街に到着した。

俺はまっすぐアイカの家があった場所を目指した。

いるなんて保障もねェのに。

だがもう何年も行ってなかったため街は少し変わっていた。

噴水は変わらずにあったがアイカの家があったところは全部、道になっていた。

取り壊させていたのだ。

「はぁ・・・」

１人ため息をつくシャンクス。

だよな。

何やってるんだ・・・。

いねェとわかっていたんだから、来る必要なかったんだよな。

バカだよな、本当に。

トボトボ歩きながら船に向かっていった。


ドン！


あまり前を見ていなかったせいで人とぶつかった。

「痛・・・」

「あ、すまん・・・」

人を立たせようと手を差し出し顔を見た。

「・・・！！！」

その人も顔を上げ見た。

「・・・！！！」

ビックリした。

ビックリしたけど一目でわかった。

「・・・アイカ・・・？」

「・・・シャンクス・・・・」

あの頃よりも大人になったアイカだった。

アイカはシャンクスの手を借り立ち上がった。

「・・・元気だった？」

「え・・・？」

あの時の事を攻めることもなく意外な質問が出た。

もう昔の事だから怒ってないとでも言うのか？

「・・ああ。アイカは？」

「うん、元気だったよ」

他愛もない会話。

しばらく沈黙が流れた。

「アイカ、１つ質問があるんだ」

「何？」

「臆病な俺があの時答えていたら、まだアイカとは続いていたのか？」

少し驚いた表情の顔をした。

でも途端に笑顔になった。

「おかえり」

その言葉を聞いた瞬間シャンクスはアイカに抱きついた。

そしてためらいがちに伏せた瞳。

さまよう唇、けれど重ねた。

すぐに離れようとするアイカ。

「ちょっと、ここ公共の場よ！？」

気付かず歩いている人達、立ち止まって見ている人達。

気付いた人がシャンクスとアイカに注目して見ていた。

「そんな事、関係ねェ」

もう１度すべてで感じたい。

君を守りたいだけなんだ。





完。