「え？・・・どう言う事？」

「言った通りだ」

それは突然やってきた。

「出航する・・・？さようなら・・・？」

「ああ」

アイカの部屋にいる２人。

「嘘・・・でしょ・・・？」

「本当の話だ」

シャンクスの話が信じられなかった。

いずれ出航するんだろうとは思っていたが・・・。

『さようなら』

を、告げられるなんて。

『待っててくれ』

でもなく

『一緒に行こう』

でもなく

なんで・・・・さようなら？

意味がわからない。

「私の事好きじゃないの・・・？」

「・・・嫌いではない」

自分でも気づかないうちに涙は流れていた。

「それならなぜ私に触れたの？遊びだったの？」

「・・・・・」

言い訳を１つも言えないシャンクス。

「そっか、１人の女よりもシャンクスは仲間の方が大事だもんね」

「それは違う！アイカも大事だ！」

「嘘ばっかり！私なんて遊びだったんでしょ！？」

「違うって言ってんだろ！」

もう喧嘩になっていた。

一瞬静まり返った室内。

「・・・・・はぁ」

何も言えずにこぼれ落ちたため息。

アイカの涙が胸を濡らした。

それを確認したシャンクス。

これ以上ここにいたら気に迷いが生じると思った。

「・・・明日出航するから、じゃあ」

シャンクスは家を出て行った。

その瞬間アイカは泣きじゃくれた。

シャンクスの耳にもその泣き声は届いていた。

拳を握り締めるシャンクス。

アイカは人生で１番泣いた気がした。


翌日


シャンクスは気が重かった。

素直になれない自分がいた。

でもこんな別れ方はごめんだった。

だから出航直前仲間達に少し待ってもらった。

シャンクスは急いでアイカの家に行った。

家の前に着きドア越しに言った。

「アイカ」

返答なし。

「アイカ、入るぞ」

そっとドアを開けて驚いた。

「！」

部屋が、もぬけの殻になっていた。

家具も全部無くなっていた。

アイカは突然ここから姿消したのだ。

シャンクスはアイカを求めて溺れて傷つけた。

「はぁ・・・」

最後ぐらい良い別れ方をしたかった。

でもこれで良かったのかも知れない。

けして約束出来ない未来だから





続く→→→