小さな恋の結末
「えっ・・・?どう・・・言う事・・・?」
「もう1度言う。別れてくれ」
副船長室(2人の部屋)の中で向かい合って話していた。
何を言われたのか、わからなかった。
自分の耳を疑った。
なんでいきなりこんな話・・・?
わけがわからなかった。
「冗談でしょ?今日エイプリルフールじゃないよ・・・!?」
「冗談じゃねェ。本気だ」
エイプリルフールでもこんな事は言われたくない。
「私の事嫌いになったの?悪い所があるなら直すから別れるなんて言わないで!!」
「嫌いになったわけじゃねェ。アイリよりも好きな女が出来た」
「・・・好きな・・・人?」
「ああ」
その時ベックマンの後ろから現れた女性。
「へぇ~。この子がベックのお嫁さん?ずいぶんお若いのね」
「ああ」
背が高くてスラリとした身体。
黒い髪の毛は胸下ぐらいまであり巻き髪で化粧もバッチリ。
周りから見れば、こっちの女性の方がお似合いのカップルだと思うし、釣り合っているのかもしれない。
私とじゃ・・・親子と言った方が近いのかもしれない。
そんな事は自分でもわかっていた。
「ベック、まさかこんな子供と本当に結婚したの?遊びじゃないの?」
「・・・・・・」
何で本気で結婚したって言ってくれないの?
本気で付き合って恋愛して、結婚したのに・・・!
結婚・・・・・。
そうだ・・・!
「そんな事、パパが許さないと思う!!」
「それはもう解決した」
「解決・・・?」
「・・・殴られてきた」
「・・・!!」
確かに、よく見れば左頬が赤くなっている。
「数回殴られはしたが、他の女性を好きになったのなら仕方ねェと言われ、こいつも乗せる許可も取った」
”こいつ”と言った時、目で先程の女性をチラっと見てどの女性の事かを明白にした。
けしてアイリではない事を証明するかのように。
「・・・そんな・・・!」
アイリは愕然とした。
ショックと言う言葉で表せないぐらい。
ずっと幸せに生きていけると思ったのに。
「・・・私、妊娠したんだよ・・・!?私とベックの赤ちゃんだよ?どうするの・・・!?」
「・・・好きにしろ」
「・・・えっ・・・!?」
ベックマンの言った言葉が信じられなかった。
先日まで一緒に育てようと言ってくれたのに・・・!
「産んでも良いし、産まなくても良い。産むなら養育費は払うが、俺の子として認める事は出来ねェ」
「!!・・・なんで・・・!?ベックの子供だよ・・・!?」
すでに目から涙は流れていた。
なんとかベックマンの気持ちを戻そうと必死だった。
「こいつにも悪いし、これから生まれてくるだろう俺とこいつの子にも悪い。これからの俺達の人生に前妻の子なんて邪魔なだけだろ?」
「!!」
またショックを受けた。
まだ別れていないのに私の事を前妻と呼んだ。
自分の子供なのに邪魔扱いした。
「お金なんていらない!ベックの子供として一緒に育ててくれなきゃ嫌だ!」
ここで黙って見ていた女性が口を開いた。
「悪いけど、出て行ってくれる?今からこの部屋は私とベックの部屋だから」
「そう言う事だ。出て行ってくれ」
「・・・なんで・・・なんでなの!?私の事愛してるって言ってくれたよね!?大切にするって言ってくれたよね!?パパに言われた条件守って、私のせいでベックが死にそうになった時も自分の事より私の事を心配してくれたよね・・・!?なのに・・・!なのにどうしてよぉ・・・!?」
我慢出来なくなり泣き崩れた。
その場で座り込んでしまった。
「ここで泣かれても困る。もう出て行ってくれ」
「そうね。あなたの私物、出すのを手伝ってあげるわ」
強制的に立たせれ背中を押され部屋の外へと押し出され扉は閉じられた。
何なんだろう・・・。
何でこうなってしまったの?
私はどこへ行けば良いの?
この船に乗っていて良いの?
船を降りなきゃいけないの?
この子と2人、これからどうやって生きていけば良いの・・・?
1人で子育てしながら、あの2人の幸せそうな姿を横目に見て私は老いていくの・・・?
毎日毎日見たくない姿を見せられるの・・・?
ベックとは・・・もう・・・戻る事は出来ないの・・・?
「・・・・・いや・・・・・・・・・・いやー!!!」
「アイリ!!」
呼ばれたと思い、はっと目を開ける。
「アイリ!大丈夫か?」
「えっ・・・?ベック?」
目の前にベックがいる事が信じられないでいた。
周りを見れば2人の部屋のベットの上だった。
ベックマンは横に寝ていたがアイリの苦しそうな声で起きた。
「どうした?うなされていたぞ?悪夢でも見たか?」
悪夢・・・?
夢・・・?
「・・・ベック・・・?私と別れたりしないよね?」
「ああ。大丈夫だ」
「・・・良かったぁ~。本当に良かった・・・!」
また泣き始めた。
「ベック・・・キレイな女性を連れて来て、突然別れろって言うのぉ・・・!もうダメかと思ったぁ・・・!!」
アイリの頭をポンポンした。
「大丈夫だ、安心しろ」
「・・・うん・・・!」
アイリが泣き止むまでずっと抱きしめていたベックマン。
”もう俺の方が離れられねェよ”
続く→→→
「もう1度言う。別れてくれ」
副船長室(2人の部屋)の中で向かい合って話していた。
何を言われたのか、わからなかった。
自分の耳を疑った。
なんでいきなりこんな話・・・?
わけがわからなかった。
「冗談でしょ?今日エイプリルフールじゃないよ・・・!?」
「冗談じゃねェ。本気だ」
エイプリルフールでもこんな事は言われたくない。
「私の事嫌いになったの?悪い所があるなら直すから別れるなんて言わないで!!」
「嫌いになったわけじゃねェ。アイリよりも好きな女が出来た」
「・・・好きな・・・人?」
「ああ」
その時ベックマンの後ろから現れた女性。
「へぇ~。この子がベックのお嫁さん?ずいぶんお若いのね」
「ああ」
背が高くてスラリとした身体。
黒い髪の毛は胸下ぐらいまであり巻き髪で化粧もバッチリ。
周りから見れば、こっちの女性の方がお似合いのカップルだと思うし、釣り合っているのかもしれない。
私とじゃ・・・親子と言った方が近いのかもしれない。
そんな事は自分でもわかっていた。
「ベック、まさかこんな子供と本当に結婚したの?遊びじゃないの?」
「・・・・・・」
何で本気で結婚したって言ってくれないの?
本気で付き合って恋愛して、結婚したのに・・・!
結婚・・・・・。
そうだ・・・!
「そんな事、パパが許さないと思う!!」
「それはもう解決した」
「解決・・・?」
「・・・殴られてきた」
「・・・!!」
確かに、よく見れば左頬が赤くなっている。
「数回殴られはしたが、他の女性を好きになったのなら仕方ねェと言われ、こいつも乗せる許可も取った」
”こいつ”と言った時、目で先程の女性をチラっと見てどの女性の事かを明白にした。
けしてアイリではない事を証明するかのように。
「・・・そんな・・・!」
アイリは愕然とした。
ショックと言う言葉で表せないぐらい。
ずっと幸せに生きていけると思ったのに。
「・・・私、妊娠したんだよ・・・!?私とベックの赤ちゃんだよ?どうするの・・・!?」
「・・・好きにしろ」
「・・・えっ・・・!?」
ベックマンの言った言葉が信じられなかった。
先日まで一緒に育てようと言ってくれたのに・・・!
「産んでも良いし、産まなくても良い。産むなら養育費は払うが、俺の子として認める事は出来ねェ」
「!!・・・なんで・・・!?ベックの子供だよ・・・!?」
すでに目から涙は流れていた。
なんとかベックマンの気持ちを戻そうと必死だった。
「こいつにも悪いし、これから生まれてくるだろう俺とこいつの子にも悪い。これからの俺達の人生に前妻の子なんて邪魔なだけだろ?」
「!!」
またショックを受けた。
まだ別れていないのに私の事を前妻と呼んだ。
自分の子供なのに邪魔扱いした。
「お金なんていらない!ベックの子供として一緒に育ててくれなきゃ嫌だ!」
ここで黙って見ていた女性が口を開いた。
「悪いけど、出て行ってくれる?今からこの部屋は私とベックの部屋だから」
「そう言う事だ。出て行ってくれ」
「・・・なんで・・・なんでなの!?私の事愛してるって言ってくれたよね!?大切にするって言ってくれたよね!?パパに言われた条件守って、私のせいでベックが死にそうになった時も自分の事より私の事を心配してくれたよね・・・!?なのに・・・!なのにどうしてよぉ・・・!?」
我慢出来なくなり泣き崩れた。
その場で座り込んでしまった。
「ここで泣かれても困る。もう出て行ってくれ」
「そうね。あなたの私物、出すのを手伝ってあげるわ」
強制的に立たせれ背中を押され部屋の外へと押し出され扉は閉じられた。
何なんだろう・・・。
何でこうなってしまったの?
私はどこへ行けば良いの?
この船に乗っていて良いの?
船を降りなきゃいけないの?
この子と2人、これからどうやって生きていけば良いの・・・?
1人で子育てしながら、あの2人の幸せそうな姿を横目に見て私は老いていくの・・・?
毎日毎日見たくない姿を見せられるの・・・?
ベックとは・・・もう・・・戻る事は出来ないの・・・?
「・・・・・いや・・・・・・・・・・いやー!!!」
「アイリ!!」
呼ばれたと思い、はっと目を開ける。
「アイリ!大丈夫か?」
「えっ・・・?ベック?」
目の前にベックがいる事が信じられないでいた。
周りを見れば2人の部屋のベットの上だった。
ベックマンは横に寝ていたがアイリの苦しそうな声で起きた。
「どうした?うなされていたぞ?悪夢でも見たか?」
悪夢・・・?
夢・・・?
「・・・ベック・・・?私と別れたりしないよね?」
「ああ。大丈夫だ」
「・・・良かったぁ~。本当に良かった・・・!」
また泣き始めた。
「ベック・・・キレイな女性を連れて来て、突然別れろって言うのぉ・・・!もうダメかと思ったぁ・・・!!」
アイリの頭をポンポンした。
「大丈夫だ、安心しろ」
「・・・うん・・・!」
アイリが泣き止むまでずっと抱きしめていたベックマン。
”もう俺の方が離れられねェよ”
続く→→→
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