「急に針路を変える！？」

「そうじゃない、ただ少し遠回りだがあの街に寄るだけだ」

「あの街に何かあるのか？」

３人で船長室で話し合っていた。

「今更、無理です」

「良いか、これは船長命令だ！」

「はぁ・・・了解」

「副船長はお頭に甘い！」

など航海士は言っていた。

ベックは何かを察したみたいで当初予定にはなかった街に停泊しようとしていた。

ベックも航海士もいなくなった船長室。

「アイカ・・・」

考えていたら自分でも気づかないうちに名前を呼んでいた。

あの頃の俺はこの恋が嘘で良いと望んでいたのかもしれない。

純粋でまっすぐなアイカの気持ちに答えきれないから。

１つ確認したい事があるんだ。

臆病な俺がもしあの時答えてたらまだ続いていたのか？

・・・考えてもしかたねェ。

あの街にいるなんて保障はねェ。

いない方が確立的には大きい。

出航する時もいなかったんだ。

今頃どこかの街で他の男と結婚でもしているのだろう。

幸せな家庭など築いて。

こんな臆病な俺の事なんか忘れて。

でも俺はあの時の事を悔やんでいる。

なんで答えてあげれなかったんだと。

悔やむ度にまたその痛みが胸を締め付けるんだ。

アイカ、お前今何をしているんだ？

会ってお前に聞きてェ。

そして街に到着した。





続く→→→