と遊ばねェか？」

「遊びません！きちんと私に謝って下さい！」

「俺達と遊んだら謝ってやるよ。だがその前にお互いが気持ち良くなる遊びをしようぜ？気持ち良くなればそんな事どうでもよくなる」

な？と肩に手を回そうとして来た。

でも黙って見ているベックマンじゃない。

その手を自分の手で払った。

「俺の女に手を出すな」

「なんだ？・・・女の前だから良い所を見せてェだけだろ？」

「俺に勝てるか？」

そう言うとライフル銃を男の額につけた。

「ひっ・・・！銃！？」

一体どこから取り出したんだと言うスピードだった。

「大人しく引け！」

「お前、そんな事言って良いのか！？」

「ベック！」

「しまった・・・！」

１人の男に集中するあまり他の男達は見ていなかった。

振り返ると男の仲間がアイカの首に腕を回し、もう１本の腕で刀を突きつけていた。