ベックマンは目を開けた。

「・・・・・・！」

どこだ！？ここ！？

薄暗くどこかの廃墟のようだ。

周りを見ればドラム缶や縄や大きな袋などおいてあった。

「アイリ！？」

先程からアイリの姿がない。

「・・・っ！」

ベックマンはその場から身動きできないでいた。

体を何か大きい物と一緒に縛られていた。

動けば動くほど鎖が食い込む。

その時、目の前から誰か来る気配を感じた。

「アイリか！？」

コツコツ足音を立てながら出て来た女性。

「初めまして。赤髪海族団副船長ベン・ベックマン」

「誰だ？お前」

「自己紹介が遅れました。私、アイリと申します」

「アイリ？」

「そう」

ニッコリ笑う。

スタイルが良く高身長。

腰ぐらいまである黒く長い髪。

身なりは露出している部分が多くSMプレイの時に着るボンデージスーツを着ていた。

おまけにアイリと同じ名前。

その名前が嘘か本当かわからない。

「アイリは無事なのか？」

「私の事？」

あきらかに誰の事を言っているのかわかっているのに意地悪な女性。

「無事なんだろうな？」

「あはははは！そんなに心配？じゃ特別に見せてあげる」

女性は誰かに合図を送ると目の前のカーテンが開きモニターが現れた。

そこに映っていたアイリ。

「アイリ！」

声が聞こえるはずもないが叫ばずにはいられなかった。

どこかに寝かせれたままだった。

目を開けないアイリ。

「どう？見れて良かった？」

「会わせろ」

「死体に会ってどうするつもり？」

「てめェ・・・！！」

怒りを露わにして襲い掛かろうとするもその場から動けなった。

さらに体に食い込んでいく鎖。

「冗談よ。まだ生きてるわ。あなたより強力な睡眠薬かがせたのよ？当分起きないわ。
それとそれ以上暴れない方が良いわ。大事な体が傷つく」

「・・・何が目的だ？」

「そうね、・・・・・真実の愛、それを見て見たくて」

「真実の愛？」